一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

キューピー・プロユース「ふわふわオムライス」

2008-12-21 | 飲んだり食べたり
キューピーはマヨネーズだけでなく加工食品も扱っていて、カロリー調整食や介護食などではけっこう有名らしいです。
関係の仕事をしている友人が、プロユースというシリーズ、特にオムライスは「誰でも簡単に美味しいオムライスが作れる」と絶賛していました。

サンプルをくれ、と言ったら冷凍なので持ってくるのも送るのも面倒くさい、と言われ、騙された(ら今度おごらせればいいや)と思い自分で購入してみました。

それがこれ、



ふわふわオムライスセット
4人前2,852円というのはけっこういい値段ではあります。

早速作ってみました。

中身はチキンライスとオムレツとデミグラスソースに分かれています。

まずがオムレツを湯せん。
15~20分とけっこう時間がかかります。



デミグラスソースは3分なので途中で加えます。


チキンライスは袋ごと電子レンジに入れて5分




袋を開いてそのままひっくり返して皿に盛り付け、ちょっと形を整えます。




そこに温まったオムレツを乗せます。




サンプルの写真にあるように、スプーンでオムレツに切れ目を入れると、中はあれまぁ、半熟になっています。
このあたり、卵を使い慣れたキューピーの技術なんでしょうか。

(ピンボケ失礼)



オムレツがチキンライスの上にきれいに広がります。




デミグラスソースをかけて出来上がり。



けっこうそれっぽく出来たので、本人はご満悦です(笑)


味の方もなかなか美味しいです。
電子レンジで温めたので、チキンライスは時間が経つとちょっと水分が抜け気味になりますが、オムレツが覆っているので気になりません。


冷静に考えると1人前700円+手間ひまをかけるなら外食でもいいかもしれませんが、外出も買い物も面倒くさいときに冷蔵庫にあるとかなり重宝すると思います。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ママチブ

2008-12-20 | 飲んだり食べたり
新橋の韓国料理店。
韓国語で「母の家」という意味だそうです。

新橋の繁華街からちょっとはずれた、ここ10年くらいで店舗が増えたあたりの裏手にあるので、グーグル・ストリートビューでみると、昼間はさえない事務所街風なのですが、夜はいろんな飲食店の電飾看板で見違えるようににぎやかになります。
プライバシー侵害が問題になっているのでさらに難しいかもしれませんが、繁華街限定の「グーグル・ストリートビュー夜版」というのがあっても面白いんじゃないかと思います。


メンバーに韓国によく出張に行くのがいたので、注文を任せることに。

(食べて飲むのに一生懸命で写真がありませんが、ぐるなびの写真を参考にしてください)

サンギョプサル
厚切りの豚バラ肉を石板で焼いて薬味と一緒にサンチュや胡麻の葉でくるんで食べます。
肉の厚みが半端でなく、ガスコンロの片側に板を敷いて全体を傾けて石板の端から脂が流れるようなセッティングが野趣をそそります。

ど壺ホルモン
長いソーセージ状になったものが出てきます。一瞬小腸じゃなくてその中身だろ、と突っ込みたくなるような外観なのですが小腸を裏返して作るという手のかかったもの。歯ごたえ・味わいともそこらのホルモンとは一線を画す味です(味噌味・醤油味・塩味から選べます)。

カムジャタン
豚の背肉とジャガイモがメインの辛い鍋。豚肉は背骨ごとばらしたものが鍋からあふれんばかりに乗ってきます。
骨をつまんで肉を食べながら、カイロプラクティクの治療院にある脊椎の模型を思い出しました。
鍋を食べ終わった後はラーメンを入れて食べるのが韓国風ということ。出てきたのがインスタントラーメンのような乾麺ですがこれがスープをいっぱい吸って美味。
さらにご飯を入れようと頼んだら「炒め飯がお勧め」とのことで頼んでみると、白米をごま油で軽く香りづけしたものに韓国海苔ときざみねぎなどが載ったものがでてきました。
このオジヤも美味。

このほかにチヂミ、トッポッギ(棒状の餅の甘辛炒め)、チョレギ(サラダ)、タン・カルビ・ハラミの上焼肉セット、キムチ盛り合わせ、最後に直径20cmくらいの鍋にかき氷とアイスと小豆・生クリーム・フルーツなどがてんこ盛りの名物デザート(名前失念、頼んだ時には反対したけど意外とおいしかったw)。
それに6人で生ビール15杯と1リットルの甕で出てくるマッコリ5杯(いずれも推定)。

久しぶりの暴食で翌日昼まで腹が減りませんでした(汗)

しかもこれで一人7000円弱というのはとてもお得です。

店内には女性連れのグループも多く
・店の中が煙たい
・席によっては石焼の脂が飛ぶ(紙エプロンはもらえます)
・辛いものが多い
ということを事前説明しておけば、若い女性にも喜ばれるのではないでしょうか



ただ、案内するときに、間違っても店名を漢字変換しないようにご注意を・・・


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春日電機 その5

2008-12-20 | あきなひ

行きがかり上経過を追っていますが、だんだん企業法務のケーススタディのようになってきました。

とりいそぎのmemo


仮差押命令に対する一部仮差押執行取消決定について
(平成20年12月18日 春日電機株式会社)

