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アメリカの自然   4  平原

2017年02月06日 14時58分48秒 | 日記

2017年2月6日(月) アメリカの自然  4 平原 

 

 アメリカの自然シリーズの最後は、平原である。 

 手持ちの地図帳(帝国書院 地歴高等地図 H27.10)で、アメリカの地図を見ると、山脈や、川や、湖の他に、平原を表すものとして、ロッキー山脈の東側と、東海岸のパラチア山脈との間に、

   グレートプレーンズ   プレーリー   中央平原

と、下図にもあるように、南北方向に、縦に並んで表示されており、ミシシッピ川あたりが、中央平原である。(図は、ネット画像)

  

 これ等が、地理用語として、どういう違いがあるのか、以前から、やや曖昧だった。今般、ネットなどで、改めて調べていくと、かえって混乱したのだが、筆者なりに、一定の整理が出来たようなので、以下に示すこととした。

 

◇中央平原(中央大平原) Interior Plains

中央平原は、原語の英語では、

     Interior Plains

と言うようで、「中央」がついていないが、意味としては、内部平原、内陸平原ということだ。日本では、これだけが、英語でなく漢字表現になっている理由も不明である。 

ともあれ、この中央平原は、学術的な平原の分類では、「構造平野」(Structural Plain)になるようだ。

構造平野には、以下の種類があり、アメリカの中央平原は、浸食平野になるという。

  ○浸食平野 浸食(雨、風、氷河)や風化によって作られた平野 大規模平野

          :シベリア平原、華北地方、アメリカ中央平原、ヨーロッパ平原、

           アマゾン低地の中央部 等。                               

    準平原 より浸食がすすんだ山地  

  ○堆積平野 川の運んだ土砂によって作られた平野 小規模  沖積平野とも

         :日本の平野、ロンバルディア平野 アマゾン低地の河口部分 等。

                (以上 構造平野 - Wikipedia 等より)

 下図は、アメリカの中央平原を示したもので、カナダを含む、北米大陸内部全体に広がる広大な地域だ。ここから、Interior Plainsと呼ばれるのかも知れない。(図は、村すずめの稀に絵日記 中央平原って何だ~Interior Plains - Wikipediaより)

      中央平原

 

◇グレートプレーンズ Great Plains

 グレートプレーンズは、上述の北米大陸に広域にひろがる中央平原の上に、下図左の、ロッキー山系から流れ出る川の土砂が堆積してできた、堆積平野といわれ、下図右のように、ロッキー山脈の東側に広がっている。 

 

        ロッキー山脈                            グレートプレーンズ  

ロッキー山脈が走っているアメリカの州は、北から、以下である。

   モンタナ、アイダホ、ワイオミング、ユタ、コロラドニューメキシコ

一方、グレートプレーンズに含まれる州は、北から、以下のようだ。

   モンタナ、 ノースダコタ、サウスダコタ、ワイオミング、ネブラスカ、

   コロラド、カンザス、ニューメキシコ、オクラホマ、テキサス 

(下線は、双方に含まれる州)   (以上 グレートプレーンズ - Wikipedia) 

 植生としては、グレートプレーンズの西側は、丈の短い草が生え、東側は、草原地帯である、次項のプレーリーと重なっている。

  

◇プレーリー  Prairie

  プレーリーは、草原や、低灌木の植生の平原を意味しており、カナダからメキシコまで及ぶ草原である。

下図は、アメリカでのプレーリーの様子だが、凡例にあるように、草丈の短、中、長により、3つのタイプに分けられるようだ。(以上 プレーリー - Wikipedia より)

  

  それぞれのタイプの地域を、図から大雑把に推定すると、以下のようになる。

    短草:モンタナ ワイオミング コロラド ニューメキシコ

    混合:ノースダコタ サウスダコタ ネブラスカ カンザス オクラホマ テキサス

    長草:ミネソタ ウイスコンシン アイオワ イリノイ インディアナ ミズーリ  

 プレーリーという呼称は、主に、カナダで使われるようで、アメリカでは、前項のグレートプレーンズと併用されているようで、グレートプレーンズの東部や、前項の、中央平原の西部を指す事もあるようだ。

プレーリーは、アルゼンチンのパンパや、中央アジアのステップ等と、ほぼ同意であるが、気候によって、草原の草の種類や丈は異なり、乾燥地域の草丈は低いようだ。 

 以下のサイト、

 ○ラシュモア山とスー族の聖地 北部大平原と北部山岳部の観光 (アメリカ生活・e-ニュース第95号)

には、ロッキー山脈と、グレートプレーンズ、プレーリー(草原)を示した、下図が出ている。

  

 このサイトには、グレートプレーンズは、植生的には、短草の草原(ショートグラスプレーリー)であるとある。グレートプレーンズは、地形・気候的には、1500フィート(457m)以上の高地で、年間降雨量が20インチ(510mm)以下となっているという。

 そして、プレーリーは、狭義で、トールグラス(長草)プレーリとして使われることもあるという。 

 さらに、このサイトでは、西経100度線辺りを境として、植生によって地域が分かれているとあり、図には、西経100度経線も示されている。

そしてサイトでは、経線付近の

   西側が 大平原:グレートプレーンズ(Great Plains 短草)

   東側が 大草原:プレーリー(Tallgrass Prairie 長草)

としている。

  

 プレーリーの3つのタイプが示されている先の図と、上図とを比較すると、

    先図  短草・混合ゾーン ⇒、上図右 グレートプレーンズ

    先図  長草ゾーン     ⇒ 上図右 プレーリー(草原)

と、おおよそ、同じような形になっている、と言えるようだ。

このことから、筆者も、このサイトの、単純明快な呼称を、使わせて貰うこととした。

 

 以前、アメリカのTVドラマで、NHKでも日本語吹き替え版で放送された、

   大草原の小さな家:Little House on the Prairie

というのがあり、筆者も、なんども見ている。 そういえば、アメリカの、草ぶかい田舎が舞台だった! この原作者(ローラ・インガルス)は、ウイスコンシン、カンザス、アイオワ、ミネソタ、サウスダコタ、ミズーリと転々とした実経験をもとに作品を書いたようだ。これ等の州は、上図では、長草のプレーリー地帯になっていて、お陰で、ドラマの風景が確かめられたようだ。 

 アメリカのプレーリーと言えば、周知のことだが、下図のように、愛らしいプレーリードッグ達の、棲み家にもなっている。(図は、ネットより)  

  平原や草原と言うと、日本では、すぐ、周りに、山々を想像するのだが、アメリカでは、大袈裟に言えば、地平の彼方まで、

  平原はどこまでも赤茶けた大平原 

  草原はどこまでも緑の大草原

が続いているようだ。ただ、現在は、農業、畜産業等での土地利用が進んで、大方が、畑や牧場になっている、ということのようだ。

 


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