きまぐれ発言

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独立行政法人に移行した国立がんセンター

2010-04-04 09:56:38 | Weblog
独立行政法人に移行した国立がんセンター     (010.04.04)

今年の4月から国立がんセンターが独立行政法人に移行することになった。そして、初代理事長には嘉山孝正氏(山形大学医学部長)が就任する事になった。

嘉山氏は1950年神奈川県生まれで、東北大学医学部を卒業、脳神経外科が専門で、山形大学医学部にあって赤字の付属病院を黒字化させ組織規模を拡大すると共に世界で3台目のMRIを導入し2006年には国立大学医学部で初のがんセンターを創設。ほかにも、24時間の保育所の設置、「診療の危険度」に応じた手当の新設などを行っている。

今までの国立がんセンターは1962年に設立され、厚生労働省出身の医系技官が管理局長として総長や病院長を超える人事・管理権を持ち、金と人を思うがままに牛耳ってきたもので、厚生労働省幹部の天下り先の象徴的存在であったのである。
膨大な補助金を餌に病院を食い荒らし大きな借金を残している。その大部分は東京築地にある中央病院の建て替えに特別会計から借りた物で、600億円の債務を引き継いでいる。
年間、診療報酬収入が250億円に対し毎年30億円の利子を払うことになっている状態で、普通なら400億円で建て替えが出来るものを600億円も掛かっている、その差額は何処へ流れたのかも不明である。

今回、独立行政法人化されることで、労働省の頸木から解放され、嘉山新理事長による経営の手腕が発揮される事に期待したい。

自民党政権下では、無駄な税金の垂れ流しが黙認され続け、その反面職員に対する待遇は駆け出しの医者は院内の6畳ほどの部屋を与えられ住み込みで手取り20万円ほどで、ボーナスもなしだということである。

嘉山新理事長は今年度から独立法人としてのスタートの挨拶で「職員にとって魅力的で働きやすい職場環境の整備に努める。医療事故などで問題が起きても、誰の責任かを追及するのではなく、なぜこの事故がおきたのか、原因を追究する姿勢で臨む」と職員全員に呼びかけた。

職員は全員拍手で賛意の意思を表明して新しい体制のスタートを誓い合った。今後の発展に期待したい。
(えびなたろう)