本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

珍しい慣用読み

2018-01-30 09:18:55 | Weblog
 慣用読みでよく知られているのが「消耗」ですかね。心神が耗弱(こうじゃく)とあるように「しょうこう」となるものが慣用読みになっている。
 堪能も「かんのう」が正しいようだ。漏洩も「ろうせつ」が正しい。こうした慣用読みはネットにいっぱい出ていた。
 
 杉本苑子の随筆に中華料理店で「杏仁(キヨウニン)豆腐」を注文したところ「アンニン豆腐ですね」と念を押されたそうだ。私は「アンニン豆腐」が当たり前と思っていたけど。
「アン」は唐音、「キョウ」は呉音のギョウの清音化だろう。彼女は「キヨウ」は漢音の「コウ」が訛って慣用となったと書いているが、これは違うと思う。
 杏は和語ではアンズだが、この種は漢方薬に用いられた。古代に診療所の空き地に苗木を育てて杏林にした。これが杏林大学と由来だろう。このことは随筆で知った。

 名わき役だった山茶花究の「サザンカ」なんぞも慣用語だろう。まともに読めば「サンサカ」だ。「ン」が三番目の「サ」と入れ替わった。珍しい慣用読みであめると言いたかったことでした。