考えてみれば必然的な成り行きともいえますが
平成21年3月期第2四半期連結財務諸表に対する四半期レビュー報告書の結論の不表明に関するお知らせ
(平成20年12月15日 春日電機株式会社)
当社は、本日ビーエー東京監査法人より四半期レビュー報告書の結論を表明しない旨の四半期レビュー報告書を受領いたしました。内容は別添のとおりです。なお、これを受けて当社株式は東京証券取引所の規程に基づき、本日監理銘柄(審査中)へ指定される見込みです。
今回の一連の紛争の原因になっている(春日電機の代表取締役の支配下にある)ソフィアとの取引やアインテスラへの融資の実態が不明というところが問題にされました。
監査法人のレビュー報告書ではこのように書かれています
一部の購買取引及び販売取引について、会社がその実態を解明できないものがあるため、当該取引についての結論を表明するための基礎が得られなかった。
一部の会社に対する貸付金について回収可能性を判断するための資料が確認できなかったため、当該回収可能性の評価について結論を表明するための基礎が得られなかった。
四半期連結財務諸表によると、会社は重要な四半期純損失を計上し、多額の資金流出により資金繰りに窮している状況である。しかしながら、会社から当該状況に対する合理的な経営計画が提出されないため、当監査法人は継続企業を前提として作成されている上記の四半期連結財務諸表に対する結論を表明するための手続きが実施できなかった。
代表取締役による専横・違法な行為は法律的には春日電機自身の取引としてなされているので、それを会社が指摘すると当然自らに跳ね返ってきてしまいます。
本来は専横を行っている代表取締役を更迭して経営を正常化するとともに過去の経営陣の責任を追及するのが理想なのですが、アインテスラ側に取締役会の多数を握られているとなると、法人としての自分自身の不法行為を表に出して自分自身を糾弾せざるを得ない、ということになります。
(臨時株主総会を招集してアインテスラ側の取締役を解任するという方法もありますが、取締役会を支配され、また株主提案権を行使できるほどの味方の大株主もいないとこの方法はとれません。)
その結果上場廃止まで持って行くとか民事再生を申し立てるなど、自分の身を削って乗っ取り側にとってメリットがないようにするしかなくなります。
しかしこちらのリリースによれば、アインテスラは既に春日電機の株を売却してしまっているので、アインテスラではなく春日電機自体が受けるダメージのほうが大きくなってしまいます。
自己免疫疾患や抗がん剤投与のようなつらさがあります。
症状が初期であれば、「食い物にされたしまった」ことは今更仕方ないのでこれ以上の損害拡大の防止と事後的な損害賠償請求をする一方で本業を立て直すことが重要になるので、そのためにも「抗がん剤」「膿み出し」は意味があります。
しかし春日電機が、すでにアインテスラ側が十分おいしい汁を吸ったあとの「末期がん」だとすると、抗がん剤は本人の体力を消耗させるだけになってしまいますので「終末医療」として適当かどうか、ということになります。
本業の状況はよくわかりませんが、仮差押えを食らうなどして資金繰りも苦しいようなので(参照)、まだ本業が棄損しないのなら、会社更生を申し立てて現在の経営陣を排除して再生を図るというのがいいのではないでしょうか。
<関連エントリ>
春日電機
泥沼二件
春日電機その3
春日電機その5
春日電機その6