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一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『ブラックサイト』

2008-12-08 | キネマ
予想外の拾い物。

被害者を拘束してアクセス数により死に至らしめる様子をネットで実況中継
する殺人者とそれを追い詰めるFBI捜査官の映画です。
この手の斬新なアイデアはアイデア倒れで終わってしまうものも多いので、半額セールでなければ借りないところでした。
しかし実際に観てみると、よくできた脚本で、犯人を追い詰めるところや犯人の動機の解明などストーリーの展開も破綻なく一気に最後まで見せてくれます。

その道のプロが見ればそんなこと技術的に(そんなに短時間で、または個人の資金力で)できないぞというところもあるのかもしれませんが。


この映画の教訓

 彼を知り己を知れば百戦して殆うからず

相手についての情報収集と自分についての情報の秘匿、勝負の場所の選び方が大事です。


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『ミスト』

2008-12-07 | キネマ
最近レンタルビデオ(そういえば「レンタルDVD」って言わないですね。言葉として定着してるということなんでしょうか。さらに「レンタル・ブルー・レイ」になると噛みそうですね。そういえば年末には「レコード大賞」なんてのもあります。)は半額セールのときくらいしか借りないな、と思いながらまとめて借りました。

スティーヴン・キング原作×フランク・ダラボン監督という『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』の組み合わせという触れ込みの『ミスト』。


最後まで考えることを放棄するな、最後まであきらめるな、という映画です。


「衝撃のラスト15分」とうたってますが、多分小説で読んだほうが衝撃は大きいのではないかと思います。
脚本・演出の巧拙の問題ではなく、映画は映像が逐時流れてしまうので物語の中の時間の密度は読み手の頭の中で時間が進む小説の方がコントロールしやすいという意味で。

全体的には脚本も良くできていて、それぞれの登場人部のキャラも立っていてストーリーもよくできているので面白い映画だとは思いますが、「怖さ」とか「感動」という点ではキングの作品としては「普通」レベルだと思います。



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ホンダF1撤退

2008-12-06 | あきなひ

僕にとっては大きなニュースです。

F1=ホンダが撤退、経営資源を次世代技術に配分
(2008年12月5日(金)18:22トロイター)

会見した福井威夫社長は「11月に入ってから事業環境が加速度的に悪化した。9月までの状況なら撤退の決断はなかった」と述べた。さらに「単に経済が冷え込んでいるだけでなく、100年間繁栄してきた自動車産業は次の100年に向かう大きな変化を迎えている。F1に注いできた情熱、リソース、人材を新しい時代に振り向けるべきだという強い意志と受け取ってもらいたい」と語った。

今回の撤退がホンダのブランドイメージを損なう恐れもあるが、福井社長は「ホンダの歴史上どういう意味を持つかというよりは、1年後、2年後、3年後にホンダがどういう商品を出しているかで評価すべき。良い決断だった、と言われるようにしなくてはいけない」と語った。エンジン供給の形で活動を継続する予定はなく、復帰の可能性も「白紙」(福井社長)だという。

F1だけでなく、ホンダはオートバイの頃からマン島のTTカップに参戦するなどレースで技術とブランドを高めてきて、レースへの参戦がDNAになっているとも言われたわけですが、エンジン供給もしないということなので単なるコスト削減というよりは求める技術の方向性がレースとは違ってきたということだとすると、自動車産業の方向性が本当に変わりつつあるのかもしれません。

ディーゼルエンジンでル・マンを制したアウディのような方向性もあるとは思いますが、もっとドラスティックな方向への転換なのでしょうか。
オートバイレースは撤退するとは言っていないようなので、内燃機関の効率化・高出力化はそちらでも可能、ということなのかもしれません。


 

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「埋蔵金男」高橋洋一氏の本3冊

2008-12-05 | 乱読日記
買いだめてあった3冊をまとめて読みました。


著者は財務省から小泉内閣で経済財政諮問会議の事務局、安倍内閣で首相官邸内閣参事官などをつとめ財政投融資改革・公務員制度改革を支え、安倍内閣の退陣とともに官僚を辞めた「霞ヶ関埋蔵金男」「官僚すべてを敵にした男」などの異名をとる異色の経歴の持ち主です。

最初は霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」 (文春新書)

3冊の中で一番薄いのですが、埋蔵金問題(=財政投融資、政府特別会計のしくみ)、道路特定財源、財政改革、日銀と金融政策、公務員制度改革問題などを理論的な背景も含めてわかりやすく書いてあります。