平成20 年12 月12 日付け開示した「当社に対する仮差押決定とその執行について」に関し、株式会社ソフィアモバイルが当社を債務者として東京地方裁判所に対して債権仮差押命令申立及び動産仮差押命令申立を行い、仮差押が決定し執行されておりましたが、当社は、このうち動産仮差押に対し請求債権額を供託して、その執行処分の取り消し申立を行い、平成20 年12 月18 日付で長野地方裁判所伊那支部より仮差押えの執行を取り消す決定がされましたのでお知らせいたします。


<関連エントリ>
 春日電機
 泥沼二件
 春日電機その3
 春日電機その4
 春日電機その6

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『日本の「食」は安すぎる』

2008-12-19 | 乱読日記
僕は著者のブログやまけんの出張食い倒れ日記からはいったのですが、この本は書下ろしです。

副題は「「無添加」で「日持ちする弁当」はあり得ない」

著者の本業は農産物流通コンサルタントで、農業生産の現場から、「安全」や「本物」には手間やコストがかかっていて、「安い」ことと「安全で・美味しい」ということは両立しない、消費者が安さだけを求めるのでなく、適正価格で「買い支え」ることが日本の農業の再生をもたらすと主張します。

著者は「有機栽培・無農薬至上主義者」ではなく、また「貧乏人は安全な食をあきらめろ」というわけでもなく、ただ、日々の買い物や食生活において少しだけ考えることで食品の流通のしくみが変わるはずだ、と主張します。

たとえば、消費者一人ひとりが安全性に対しての許容範囲の基準を持つこと。
消費者は安全が心配、といいながら買い物の現場では特売品に群がるので、食品スーパーは安い輸入農産物を主に陳列する。
一方で店頭で売っている野菜に残留農薬がないか調べろというクレームをつける消費者もいて、それに対してはスーパーは1件10万円もの費用をかけて研究機関に委託し、そのコストは結果的に商品価格に跳ね返ってくる。

現在の食品の安さの理由を知ること。
輸入食品は円安に支えられている。ということは当然円安になれば価格は上昇する。また輸出国の相場上昇(たとえば輸出国の経済発展や穀物燃料との競合)にも影響を受ける。安い輸入食品がいつまでも安く供給されるとは限らない。

安いもの、安全なものを過剰に求める消費者の行動が「本物」「安全」の価格を押し上げている。
たとえば平飼いの地鶏はストレスが減るので免疫力が自然につくから抗菌剤の添加されていない飼料を与えればいいが、逆にそういう飼料はロットが出ないから抗菌剤入りの飼料より割高になる。
たとえば有機食品のJAS規格は現場での記録と外部機関による認証が求められ、さらに有機JASマークを貼付するなどパッケージも別ラインになるためそれだけでも相当なコストがかかる。食品偽装が起こるたびに「監視の目を強化しろ」というだけではかえって消費者のためにならないのではないか。

などなど、具体的な事例をもとに非常に考えさせられる問題提起が満載の必読書。新書版800円以上に賢明な消費者になれることは請け合いです。

それから、著者のブログもシズル感のある写真と生き生きしたコメント満載でお勧めです。



話がそれるのですが、上の問題提起は食品にとどまらないものを含んでいます。

「安さ至上主義」への問題提起、お金が回るようにならないと経済は活性化しない、というのはリフレ派(最近旗色悪いですが「上げ潮派」とも言いますね)の主張にもつながります。

一部の過剰・理不尽な要求に対するコストを一般の真面目な人が負担しているというのはほかの業界でもけっこうあることです。損害保険などは詐欺まがいの請求(2年に1回盗難に遭うベンツとか)などを調査して拒否する費用(いやがらせ・クレーム・逆恨みへの対応も含め)がかなりの額に達するそうです。

そして規格・規制の必要以上の強化は経済活動の阻害要因になりかねないといえばJ-Sox(以下略・・・)



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「派遣切り」問題

2008-12-18 | よしなしごと

派遣労働者の解雇については喫緊の社会問題としては何らかの対応をすべきだとは思いますが、感情的な報道や意見が多いことにちょっと違和感を感じています。
一過性な同情論や企業悪者論では解決にならないように思います。

派遣契約の打ち切りなどにについても既に厚生労働省の指針があるので末尾に備忘のために引用します。  


派遣契約のややこしいところは、派遣社員は派遣会社との契約に従って派遣先企業で就業するわけで、派遣先企業は個々の派遣社員と直接の契約関係にない、という点にあります。
したがって損害賠償や契約解除の理由説明も派遣スタッフに対してでなく派遣会社に対して行うことになります(指針6(4)(5))。
つまり契約上は派遣スタッフに対しては派遣先企業は債務はないわけで(職場環境の維持などの義務はあるけど)、確かにいきなり生活の糧を失うということに対して
は何らかのセーフティネットが必要だとは思いますが、それは直接には派遣先企業の責任ではない、とういうことになります。

行政は早速対応を始めています。
派遣切り住宅相談、初日は1267件(2008年12月16日(火)13:16 朝日新聞)
地元メーカーから派遣契約を切られた人向けに住宅の提供を行う自治体も出はじめたようですが、好景気のときは税収入で潤ったという部分もあるわけで、緊急対策というだけでなく、人々が働きやすく企業も進出しやすい政策を取る自治体は長い目で見れば競争力を持つことになると思います。

