祝祭の場

　ヨーロッパではどんな小さな町にも広場がある。
　この広場は祝祭の場なのだ。なるほど、中世では政治的、宗教的、軍事的な儀式の場であり、公開処刑の見せしめの場でもあった。
　今は青空市場も立つ。

　日本でも祝祭はある。しかし、必ずしも広場があるわけではない。日本の祝祭の場は道とのことだからという。言われてみれば、神輿も山車も町筋の道に繰り出す。阿波踊りも東北の祭りも博多どんたくも道路を目いっぱい活用する。
　朝市も道路沿いが多い。

　ヨーロッパは広場を見据えた街づくりである。一方、日本の町は、道の両側の家々が一つの町とする両側町が基本だろう。
　西洋と日本の習俗の違いの一例である。