きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

日医会長小差で原中氏が

2010-04-02 10:38:13 | Weblog
日医会長小差で原中氏が       (010.04.02)

年度が替わり、昨日、日本医師会の会長選挙が行なわれた。その結果民主党支持を表明している原中勝征氏(69)が現職の唐沢祥人氏(67)を僅差で破り当選を果たして、同日新会長に就任した。

日本医師会は1957年発足時に、武見太郎氏が会長となり、医師の立場を主張して、時の政府に噛み付き「武見天皇」とまで言われた強硬派の会長で、当事の吉田茂首相も彼の権勢に一目を置いていたのである。
その時代から今日まで、半世紀以上続いた医師会は自民党が擁立する候補者で占められ、診療報酬の単価をはじめ薬価等々、医療に関する待遇改善には医師会の意向が強く反映されていたのである。

その裏には、自民党に対する多額の政治献金が伴い、両者の蜜月関係が今日まで続けられて来たのである。
その結果は、医師の中では「病院医師」と「個人診療医師」との報酬格差を生じた事もあるが、患者と医師に対する関係も医療データーの開示はなく、医師側の言いなりに事が運ばれると言う不満が積もっていたのである。

今回の政権交代で、医師会の会長も選挙の結果民主党系の会長になったことは、自民党にとっては、大きなショックで、自民党の谷垣総裁も、来るべき参議院選挙で、巻き返しを計るべく躍起になっていると言うことである。

しかし、此れは時代の流れが、自民党の独裁政権下で、時の政府と癒着した、自己防衛の好き勝手な振る舞いに、行き過ぎを防止する働きが起きたことであって、当然の成り行きがそうさせたのである。

そして、あくまでも、医療問題は医師だけの立場ではなく、患者の意見も組み込んだ議論のうえに公平・平等でなければならないと思います。

この4月から、診療内容まで、明らかにした医療の領収書が発行されることが義務付けられますが、此れも今まで患者には隠蔽され続けた内容を開示する物で、今後は患者も積極的に、医療制度に発言する事が求められたのである。

新しい、原中会長が、今度は民主党よりに変わったからと言って民主党と癒着するようでは全く今までと変わらない事になるので、そうではなく、患者・医師・行政の3者による論議が中核をなし、公平・公正で、効率の良い医療制度の発展に尽くすことが、新会長に求められる最大のポイントであります。

自民党の会長職を取られた動揺が、民主党から、何とか「取り返せ」と言う動きは全く見当違いの、動きであって、患者を含めた3者による、民主的な運営を国民は望んでいることを認識すべきであります。医師会の会長職を、自由・民主の権力闘争の場であってはならない事を先ず反省することが大切である。
(えびなたろう)