ちょっと気になるのが、契約打ち切りをする企業だけクローズアップされていて、派遣会社のコメントが被害者風なところ。たとえばこんなやつ
派遣切り:救えないのがつらい…派遣会社社員が苦悩訴え
(2008年12月16日 毎日新聞)

仕事をもらう派遣会社の社員としては、メーカーに声を上げることもできない。社員は「路頭に迷う労働者を救えないのがつらい。すごく切ない」と打ち明けた。

社員は「メーカーは今まで安い賃金で大もうけしたのだから、その分を派遣労働者に返してほしい。せめて安心して働かせてやってほしい」と話した。

安い賃金から寺銭を取っていたのは派遣会社じゃないんですかね?
しかも「仕事をもらうから強いことがいえない」というのであれば、ほとんど口入稼業と同じと言ってるようなものではないでしょうか。

指針にもあるように契約期間中の解除は派遣会社に対して損害賠償がされるのですから、逆に期間内解約についてはきちんとペナルティを取って(今まで儲けさせてもらった)派遣スタッフに還元するというのが派遣会社の示すべき姿勢なのではないでしょうか。


ただ、前のエントリで引用した高木・連合会長のように正社員と同等の権利を主張するのも無理があると思います。  
指針も一方で、派遣労働の提供により常用雇用者の雇用が損なわれないようにとの配慮も求めていますし(指針15)。 

全体のパイ(=売上や利益)が減っている名から人を減らさないとすると正社員も含めて給与水準を下げるとかワークシェアリングを導入する必要があります。
でも、派遣の雇用を維持するために正社員の給与を下げる、というのは(連合も含め)正社員の納得が得られないと思います。(正社員でいることでの我慢だってあるんだ、という話も出てくるでしょう。)

また、企業に対しても「契約打ち切りはけしからん」と叩くだけでなく、たとえば「指針どおりの30日前予告でなく、年末年始が入る事も考えると45日~60日くらいの猶予を」くらいの受けられるかもしれない球を投げたほうがいいように思います。


「気の毒」「かわいそう」という同情論は月日がたってニュースとしての新鮮味がなくなるにつれ「当初から承知されたリスクのはず」「派遣労働者が現に失業している人より優遇されるのはおかしい」「自助努力が足りない」という自己責任論に容易に変化しがちだと思います。
正社員の求職希望と求人希望のギャップをどう埋めるかという雇用政策(これはつきつめると雇用の流動化、年功賃金・終身雇用を前提とした退職金優遇税制や企業年金制度の見直しにつながる可能性もあり、それが本当にいいのかという議論にもなると思います)と、失業した場合のセーフティネットの問題として深堀りした分析が必要だと思います。  

それに何より景気対策が重要です。

****************************

派遣先が講ずべき措置に関する指針
(平成11年労働省告示第138号)(最終改正平成19年厚生労働省告示第50号)

6 派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置
(1) 労働者派遣契約の締結に際して配慮すべき事項派遣先は、労働者派遣契約の締結に際し、労働者派遣の期間を定めるに当たっては、派遣元事業主と協力しつつ、当該派遣先において労働者派遣の役務の提供を受けようとする期間を勘案して可能な限り長く定める等、派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な配慮をするよう努めること。
(2) 労働者派遣契約の解除の事前の申入れ派遣先は、専ら派遣先に起因する事由により、労働者派遣契約の契約期間が満了する前の解除を行おうとする場合には、派遣元事業主の合意を得ることはもとより、あらかじめ相当の猶予期間をもって派遣元事業主に解除の申入れを行うこと。
(3) 派遣先における就業機会の確保派遣先は、労働者派遣契約の契約期間が満了する前に派遣労働者の責に帰すべき事由以外の事由によって労働者派遣契約の解除が行われた場合には、当該派遣先の関連会社での就業をあっせんする等により、当該労働者派遣契約に係る派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ること。
(4) 損害賠償等に係る適切な措置派遣先は、派遣先の責に帰すべき事由により労働者派遣契約の契約期間が満了する前に労働者派遣契約の解除を行おうとする場合には、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることとし、これができないときには、労働者派遣契約の解除を行おうとする日の少なくとも30日前に派遣元事業主に対しその旨の予告を行わなければならないこと。当該予告を行わない派遣先は、速やかに、当該派遣労働者の少なくとも30日分以上の賃金に相当する額について損害の賠償を行わなければならないこと。派遣先が予告をした日から労働者派遣契約の解除を行おうとする日までの期間が30日に満たない場合には、少なくとも労働者派遣契約の解除を行おうとする日の30日前の日から当該予告の日までの期間の日数分以上の賃金に相当する額について行わなければならないこと。その他派遣先は派遣元事業主と十分に協議した上で適切な善後処理方策を講ずること。また、派遣元事業主及び派遣先の双方の責に帰すべき事由がある場合には、派遣元事業主及び派遣先のそれぞれの責に帰すべき部分の割合についても十分に考慮すること。 
(5) 派遣先は、労働者派遣契約の契約期間が満了する前に労働者派遣契約の解除を行う場合であって、派遣元事業主から請求があったときは、労働者派遣契約の解除を行う理由を当該派遣元事業主に対し明らかにすること。  

