きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

給油がベストではない

2007-10-21 12:04:14 | Weblog
給油がベストではない     (007.10.21.)

 ペシャワール会、現地代表の中村哲医師は、現地での医療活動を遣る為にアフガニスタンに入り医療支援を行なっていたが、アフガンの現状が、悪化の一途をたどる状態を見て、その原因が、単に治安だけの問題では無い事に気が付かれた。

2000万人の国民の半分以上が食料不安の状態にある事、そして80%以上が農民である事、それに毎年続く旱魃で農地が沙漠化している事である。

そこで、中村医師は、「農村復興こそが、アフガン再建の基礎」であると認識され、医療活動より、水源の確保が大切と、井戸掘りを1500本、農業用水路を第一期13キロを竣工させて来られた。
 更に数千町歩の灌漑を目指し活動を続けると言う事で、総工費9億円は伸べ38万人の現地雇用対策にもつながり、それを聞いた多くの旱魃難民が村に戻ってきたと言う。
此れによって、各2万トンの小麦、米、トウモロコシの生産が保障される様になったとの事である。

しかし、一方米英軍の軍事行動(治安の為の軍事行動)は拡大の一途で、誤爆による住民の犠牲も連日の事であり、被害住民の反米感情は高まりかえって、タリバン勢力の実行支配の方が進んでいると言う。

この様な背景は、戦乱と旱魃に見舞われた、農民は、村を逃げ出すしかなく、農地なき農民は、難民になるか、または軍の傭兵になるかの選択肢しか無い状態で、治安の収まる状態ではないのが現状である。

昨日のテレビで、この活動を続けてこられた中村医師は、テロからの襲撃に対する質問に、「今までテロからの攻撃は一度も無かった」「むしろアメリカからの誤銃撃を受けた事はあった」と言う。
そして更にテロ特措法問題を論ずる前に、「アフガンの空爆」と「アフガンの復興」この二つの活動を基本的に考え直す事が必要ではないかと説かれている。

アフガンは本来歴史的にも親日的であるが特措法が延長される事で、米国の空爆を助長すると見なされ反日感情になれば、日本にとって大変不孝なことである。

この際、日本は、アフガン農民の立場に立って、復興支援の方に力を入れるべきで、農民が農地で働く姿になれば、治安維持に間違いなく繋がって行くものと思う。
決して、「給油」がベストではありません。そのカネがあれば、アフガンの農地に豊かさを戻す事が出来ると思います。

                   (えびなたろう)