2012年2月20日 メガソーラー発電所 b
と、思っていたら、東電に、発電状況をリアルタイムで見られるサイトがあることが分かった。過去1週間分の発電量も載っている。(データで見るメガソーラー)
下記のグラフは、扇島ソーラー発電所の、今日、2月20日の様子である。施設の最大出力は13000kwだが、発電電力は、10330kwまでになっている。
この1週間のデータをみると、下の表のようになる。発電電力が12027kwまで達した日もあるようだ。又、1日の発電電力量は、大きくばらついており、これは、気象条件によると思われるが、参考に、日射強度を示してある。1日の発電電力量が最も多い日で、69990kwhであるが、この日の、有効発電比率を求めてみると、0.077とかなり低い。これは、冬期のため、平均的に、日が短く、日が低く、日差しも少なく弱い、と言った要素が、影響していると思われる。
電気事業連合会のサイトにある、太陽光発電所一覧表(メガソーラー発電計画)によれば、計画中も含めて、最大出力の合計は、105Mwとある。これらすべてを稼働させた時の発電量は、前記の、有効発電比率を、仮に、0.13とすると
105×106w×8760h×0.13=119574×106wh
=119574×103kwh=1.19574億kwh≒1.2億kwh
=120Gwh
となる。
わが国における、総発電量は、連合会の上記のサイトのデータによると、大まかに言って、
1兆kwh
であるから、太陽光発電プラントの発電量は、1%にも満たないものなのだ。
ここで、やや、唐突だが、この数字と、福島第一原発で、停止している原発、全6基の発電量とを比較してみたい。各原発の発電の定格出力は、以下となっている。
福島第一 1号機 46 万kw
2 78.4
3 78.4
4 78.4
5 78.4
6 110
合計 469.6万kw
6基全てを、1日24時間、年間365日、通しで稼働するとし、定期検査で止まる(約2~3か月)等を見込んで、稼働率を80%とすると、6基全体の年間の発電量は
469.6万kw×24h×365×0.8=3290957万kwh
≒33000億wh=33テラwh
となる。
ここで、前記の、メガソーラー発電所の発電量と比較すると、
福島第一原発6基全体の年間発電量 33 Twh
メガソーラー発電所全体の年間発電量 120 Gwh
と、かなり桁が違い、福島第一原発相当分だけで、全国の現在のソーラー発電所の
33×103/120=275
倍もの設備が必要と言う計算になる。
堺太陽光発電所のプレス記事の中に、当発電所の発電量は、原発一基分の約1/100に相当、とある。堺の最大出力は、10000kwだから、100万kwの定格出力の原発一基分の、1/100となる。でも、上述のように、稼働率を加味すると、原発は、約80%と高いが、ソーラーは、精々13%程度のため、更に、1/6程度になってしまう。
一方、家庭での太陽光発電量について見てみよう。ネットのサイト(太陽生活)に、現在、80万戸の家庭に付けられている太陽光発電パネルの、発電総量は、約3.5Twhという数字がある。これを借用すると、福島第一原発全体の発電量 33Twhの、約一割にしかならないのだ。
原子力に代わる、再生可能エネルギーの、本命と言われる太陽光発電だが、電力各社による大規模な発電プラントも、個々の家庭の屋上等での発電も、現状は微々たるもので、本格的なエネルギー転換への道のりは、まだまだ遠いと言えよう。