15 労働者派遣の役務の提供を受けようとする期間に係る意見聴取の適切かつ確実な実施 
(2) 派遣先は、過半数組合等から、労働者派遣の役務の提供を受けようとする期間が適当でない旨の意見を受けた場合には、当該意見に対する派遣先の考え方を過半数組合等に説明すること、当該意見を勘案して労働者派遣の役務の提供を受けようとする期間について再検討を加えること等により、過半数組合等の意見を十分に尊重するよう努めること。 
16 雇用調整により解雇した労働者が就いていたポストへの派遣労働者の受け入れ
派遣先は、雇用調整により解雇した労働者が就いていたポストに、当該解雇後3箇月以内に派遣労働者を受け入れる場合には、必要最小限度の労働者派遣の期間を定めるとともに、当該派遣先に雇用される労働者に対し労働者派遣の役務の提供を受ける理由を説明する等、適切な措置を講じ、派遣先の労働者の理解が得られるよう努めること。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春日電機 その4

2008-12-17 | あきなひ

考えてみれば必然的な成り行きともいえますが

平成21年3月期第2四半期連結財務諸表に対する四半期レビュー報告書の結論の不表明に関するお知らせ
(平成20年12月15日 春日電機株式会社)

当社は、本日ビーエー東京監査法人より四半期レビュー報告書の結論を表明しない旨の四半期レビュー報告書を受領いたしました。内容は別添のとおりです。なお、これを受けて当社株式は東京証券取引所の規程に基づき、本日監理銘柄(審査中)へ指定される見込みです。

今回の一連の紛争の原因になっている(春日電機の代表取締役の支配下にある)ソフィアとの取引やアインテスラへの融資の実態が不明というところが問題にされました。 
監査法人のレビュー報告書ではこのように書かれています  

一部の購買取引及び販売取引について、会社がその実態を解明できないものがあるため、当該取引についての結論を表明するための基礎が得られなかった。 
一部の会社に対する貸付金について回収可能性を判断するための資料が確認できなかったため、当該回収可能性の評価について結論を表明するための基礎が得られなかった。 
四半期連結財務諸表によると、会社は重要な四半期純損失を計上し、多額の資金流出により資金繰りに窮している状況である。しかしながら、会社から当該状況に対する合理的な経営計画が提出されないため、当監査法人は継続企業を前提として作成されている上記の四半期連結財務諸表に対する結論を表明するための手続きが実施できなかった。   

代表取締役による専横・違法な行為は法律的には春日電機自身の取引としてなされているので、それを会社が指摘すると当然自らに跳ね返ってきてしまいます。 
本来は専横を行っている代表取締役を更迭して経営を正常化するとともに過去の経営陣の責任を追及するのが理想なのですが、アインテスラ側に取締役会の多数を握られているとなると、法人としての自分自身の不法行為を表に出して自分自身を糾弾せざるを得ない、ということになります。
(臨時株主総会を招集してアインテスラ側の取締役を解任するという方法もありますが、取締役会を支配され、また株主提案権を行使できるほどの味方の大株主もいないとこの方法はとれません。)  

その結果上場廃止まで持って行くとか民事再生を申し立てるなど、自分の身を削って乗っ取り側にとってメリットがないようにするしかなくなります。 
しかしこちらのリリースによれば、アインテスラは既に春日電機の株を売却してしまっているので、アインテスラではなく春日電機自体が受けるダメージのほうが大きくなってしまいます。   

自己免疫疾患や抗がん剤投与のようなつらさがあります。

症状が初期であれば、「食い物にされたしまった」ことは今更仕方ないのでこれ以上の損害拡大の防止と事後的な損害賠償請求をする一方で本業を立て直すことが重要になるので、そのためにも「抗がん剤」「膿み出し」は意味があります。 
しかし春日電機が、すでにアインテスラ側が十分おいしい汁を吸ったあとの「末期がん」だとすると、抗がん剤は本人の体力を消耗させるだけになってしまいますので「終末医療」として適当かどうか、ということになります。  

本業の状況はよくわかりませんが、仮差押えを食らうなどして資金繰りも苦しいようなので(参照)、まだ本業が棄損しないのなら、会社更生を申し立てて現在の経営陣を排除して再生を図るというのがいいのではないでしょうか。

<関連エントリ>
 春日電機
 泥沼二件
 春日電機その3
 春日電機その5
 春日電機その6

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ムダヅモ無き改革』

2008-12-16 | 乱読日記
好事家の間で静かなブームのマンガ。
小泉首相が各国首脳と麻雀で対戦し、国の難局を救うという麻雀劇画です。


対局の動機は国の難局でもなんでもなくなり、また麻雀劇画というよりは各国首脳がネーミング勝負の「必殺の決め技」を出し合うという『リングにかけろ』風な展開です。
一発芸的な作品で出来は決してよくないのですが、忘年会疲れのカンフル剤として、立ち読みするか知り合いが持っていたら借りてみてください。


狂言回しとして杉村泰蔵、佐藤ゆかりの両氏、それに脇役として麻生さんも出てくるのですが、麻生さんは脇からチャチャ入れていたころの方が生き生きしていたなぁと改めて思う次第。


ムダヅモ無き改革 大海に響くは勝利の凱歌 後編

(ここまでくるとさすがに著作権どうよ、と思うのですが・・・)





