きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

水俣病救済はまだ完全に終わっていない

2009-07-09 12:46:52 | Weblog
水俣病救済はまだ完全に終わっていない     (009.07.09.)

戦後最大の公害事件である、熊本県水俣市で、チッソが海に流した廃液から起こした病気で、メチル水銀による「中毒性中枢神経疾患」である。水俣市で起こった事から水俣病と言われ、その後新潟県で昭和電工が起こした廃液によるものも、「新潟水俣病」と呼ばれている。

症状は、手足の感覚障害・平衡機能障害・言語障害等々でひどい時は激しい痙攣や神経症状で死に至るものもあり重症から軽症まで多様である。

また、最近では母体内で水銀を浴びた胎児性水俣病もあり、今後にまだまだ問題を残す要素がある様だ。

7月8日に「水俣病特別措置法案」が参議院本会議で可決成立した、この救済法案は前回(1995年)に続く「第2の政治決着」で、此れまで認定して貰えなかった約3万人のうち2万に以上が救済されると言うものである。

此れまでは、水俣病と言う病気の概念が、政府見解では認められず、同じ症状が出ていても認定されなかったが、今度の法案では、「水俣病」という病気を、政府も認めて認定した事は大きな親展であったと思われる。
「水俣病出水の会」会長の尾上利夫氏は「長かった37年かかったもんなあ」と過去を振り返っている。

しかし、一方では特措法ではチッソの分社化が認められており、チッソが保障を受け持つ会社と、別にそれ以外の事業を継続する会社に分ける事で、補償する会社は、補償に専念し売却して清算する事にしている、従ってその後は原因企業が消滅する事になる。

これについては、企業の幕引きを考えた、企業救済法では無いかと強く反対する団体もある。

確かに公害の恨みは、企業にある事から、この問題から逃げさせないと言う気持ちも理解出来ない事も無いが、いたずらに、長引かせる事で、肝心の被害者救済を放置する事は許されない事だから、先ず救済することを行い、今後更に被害者が出る事に関しては、この事件の責任は、行政にある事を最高裁でも認めていることから、法廷の場で改めて争えばよいと思う。

民主党の見解も、今後に起こるだろう、胎児性水俣病等に対しても其の救済は行政が責任を持って対処する事を述べている、従って法廷の場で争う事になる。

この際、政府も改めて、汚染地域全体の被害調査を行い、認定基準の見直しをすべきではないでしょうか。
(えびなたろう)