きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

3分の2勢力と言う暴力

2008-01-16 11:14:13 | Weblog
3分の2勢力と言う暴力      (008.01.16.)

与党は道路整備財源の確保のためにガソリン税の暫定税率維持を含む租税特別措置法の改正案が参議院で否決された場合、衆議院での3分の2勢力を使って成立させる方針を決定したと言う。

新テロ特措法で3分の3勢力を使って成立させた手段を再び「道路整備財源」確保のために「租税特別措置法改正案」を参議院での反対があっても強引に押し通そうと言うものである。

衆議院での3分の2勢力と言うのは、衆議院で可決、参議院で否決になったものを如何しても両者の調整が付かない場合に、憲法59条の特例で衆議院で3分の2の再議決があった場合に衆議院での決議を優先すると言う物で、民主主義制度に於ける話し合いの最終極点の議決手段としての特例である。

そもそも3分の2の勢力と言うのも、国民の意思が衆議院選挙で作り出す投票結果の事である。
今の与党が3分の2の勢力を得たのは、一昨年小泉内閣時代に掲げた改革に共鳴した国民が投票して得られた物で。当時の小泉内閣の政策では、「郵政民営化」「緊急必要でない道路は作りません」「道路財源の一般財源流用を計る」「特殊法人の整理合理化」等々
で改革一本で選挙戦を戦った結果の3分の2の勢力が得られたのである。

あれから、安倍内閣、福田内閣と変わり、現状内閣では小泉時代に保留にしていた道路も結局全部作ることにし、道路財源からの流用は計られず、特殊法人の整理合理化は殆ど行なわれず、あの当時の小泉マニフェストに反する行動をしている。

其ればかりか更に道路財源の確保のために「租税特別措置法の改正案」を通そうと、通らなければ3分の2勢力を使おうと言うのだから、国民の意思に逆行する事に使う事は将に国民をペテン掛けた行為になるのではないでしょうか。

自民党員達も其れが解っていて遣っている、なるべく解散を先へ延ばす事も3分の2勢力を持っている間は、この手段で何でも通せると言う暴力と言わざるを得ない。

法律に沿った合法的な手段だとは言うものの、小泉政権時代の国民が与えてくれた「力」であって、それから2代も変わった福田政権で全く逆行する法案に使う事はとても黙って見ている訳には行かない。

解散総選挙を行い、現状の民意を「ガラガラポン」して全国民の思いを新たにした段階で、挙国一致の政権誕生を国民は願っているのです。

「ねじれ国会」は永年自民党が、ゆがめた政治を積み重ねてきた結果であって、この際その「ゆがみ」を正常にしてこそ「ねじれ」もなおる事でしょう。
                       (えびなたろう)