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なんだかなぁ、という記事

2008-12-15 | 余計なひとこと

「大企業の非正規大量解雇、許されない」高木・連合会長
(2008年12月14日3時1分 朝日新聞)

一番頭に来ているのは、トヨタ自動車やキヤノンなど、中小に比べて体力のある大企業が、次々と非正規の人たちを大量に減らしていることだ。満期を待たずに中途解約する例も多い。数カ月の雇用すら継続できないほど、切迫しているのか。御手洗冨士夫・日本経団連会長は会見で「苦渋の選択」と言ったが、「苦渋」の中身が全く伝わってこない。  
仕事がないのに雇い続けろとまでは言わないが、在庫を持たないのと同じ感覚で人を安易に解雇していいのか。  

非正規の人に対しても、経営者が解雇回避の努力を尽くしたかどうかなど、正社員と同様な整理解雇の原則が適用されるべきだ。ただ、非正規の人たちに自分でそれを交渉せよというのは酷だ。企業の労働組合がそれは言っていかねばならない。自分たちが切られる立場になった時にも同じ武器で闘うのだから。

連合の会長が「腹が立つ」などという床屋談義をしていてもしようがないと思うのですが。
非正規雇用は「非正規」なだけに正社員よりも地位が不安定なのは最初からわかっていることで、それを契約の条件を強化するように働きかけたり、失業補償などのセーフティネットを提案するのが連合の仕事なんじゃないでしょうか。
「企業の組合が言っていかなければ」などと言うと逆に「上納金分働け」と言われそうです。
本来企業側に更新拒絶・解約のオプションのある非正規雇用の契約は、経済原理で言えばオプション料の分賃金が高くてしかるべきです。
それが低いのは需給関係なのか、求められる業務のスキルがそれほど高くないのかはわかりませんがそれなりの理由があるわけで、そのへんについて冷静な議論をしないで「企業のせいだ」「政府のせいだ」とばかり言っているのでは存在意義が疑われてしまいます。

実は連合のような労働組合の上位団体が、高度成長の恩恵を一番受けていて、未だにモデルチェンジできないでいるのかもしれません。
 

トヨタ、1000億円赤字 下期見通し
(2008年12月14日(日)08:05 産経新聞)
これは週末から断続的に出ている話。トヨタからのリリースは今(15日午前零時)のところまだありません。
マスコミとしては他社に抜かれたくない一心なのでしょうが、企業側にとってみれば社内手続きを経てから適時開示となるのでいい迷惑ではあります(わざわざリークするようなネタでもないですし、まあ、情報管理が甘いといえばそこまでですが)。
報道の自由とはいうものの、風説の流布にならないんでしょうかね。

これで週明け株が下がるとまたマスコミは騒ぐんでしょうけど、なんかパニックを助長しているだけのように思います。

あ、そのほうがネタが増えていいのか。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

空に続く道

2008-12-14 | よしなしごと
Googleデスクトップが掘り出してきた昔の写真が冬の雨降りにの気分転換にちょうどいいかと。




宮古島と池間島との間にかかっている池間大橋。
橋の中央が大型船が通れるように高くなっているので、道路が青空に向かって伸びているように見えます。

残念ながら空には届きませんが、橋の先には池間島や美しい珊瑚礁で有名な八重干瀬(ヤビジ)などがあります。


宮古島関係のエントリはこちらこちら参照。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春日電機 その3

2008-12-13 | あきなひ

昨日のエントリが結果的には「その2」になりました。


当社に対する仮差押決定とその執行について
(2008年12月12日 春日電機)

本日、株式会社ソフィアホールディングスより同社の完全子会社である株式会社ソフィアモバイルを債権者、当社を債務者として東京地方裁判所に対して行われました債権仮差押命令申立及び動産仮差押命令申立の仮差押決定がされたことについて開示がありましたことをお知らせいたします。
また、仮差押決定に基づき、仮差押の執行が本日完了したこともお知らせいたします。

1.仮差押決定がなされるに至った経緯
当社が、平成20 年11 月26 日付で東京地方裁判所より決定を受けております、当社代表取締役の違法行為差止仮処分命令申立の内容について、株式会社ソフィアモバイルが当社に対する債権の正当性を主張するため法的手段を取ったことによるものであります。

2.仮差押決定がなされた年月日
平成20 年12 月5 日

3.仮差押の対象
(1) 株式会社東京都民銀行当座預金 105,000 千円(当座預金の一部)
(2) 辰野物流センター(長野県上伊那郡辰野町)にて保管する棚卸資産の一部(製品、商品) 52,500 千円

4.今後の資金繰り等に与える影響について
現在における当社の財政状態からみた資金繰り及び売上等の経営状況に与える影響は少なからずありますが、今後の資金調達及び売上確保については万全を期してまいります。

以 上

相手方である篠原猛(春日電機の代表取締役であるところがややこしい)+アインテスラ+ソフィア側の方がこの手のケンカに慣れていそうですね。
現在この春日電機の業務執行は、代表取締役の篠原氏とその関係者は特別利害関係人として意思決定から排除され、「問い合わせ先」になっている常務の佐藤氏(名誉毀損でソフィアから訴えられてます)が取り仕切っているということでしょうか。

