ケイの読書日記

個人が書く書評

チェスタトン「ブラウン神父の童心」

2010-02-03 21:25:14 | Weblog
 なかなか本が読めない。以前より仕事が忙しくなったとか、家事が増えた、という事はないのに本が読めない。
 仕事でもプライベートでも、能率が悪くなったなぁと感じる。おまけに図書館で借りた本は京極夏彦なので、なおさら読み終わらない。これって…もしかして老化? 

 とにかく5日に一度ブログの更新を自分に課しているので、昔の読書ノートから良さそうなのをUPしてみる。

 
 チェスタトンはドイルとほぼ同世代だが、その作品の雰囲気があまりにも違うので驚いた。ホームズ物がヴィクトリア女王時代のイギリスを色濃く写しているのに比べ、このブラウン神父物は国籍不明、設定年代不明、架空の国の寓話のようだ。
 ローマンカトリックの田舎神父という設定だからだろうか?しいて挙げるなら中世ヨーロッパのイメージ?
 また、作品が風刺とユーモア、逆説と警句がふんだんに盛り込まれているので、作者が高い教養の持ち主という事はよく分かるが、現実離れした印象を受ける。
 
 奇想天外なトリックが多く、今の警察の鑑定技術であっという間に見破られてしまうだろうから、現代の私達にすればバカバカしいような気もするが、推理小説として頭を働かせて読もうとすると素晴らしい作品。

 「奇妙な足音」「見えない男」「折れた剣」etc…どこかで聞いた事がある有名なトリックばかり。皆さんも自分で読んでぜひとも確認してください。
コメント (4)
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