本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

茶碗2

2010-09-06 12:27:35 | Weblog
 昨日の井戸茶碗で思い出した。次は古くから伝わるわらべ歌がある。

「ズイズイズッコロバシ胡麻味噌ズイ 茶壷に追われてトッピンシャン 
 抜けたらドンドコショ 瓦のねずみが米喰ってチュー チューチューチュー
 おっとさんが呼んでも おっかさんが呼んでも 行きいっこなしよ
 井戸のまわりでお茶わん欠いたのだぁれ」

 以前、この歌について触れたことがある。一部を変換して再掲する。
「ある本を読んでいると、「お茶壷道中」に触れていた。
将軍家の茶園の宇治茶を壷に入れて江戸まで運ぶ大層な行列がお茶壷道中である。将軍様のお茶だからご威光が凄い。茶壷をかつぐ茶坊主も威張り散らしていたそうだ。粗相があってはならないから街道筋、宿場では気遣いしたらしい。あわてて家の戸も閉めた。それが「茶壷(道中)に追われてトッピンシャン(戸をビシャリ)」の背景だ。
 このことが『江戸時代の交通文化』なる本にとか。わらべ歌にも世相がこっそり潜んでいるということ。ただし、前後の意味は分からないと記しているようだ。」

 ある本とは、松本清張の『西海道談綺』である。それはともかく、前後の意味は不明とあるが、最後の「井戸のまわりでお茶わん」とは、井戸茶碗のことではないか。それなら、茶壷に入れた茶と井戸茶碗が結びつく。それだけのことですけれど。