取引の外形があり、争いになっている以上仮差押は通り、保全異議をしても本案で争いなさい、ということになってしまうのでしょうか(このへん詳しくないので間違っていたらごめんなさい)。
一方「現在における当社の財政状態からみた資金繰り及び売上等の経営状況に与える影響は少なからずありますが」というあたり、春日電機の真面目さが伝わってきます。

百戦錬磨風の相手に徒手空拳で立ち向かう地道な企業、という意味ではスチール・パートナーズ対ブルドックソースに似た構図になっています。
判官びいきとしては春日電機にはぜひともがんばってほしいものです。
(ただ、ここまでになってしまったあたりはきっちりと総括したほうがいいとは思いますが)


<関連エントリ>
  春日電機
 泥沼二件
 春日電機その4
 春日電機その5
  春日電機その6

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

泥沼二件

2008-12-12 | あきなひ

これも数日前の話ですが、以前取り上げた案件が、お互い引くに引けずに訴訟になっています。


まずは春日電機。
こちらのエントリのその後の展開です。

会社を乗っ取ったうえに架空取引で利益を吸いあげたといわれたソフィアホールディングスが反論と訴訟提起をしました。
春日電機株式会社開示内容に関しての弊社見解
(平成20年12月4日 株式会社ソフィアホールディングス)

弊社としましてはそのような関与は事実無根であり、強く抗議の意を表明するとともに、断固たる法的手段を取ることを検討致します。

で、すぐに
弊社子会社における訴訟提起(名誉毀損)に関するお知らせ
(平成20年12月9日 株式会社ソフィアホールディングス)

春日電機は、常務取締役佐藤将氏の関与のもと、平成20年12月3日付けで「株主総会開催禁止仮処分命令申立事件の決定について」という表題にて、ソフィアモバイルがあたかも架空取引に関与しているかのような開示を行い、ソフィアモバイルの名誉と信用を傷つけました。ソフィアモバイルが架空取引を行った事実は全く存在しないことから、春日電機と佐藤将氏に対して損害賠償を求めるとともに(現時点で1200万円の損害賠償を求めるものですが、今後、損害が拡大したときは、請求を拡張する予定です。)、春日電機に対し、謝罪広告(開示)を求めて本訴訟を提起するに至ったものです。

弊社子会社における訴訟提起(売掛金支払請求)に関するお知らせ
(平成20年12月9日 株式会社ソフィアホールディングス)

ソフィアモバイルは、無線クレジット決済端末3000 台を春日電機に代金1億5750万円(以下「本件売買代金」といいます。)で売り渡しましたが、春日電機は、代金支払期日である平成20年10月31日において本件売買代金の支払いを行わず、現在もなお未払いとなっています。春日電機は、本件売買代金の支払いを拒む理由として架空取引の疑いがあるとの開示を行っていますが、そのような事実は一切ありません。このため、ソフィアモバイルは、春日電機及びその連帯保証人である篠原氏に対し、本件売買代金の支払いを求めて本訴訟を提訴するに至ったものです。

まあ、こうせざるを得ないでしょうが、まだ春日電機の代表取締役がソフィア側の株主なので、証拠の保全偽造や訴訟遂行の意思決定のプロセスなど春日電機内の問題は山積で、会社法の機関運営の格好のケーススタディになりそうです。

<関連エントリ>
 春日電機
 春日電機その3
 春日電機その4
 春日電機その5
  春日電機その6



もうひとつは有料老人ホーム事業の譲渡を巡るゼクスとラディア・ホールディングス(旧グッドウィル)の争い(過去の経緯はこちら参照)。
両社ともこんなことにかまっている前に本業や資金繰りに注力したほうがいいのではと思うのですが、一度開示してしまった以上徹底的に戦わないといけなくなっているのかもしれません。

訴訟の提起に関するお知らせ
(平成20年12月8日 株式会社ゼクス)

(1)請求内容
① 事業承継に関し、要した諸費用の返還 約159百万円
② 事業承継後、運営に要した費用の返還 約1,250百万円
③ 事業承継会社である株式会社ゼクスアクティブ・シニア株式の買取 1円
④ ゼクスアクティブ・シニア株式の所有或いは未所有に関わらず、入居者保護のため、現在未収入金として、ゼクスアクティブ・シニアで計上している入居一時金未償却残高相当額の現金の返還 約3,009百万円合計 約4,419百万円

(2)請求原因の概要(当社の主張概要) 
平成20年11月20日付「固定資産の譲渡契約の解除に関するお知らせ」にてお知らせしたとおり、当社とラディアホールディングス株式会社(以下、「ラディア」という。)との間で締結しておりました不動産売買契約を解除し、不動産売買契約に則りラディアに対し、当該施設を運営する当社子会社である株式会社ゼクスアクティブ・シニアの株式買取り及びこれまで当社にて負担した運営に関する諸費用等の支払ならびにラディアに消費寄託されている入居一時金未償却残高の返還を求めてまいりました。しかしながら、ラディアより当社の要求に対し何ら返答がないため、当社といたしましてはその損害賠償、株式買取、寄託金返還を求め、訴訟の提起を行ったものです。

 株式会社ゼクスの「訴訟の提起に関するお知らせ」について
(平成20年12月9日 ラディアホールディングス株式会社)

