一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

連鎖反応と連帯責任

2008-12-11 | よしなしごと

最近J-Reitからみの話が多くなっています。

今日はGood NewsとBad Newsはセットでという定石のリリース。
ケネディクス・リート・マネジメント株式会社の株式一部譲渡に関するお知らせ
(平成20年12月11日 ケネディクス株式会社)
ケネディクス不動産投資法人の資産運用会社であるケネディクス・リート・マネジメント株式会社の10%を、当社から伊藤忠商事に譲渡する、という話。

同時に
平成20 年12 月期通期業績予想の修正、特別損失の計上、配当予想の修正、並びに役員報酬の減額に関するお知らせ
(平成20年12月11日 ケネディクス株式会社)
伊藤忠の支援を受けて(少なくともReitは)立て直そうとしています、というアピールですね。
伊藤忠はケネディクス不動産投資法人の大口投資主には名を連ねてはいないので、どのようなメリットがあるのでしょうか。
今更自分の私募ファンドの物件をReitに売るのも投資口の市場価格の利回りから現実的でないですし、第三者割当増資を受けるとしても現在の時価ベースで希釈化して外部成長というのは既存投資主の納得を得られないと思います。
昨日リリースされたクリード・リート・アドバイザーズの株式をいちごアセットに売却する(参照)関係で、J-Reitと縁が切れるのもいやなので(住宅系はアドバンス・レジデンス投資法人がありますが業務系の)Reitに一丁噛みしておきたい、という連鎖反応なのかもしれません。


ところで業績予想修正のリリースの最後に

当社は、本日発表の平成20年12月期の業績予想の修正及び配当予想の修正を厳粛に受け止め、経営責任を明確にするため、以下の通り役員報酬の減額を決定いたしました。また、常勤監査役より監査役報酬の自主返上の申し入れがありましたので、併せてお知らせいたします。

として常勤監査役の報酬の20%減額(取締役は50%)を発表しています。
本来の監査役の機能からいえば、業績不振=報酬減額というのはおかしいですよね。逆に業績低迷のときこそ粉飾や不正に目を光らせて頑張ってもらう必要があると思うのですが。
有価証券報告書をみるとこの常勤監査役氏は副社長経験者のようなので「連帯責任」ということなのかもしれませんが、かえって印象はよくないような・・・

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リンゴのつぎはいちご

2008-12-11 | あきなひ

忘年会続きでネタが後手に回っていますが、忘年会をしている余裕があるだけ楽なのかもしれません(またはチャンスを逸しているか?)。

いちごアセットグループとの取り組み、及び既存スポンサー会社との情報提供にかかる契約等に関するお知らせ
(平成20年12月9日 クリード・オフィス投資法人・クリード・リート・アドバイザーズ株式会社)  

クリード・オフィス投資法人(以下「本投資法人」といいます。)が資産の運用を委託する資産運用会社であるクリード・リート・アドバイザーズ株式会社(以下「本資産運用会社」といいます。)は、本日、現在の親会社である株式会社クリードが保有する本資産運用会社の株式についていちごアセットグループへの全部譲渡を決定したことを受け、当該株式の異動を承認いたしました。これに伴いまして、今後は、いちごアセットグループとの間でスポンサーサポート契約を締結し、運用管理体制の強化及び将来的な企業価値向上を図って参ります。その取組みにつき、下記の通りお知らせいたします。  

本日時点までの大量保有報告書で確認した結果、いちごアセットトラストは現在、本投資法人の発行済投資口の20.37%にあたる投資口を保有する最大の投資主です。今回、いちごアセットトラストが本資産運用会社の株式を取得することにより、投資家の意見をより適切に反映した、本投資法人の中長期的な運営体制の強化が期待されます。  

オークツリー傘下のアップルリンゴ(これも大概人をなめたネーミングですよね)はすでに出資していたリプラスのReitと運用会社を買ったわけですが、今回は外から来たいちごアセットがReitの投資口を買い集めたうえで運用会社を買ったというパターン。 
J-Reitの再編については合併交付金の規定ができたものの税制(合併差益と導管性要件の9割配当)などの問題がまだなので、当面あるとしたらやはりReit同士の再編でなくスポンサー交代という形が当面主役になるのではないかと。 

いちごアセットは最初からそういうシナリオだったのか、純投資と思って買ったReitが親会社の破たんに巻き込まれるとまずいと思ったのか、はたまた従来のアクティヴィスト業のほかにプライベートファンドで不動産投資もやっていた(そしてそれがふん詰まってた)のでどうしても出口が欲しかったのか、その辺の事情は興味があります。

一方投資運用会社を売却したクリード本体はプライベートファンドや自己勘定で持っている不動産だけになったわけです。
でも、仕掛かり中の物件がしこっているという状況はまだ解決されたわけではありません。
また同社は一足早く希望退職をつのっていて8月末の従業員190人に対し98人が退職しています。(参照:経営合理化の取り組みの結果及び影響について(2008年12月8日) 1Qの四半期報告書

10日の日経新聞には 中小不動産開発業者向けに新融資制度 政府緊急対策という記事が載っていましたが、残念ながらそこまで持たなかったので清算モードなのでしょうか、はたまた身軽になって再起を期すということでしょうか。

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