きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

ギリシャ危機への対応は

2012-05-20 12:10:06 | Weblog
ギリシャ危機への対応は      (012.05.20.)

フランスのサルコジ大統領はギリシャの危機に対し、当面の対策として、ユーロ圏内での金融支援で当面の危機を回避し、健全化に向けては、ギリシャ国民こぞっての徹底した緊縮、措置を取る事を要望していた。ドイツも国内では、「なぜギリシャの為にドイツ国民が被害を受けねばならないのか」と言ったデモまでお越し、メルケル首相も緊縮政策をギリシャに対してプレッシャーを掛ける姿勢を国民に示さねばならなかったのである。

プレッシャーを掛けられたギリシャの首相は、自国の危機だけに他国に影響を及ぼす事には遠慮がちだが、だと言って自国民に対する今迄の対応を一挙に緊縮に転換し、強要するわけにも行かず、大変苦しい立場に置かれている。

サルコジに変わったフランスのオランド大統領は、社会党出身だけに、民衆の気持ちを理解し、緊縮一辺倒には反対し、成長路線を示した中での、緊縮に理解を得るよう国民に訴えそれが、受けて当選を果たしたのである。ドイツの国内でも国内の選挙で国民は緊縮一辺倒には反対の意向を示した結果が出ている。

最近の社会は、全てがIT化され、国の「財政が、持たなくなればもてる様に緊縮するのは当然だ」と言うだけで、締め付けを第一に考える。だからギリシャ国民は、締め付けられる苦しみを耐えられないと反発を示したストライキに発展する。
他の国の国民は、あれだけの大赤字を出しておいて、更に他国の援助も受けていて、「ストライキとは贅沢だ!」と言う感覚もまた、理解できない事も無い理屈である。

ヨーロッパの人たちは(特にギリシャ国民は)アジアの国民と違って、文化程度も高く、その分、気位の高い所があって、なりふり構わない極端な貧乏生活を強制される事には抵抗感が強いのではないかと、思われる所が有る。
今回フランスのオランド大統領とドイツのメルケル首相によって取られる政策は、単なる緊縮一辺倒ではなく、“こうすれば立ち直れる”と言う希望の道のりを示し、ギリシャ国民に「努力すれば立ち直れる」と言う未来に希望の開ける目標を示して努力させようとするものである。

従って、今回の問題は、ギリシャ国民がギリシャの財政赤字問題に何処までの危機意識を持っているか、と言う問題と、ユーロー圏の国民が、何処まで団結力を持って、お互いに助け合う気持ちを持っているかの問題で、あると思います。
その認識の度合いによって、ユーロ圏の行方が定まるのではないでしょうか。
来月には、もう一度ギリシャ国民による国民投票が行われますが、結果次第では全世界にその影響が及ぶものと思われる。
(えびなたろう)