2007年9月21日にゼクスと不動産売買契約を締結後、諸手続きが整うまでの間、物件の引渡しを延期し、ゼクスの子会社であります株式会社ゼクスアクティブ・シニア(以下ゼクスアクティブ・シニア)と定期建物賃貸借契約を締結し、同社にて施設運営を行ってまいりました。しかしながら、2008年7月26日以降、定期建物賃貸借契約の不締結、賃料の支払停止という事態が発生しました。当社は・・・2008年8月25日までにかかる状態が解消されない場合、前記不動産売買契約を解除する旨の通知を発し・・・前記売買契約は既に解除済みで・・・す。従いまして、売買契約の有効な存在やその後発生した事象を理由に売買契約の解除を主張し、ましてや入居者からの預かり金である保証金(入居一時金)をゼクスアクティブ・シニアの未収入金として計上しているため返還を求めるという請求は全く理由がないものです。

いまひとつ判然としない内容なのですが「ゼクスと不動産売買契約を締結後、諸手続きが整うまでの間、物件の引渡しを延期し」た時点でどういう合意があったのか、が焦点だと思います。

特に「入居者保護のため、現在未収入金として、ゼクスアクティブ・シニアで計上している入居一時金未償却残高相当額の現金の返還」というところがよくわからないのですが、これはもともとこの老人ホームが<建物所有:グッドウィル、運営:コムスン>という仕組みでコムスンから会社分割をうける事業承継会社が運営を引き継ぐはずだったのが(参照)、預託金相当の現金が物件引き渡しのトラブルにまぎれてゼクスアクティブシニアに渡されず、一方で会社分割は成立したのでゼクスアクティブシニアが債務だけ負っている、ということなのでしょうか(でもそんな間抜けな会社分割があのかなぁ?)。
また、そもそも会社分割なら賃貸借契約の地位なども承継されるのにあえて「ゼクスアクティブ・シニアと定期建物賃貸借契約を締結し」なおしたというあたり、結局承継会社(=ゼクスアクティブシニア?)に事業の分割はなされず、運営だけ暫定的に引き継いだということでしょうか。
だとすればそもそもゼクスアクティブシニアは預託金返還債務を負っていないようにも思います。

このように開示資料だけではよくわからないのですが、契約者がいい迷惑なことは確かです。
預託金付きの会員サービスでオペレーターや契約者が事業再編したときは注意したほうがいいという教訓ですね(今のところそんなものに入会する余裕はないですが(笑))。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

連鎖反応と連帯責任

2008-12-11 | よしなしごと

最近J-Reitからみの話が多くなっています。

今日はGood NewsとBad Newsはセットでという定石のリリース。
ケネディクス・リート・マネジメント株式会社の株式一部譲渡に関するお知らせ
(平成20年12月11日 ケネディクス株式会社)
ケネディクス不動産投資法人の資産運用会社であるケネディクス・リート・マネジメント株式会社の10%を、当社から伊藤忠商事に譲渡する、という話。

同時に
平成20 年12 月期通期業績予想の修正、特別損失の計上、配当予想の修正、並びに役員報酬の減額に関するお知らせ
(平成20年12月11日 ケネディクス株式会社)
伊藤忠の支援を受けて(少なくともReitは)立て直そうとしています、というアピールですね。
伊藤忠はケネディクス不動産投資法人の大口投資主には名を連ねてはいないので、どのようなメリットがあるのでしょうか。
今更自分の私募ファンドの物件をReitに売るのも投資口の市場価格の利回りから現実的でないですし、第三者割当増資を受けるとしても現在の時価ベースで希釈化して外部成長というのは既存投資主の納得を得られないと思います。
昨日リリースされたクリード・リート・アドバイザーズの株式をいちごアセットに売却する(参照)関係で、J-Reitと縁が切れるのもいやなので(住宅系はアドバンス・レジデンス投資法人がありますが業務系の)Reitに一丁噛みしておきたい、という連鎖反応なのかもしれません。


ところで業績予想修正のリリースの最後に

当社は、本日発表の平成20年12月期の業績予想の修正及び配当予想の修正を厳粛に受け止め、経営責任を明確にするため、以下の通り役員報酬の減額を決定いたしました。また、常勤監査役より監査役報酬の自主返上の申し入れがありましたので、併せてお知らせいたします。

として常勤監査役の報酬の20%減額(取締役は50%)を発表しています。
本来の監査役の機能からいえば、業績不振=報酬減額というのはおかしいですよね。逆に業績低迷のときこそ粉飾や不正に目を光らせて頑張ってもらう必要があると思うのですが。
有価証券報告書をみるとこの常勤監査役氏は副社長経験者のようなので「連帯責任」ということなのかもしれませんが、かえって印象はよくないような・・・

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リンゴのつぎはいちご

2008-12-11 | あきなひ

忘年会続きでネタが後手に回っていますが、忘年会をしている余裕があるだけ楽なのかもしれません(またはチャンスを逸しているか?)。

いちごアセットグループとの取り組み、及び既存スポンサー会社との情報提供にかかる契約等に関するお知らせ
(平成20年12月9日 クリード・オフィス投資法人・クリード・リート・アドバイザーズ株式会社)  

