きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

イラクからの米軍撤退始まる

2010-08-26 12:31:21 | Weblog
イラクからの米軍撤退始まる        (010.08.26.)

オバマ大統領は2011年の末までに、イラク駐留軍の完全撤退を目指すと言う事で、今年の8月末に戦闘部隊の任務を終了するとしている。

2003年3月に開戦したイラク戦争は、ブッシュ大統領が「イラクが大量破壊兵器を隠し持っている」と言う情報を一方的に信用して開戦に踏み切ったもので、当時はドイツもフランスも反対を表明し、国連もイラクに大量破壊兵器を持っている確証は無いとしていたにも拘らず開戦してしまった。
賛成をしたのは、日本だけで、国内でも反対する人もあったが、当時の小泉内閣は、ブッシュ政権にベッタリで何の躊躇も無く賛成を表明している。

開戦後僅か2ヶ月で、イラク戦争に勝利しフセイン政権は打倒したものの、その後の国内統治に失敗し、7年を経過した今日まで、「テロ」との戦いに今もって苦戦を強いられている。

オバマ大統領は、7年続いたこの戦争を、取り合えず終結する事を目的に今月末を持って、戦闘部隊の撤退を宣言した。

この間イラク人の死亡者は15~22万人、アメリカ兵は4200人以上と言われ、その死亡者の大半は戦後の「テロ」による死亡者が圧倒的に多いのである。

テロ撲滅のためにはじめたアメリカの武力攻撃は、誤爆によるイラク民間人の被害を大きくし、国民からは反米感情を拡大したため、テロ戦争は、終わり無き戦争と言われる泥沼化したものになってしまった。

オバマ大統領は、就任当初から「イラク戦争は誤りであった」と同時に「理念なき戦い」であったと表明しており、撤退を決めたのである。しかし、アルカイダと繋がるテロの撲滅のためにアフガニスタンの駐留米軍を増強している、この辺は私も少し理解に苦しむところであるが、未だに米国内にもブッシュ大統領時代の勢力がオバマを突き上げているせいかも知れないが、イラクと同じような事態にならない事を望みたいと思います。

英国のミリバンド前外相は「“テロ”戦争の過ちのひとつに、軍事力への過信をあげる。戦火と犠牲者の拡大は、テロを防ぐ味方を必ずしも増やせない」と述べている。
オバマ大統領もその辺を良く認識して取り組むべきであると思う。

イラク戦争撤退の総括は、何の成果も上がらないで、大量の死亡者を出し、膨大な資金と無駄を費やしただけで、「如何に戦争と言うものが無意味なものである」と言う事を物語っている。

日本は、ただ米国一辺倒で、無批判に考えも無く賛成した事を、反省すべきであると思うのだが、未だに反省をしていない。アメリカ自身が誤りを認めているのに、困ったものである。

これからの国際社会での有り方は、日本として、明確な態度を示す上でもしっかりした国民的思考を確立する事が必要であると思います。
(えびなたろう)