きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

素晴らしい横浜商大野球部

2009-07-17 11:15:43 | Weblog
素晴らしい横浜商大野球部        (009.07.17.)

連日、気が滅入る政界の話には“うんざり”していたが、今日は素晴らしい話をBlog に取り上げたいと思う。

神奈川では、高校野球の名門校である、横浜商大野球部の話である。部員138名と言う大所帯の野球部の中で、誰でも入部を受け入れる金沢哲夫監督が、一度は入部を断ったと言う選手が居ると言う。

その選手は梅沢浩太君(3年)ベンチでいつも大声を張り上げて応援をしている。

浩太君は、市内の病院で生まれた時は、746グラムと言う、超低出生体重児で特別な施設のある病院に搬送され、産科医からは命さえ危ぶまれていたのである。

従って、高校入学時も体が小さく、本人も野球の選手にはなれないものと思っていたが横浜商大野球部の説明会を母親と一緒に聞きに行き、恐る恐る「未経験者でも入れますか?」と質問した。金沢監督は「誰でも全員入れる」と笑顔で答えた事に、浩太君は野球選手に対する猛烈な情熱を感じ、入部の申し込みをしたのである。

ところが、練習初日の夜、金沢監督からは母親の美樹さんに電話があり、率直に言って「無理だと思います」と告げられた、体力的にも危険だと判断されたからである。
しかし、母親の美樹さんは「先生、初日から諦めないでください」と食い下がってお願いした。

翌日再び父親も本人の誕生からの経緯も話し「いざと言うときは私の責任で辞めさせますから」と懇願しどうやら入部が認められたのである。

金沢監督も138名と言う大所帯を纏めて行く監督として、また高校野球というスポーツを通じて、青少年の心の教育者として、本人はじめ両親の熱意に「よし!お預かりしましょう」と言う気に成られたのだと思います。

横浜商大は大所帯だけに、新入生は「指導係」と言う3年生の先輩が面倒を見てくれる、梅山君に「3年間続けろよ!」「後輩の悩みを聞いて挙げられる先輩になれよ!」と言ってくれたと言う。

この指導係の忠告は、どれだけ、梅山浩太君を元気付かせたか、また自分が先輩になった日には素晴らしい先輩になることを夢見て、張り切った事だろうと思います。

成りたい希望を胸に秘め、諦めていた浩太君に、一つのチャンスが与えられ「一番下手な自分がさぼっていたら、みんなに失礼だと思う」と毎朝5時半には家を出て、誰よりも早くバットを振ったり、後輩が出来てからは、ティー打撃でボールを上げる役など頼まれた練習を断った事がないと言う。

3年生になった梅山浩太君に昨秋、金沢監督から忘れられないプレゼントが贈られたのである。
其れは、25人しか入れない県大会のベンチ入りで、梅山君に25番の背番号が送られた事である。

大勢の部員の中で、ベンチ入り出来ない部員はたくさん居るが、やっと待望の正選手として、背番号を貰った事に本人は無論両親も信じられない喜びをかみしめ、母が初めて縫い付けた背番号入りのユニホーム姿を記念写真に収めたとの事です。

実力ではなく、梅山君の努力が25番の背番号に集約されている事は、当然の事ではあるが。商大野球部の部員を育てる金沢監督・指導係りの諸先輩、この一団が商大野球部の強さを作り上げている事だと思います。

とかく野球部員の不祥事が報道される中、横浜商大野球部の教育方針に心から敬意を表したいと思います、そして今年も夏の甲子園に是非出場を果たし活躍を祈りたいと思います。
(えびなたろう)