クリード・オフィス投資法人(以下「本投資法人」といいます。)が資産の運用を委託する資産運用会社であるクリード・リート・アドバイザーズ株式会社(以下「本資産運用会社」といいます。)は、本日、現在の親会社である株式会社クリードが保有する本資産運用会社の株式についていちごアセットグループへの全部譲渡を決定したことを受け、当該株式の異動を承認いたしました。これに伴いまして、今後は、いちごアセットグループとの間でスポンサーサポート契約を締結し、運用管理体制の強化及び将来的な企業価値向上を図って参ります。その取組みにつき、下記の通りお知らせいたします。  

本日時点までの大量保有報告書で確認した結果、いちごアセットトラストは現在、本投資法人の発行済投資口の20.37%にあたる投資口を保有する最大の投資主です。今回、いちごアセットトラストが本資産運用会社の株式を取得することにより、投資家の意見をより適切に反映した、本投資法人の中長期的な運営体制の強化が期待されます。  

オークツリー傘下のアップルリンゴ(これも大概人をなめたネーミングですよね)はすでに出資していたリプラスのReitと運用会社を買ったわけですが、今回は外から来たいちごアセットがReitの投資口を買い集めたうえで運用会社を買ったというパターン。 
J-Reitの再編については合併交付金の規定ができたものの税制(合併差益と導管性要件の9割配当)などの問題がまだなので、当面あるとしたらやはりReit同士の再編でなくスポンサー交代という形が当面主役になるのではないかと。 

いちごアセットは最初からそういうシナリオだったのか、純投資と思って買ったReitが親会社の破たんに巻き込まれるとまずいと思ったのか、はたまた従来のアクティヴィスト業のほかにプライベートファンドで不動産投資もやっていた(そしてそれがふん詰まってた)のでどうしても出口が欲しかったのか、その辺の事情は興味があります。

一方投資運用会社を売却したクリード本体はプライベートファンドや自己勘定で持っている不動産だけになったわけです。
でも、仕掛かり中の物件がしこっているという状況はまだ解決されたわけではありません。
また同社は一足早く希望退職をつのっていて8月末の従業員190人に対し98人が退職しています。(参照:経営合理化の取り組みの結果及び影響について(2008年12月8日) 1Qの四半期報告書

10日の日経新聞には 中小不動産開発業者向けに新融資制度 政府緊急対策という記事が載っていましたが、残念ながらそこまで持たなかったので清算モードなのでしょうか、はたまた身軽になって再起を期すということでしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『なぜ弁護士はウラを即座に見抜けるのか? 』

2008-12-10 | 乱読日記
toshiさんのblogで紹介されていた本です。

著者は大阪で大手の法律事務所である北浜法律事務所
の代表(創業者?)弁護士(プロフィールはこちら)で、自らが破産管財人や更生管財人としてかかわった事件の経験を語っています。

話としては著者が若手・中堅だった頃(1970~80年代)の事件が中心です。
今では取引先の倒産リスクを考えるにあたって管財人は経済合理的な判断をする、ということを前提にしていますが、現在に比べて法整備や事件処理のルールが未整備で制度的・慣行的な制約があった中で、先例となる事案を開拓した様が生き生きと語られています。
ときおり大御所の脱線風なところが顔を出すのもご愛敬です。

残念なのは、最近の新書ブームにありがちなキャッチーなタイトル(当然「ウラを即座に見抜く方法」を期待した人はがっかりすると思います)なのは百歩譲って許すとして、最近のノウハウ本によくありがちな各章の末尾にポイントを箇条書きにしていてその部分が浮いてしまっているところです。
読み飛ばしてしまえばいいのですが、現場に足を運んで人の話を聞き洞察力を働かせ解決策を先例にとらわれずに考え出すという著者としては「ノウハウは箇条書きで得られるものではない」と言いたいところなのではないでしょうか。


昨今「小先生の自慢話」というのは拝聴することが多いのですが、なかなかうかがう機会のない「大先生のためになる昔話」に触れることができる本としてお勧めです。



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『最高の人生の見つけ方』

2008-12-09 | キネマ
原題は"Bucket List"字幕では「棺おけリスト」と言ってましたが、Bucketはいわゆるバケツで、Kick The Bucket=くたばるというイディオム(しばり首の人の立っているバケツを蹴飛ばすことから来たらしい)から、死ぬ前にすることのリストのことです。

大富豪のジャックニコルソンと自動車修理工のモーガン・フリーマンがともに余命6ヶ月を宣告されて同じ病室で出会い、Bucket Listを実現するために旅に出る、という話です。

キャスティングとあらすじだけで勝ったも同然という感じの映画なので、素直でない僕は遠ざけていて半額セールでやっと観たのですが、悔しいながら非常に面白い映画でした。

役者が芸達者なのはさておき、そもそも大富豪と自動車修理工が同じ病室、というところから、Bucket Listの埋めかたまで、人生の最後をどう生きるかを考えさせられつつ、いやみのない伏線を気の利いた科白の中に巧みにちりばた脚本もお見事です。

末期医療とQuality of Life、家族愛、さらに、そうはいっても最後を楽しむにも金とユーモアのセンス、さらに知識と想像力も必要だよな、などいろいろ考えさせられます。


おすすめです。


PS
『かもめ食堂』を観て「コピ・ルアック」のことを知っていたので、そこの伏線の部分は個人的にはわかってしまってたのでちょっと残念でした(でも展開の仕方は予想以上だったので満足)。
それくらい脚本は練られています。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする