ケイの読書日記

個人が書く書評

絲山秋子「沖で待つ」

2009-03-30 11:34:54 | Weblog
 2006年第134回芥川賞作品。同期入社した同僚との男女間の友情を書いている。とても話題になった作品。

 女性で、ここまで会社に帰属意識を持っている人は珍しいんじゃないだろうか?いくら「転勤OK・男と対等に働く女性総合職」といっても…ね。
 まあ、この主人公の場合、午前様で帰宅するのは当たり前のべらぼうに忙しい職場なので、学生時代の友人や恋人とだんだん疎遠になっていくのは仕方がない。
 それに代わって同僚とのつきあいが大きなウエイトを占めるようになる。
 とくに彼女は結婚していないので、なおさらだ。
 子供でもいれば、プライベートと仕事をしっかり区別するようになるだろうけど。


 それにしても、この女性の同僚の『太っちゃん』と呼ばれる男性、驚くほど良い家庭人だね。結婚して子どもも生まれ何年もたつのに、自分の妻にラブレターめいた詩を残すオトコっているんだろうか? 
 少なくとも私の周りにはいない。


 しっかし、この作品って過労死推奨小説?ってイヤミを言いたくなるほど長時間労働を肯定的に書いているね。
 1日24時間のうち、20時間働いてどうするの?
コメント
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