本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

新聞・雑誌の誤用と悪文 第1弾

2020-05-28 08:34:38 | Weblog
 ある時期、依頼を受けた企業の社員にビジネス文書についての研修を行っていた。
 生真面目な話だけでは面白味がないので、新聞・雑誌からの誤用や悪文の例を取り上げた。

 24日の「責任」(「メモ帳のメモ」その1)で触れた「汚名挽回」もその一つだが、新たにタイトルに基づき拾い上げていきたい。残念ながら何という新聞か雑誌かその日付はいつかについて書き込んでいない。

 例1「ツポレフ154旅客機が突然爆発し、墜落した。同機に搭乗していた乗客64人と乗員12人の安否は絶望視されている」
 「安否」とは無事かどうかということだから「安否が気遣われる」とするか「生存は絶望視されている」とするかではないか。

 例2「巡査は1人でパトロール中で、男が警棒で巡査を殴った後さらに向かってこようとしたため、「逃げると撃つぞ」と警告したうえ、発砲したという」
 これは、職務質問した男に警棒を取られて殴られた巡査がピストルを発砲し、男の足に命中した時の記事である。

 「さらに向かってこようとしたため、「逃げると撃つぞ」と警告した」の文は、短絡の文脈だ。巡査の警告は警官のマニュアル用語だろうか。向かってくるなら「止まれ」か「動くな」だろう。そもそも警棒を奪われ、殴られた様子から距離をおいて警告したと読めない。なんとも状況がわからない悪文だ。

 例3からはいずれまた。