ケイの読書日記

個人が書く書評

志賀直哉「和解」

2013-08-03 10:25:38 | Weblog
 「笑っていいとも」の番組内で、林先生(「いつやるの?今でしょ」の予備校講師)が、日本の名作文学を解説するコーナーがあった。そのコーナーで、志賀直哉の事を少ししゃべっていたけど…志賀直哉って、結構ハンサムでモテたんだってね。へーーーぇぇぇぇ!!!

 短編小説の大家で、いいとこの坊ちゃんで、父親と不仲で…というイメージはあったけど、容姿についでの情報はスパッと抜け落ちていた。
 だって、本や教科書に載っている写真は、年取ってからの爺さんの写真ばかりだもの。
 若死にすれば、若々しくてハンサムな時の写真が載るけど、この人は長生きしたからなぁ。(享年88歳)
 私が借りたこの文庫の表紙も、志賀直哉爺さんだが、そう言われて見ると、目鼻立ちがハッキリし、きりっとした男前かも。



 この『和解』は、志賀直哉の代表作の一つで有名だが、私は読むのは初めて。
 息子と父親が不仲になるのは、よくある話だが、虫が好かないといった感情だけではなく、足尾銅山鉱毒事件で衝突。(志賀直哉の祖父が以前、足尾銅山を共同経営していた)その後も、結婚に関しても衝突する。
 
 ただ、父以外の家族とは、すごく仲がいいんだよね。祖母、2度目の母(実母は病死)大勢いる妹たち。
 彼女らの、和解してほしいと願う気持ちも身に沁み、とげとげしかった父への悪感情も少しずつほぐれ、ついに和解することになる。

 この和解へのプロセスも読みごたえあるが、私が一番興味を持ったのは、その豊かさ。
 いくら金持ちのボンボンとはいえ、定職のない30前の若夫婦家庭に、女中2人、下男1人とは…。お給料払えるの? 短編小説がそんなに金になるとも思えないが、資産があるのかなぁ。
コメント
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