つぎはさらば財務省!―官僚すべてを敵にした男の告白
これは小泉政権下の政策立案・決定の過程、郵政民営化が官僚や自民党内の抵抗を排除してどのようにして可能になったか、そして安倍内閣の下で公務員制度改革がなぜ頓挫したかについて、インサイダーとして詳しく分析しています。
これは金融論、経済理論というよりは政治の裏側の話を書いた本です。


最後は財投改革の経済学
書名から著者が携わった財投改革などの理論的バックボーンを整理したものと思ったのですが、中身は過去に書いた論文のアンソロジーに近いものです。
論文に加筆してそれぞれの章として構成しているのですが、残念ながら全体のつながりがよくありません。
それぞれ独立の論文として執筆時期や背景を解説してもらったほうがわかりやすかったと思います。
その意味では最初の本が薄い割には網羅的に論点に言及しています。

面白かったのは「第7章特殊法人改革」。道路公団はなぜ民営化すべきなのか、年金財政がいかに破綻しているかを(後者はあまりうれしくはないのですが)明解に解説しています。
経済学的な分析は9章が中心なのですが、ページ数の割りに内容が詰まっているので経済理論に詳しくない僕にとっては表面をなんとなく理解するには量が多いし、掘り下げて理解するにはもう少し説明がほしい、という感じでした。


国の財政や経済に関心のある人は1番目の本、政治過程に興味のある人は2番目の本がお勧めです。









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春日電機

2008-12-04 | あきなひ
穏やかでない適時開示

春日電機㈱株主総会開催禁止仮処分命令申立事件の決定について(2008年12月3日)
同社のIRサイトを見ると当社代表取締役の違法行為差止仮処分命令申立事件の決定について(2008年12月3日)などというものも。


概略は、以下のとおりです。

春日電機は今年6月の株主総会で当時同社株式を創業者一族の反対にもかかわらず市場で買い集めた第2位(28.5%)の株主㈱アインテスラからの取締役選任議案の修正動議により当時の代表取締役ら創業者一族の取締役が選任されず、従来から就任していたアインテスラ側の取締役に会社の実権を握られた。
その後創業者一族はアインテスラに保有株式の譲渡を余儀なくされ、アインテスラは40%の筆頭株主になり、アインテスラの筆頭株主である篠原猛が春日電機の代表取締役に就任した。

篠原は春日電機からアインテスラに対し担保をとらずに融資したり不要な製品をアインテスラから購入するなど会社財産を毀損し、会計監査人からはコンプライアンス態勢に関する重大な懸念を表明され第二四半期の有価証券報告書が11月末までに提出できず監理銘柄となってしまった。
また篠原は春日電機の臨時株主総会を招集する一方で議案を変更するなどして開催日時を変更したものの、基準日を変更せず、臨時総会における議決権を有したままアインテラスは保有株式を全株売却している。

その臨時株主総会開催を禁止し、違法行為を差止めるために常勤監査役が起こした仮処分が認められた。


話の経過を見るとまるで「昭和の時代の乗っ取り劇」という雰囲気で、今の時代にもこういうことをする人がいる(できる状況にある)んだなぁと妙に感心してしまいました。
篠原猛という人はあまりよくない噂のある人らしい(参照)のでなおさらです。
こういう企業に限って買収防衛策を導入していなかったり株主総会での動議対応の準備をしていなかったりしたんでしょうか。

今回仮処分を申立てた常勤監査役も、ここに至るまでに止めることはできなかったのでしょうか。
確かに仮処分が通るくらいの違法行為と損害と緊急性の証拠をそろえるには最後の一滴までなりふり構わず絞り取りに来るところをつかまえるしかなかったのかもしれません。
また、監査役の権限には限界があることも確かです。
取締役が脇が甘くても監査役が買収防衛策の導入を提案するわけにもいきませんし、日常の取締役の業務執行の監督も事後的なものにとどまります。
それでも乗っ取り側に支配された取締役会に対して昔から残った監査役が孤軍奮闘したのが上の仮処分ではないかと思います(アリバイ作りのための訴訟、といううがった見方もできなくはありませんが、それなら(アーバン・コーポレーションの社外取締役だった検事総長のように)とっとと辞任してしまったほうが手っ取り早いです)。


私が知らなかっただけでけっこう有名な事件なのかもしれませんが、今後株主代表訴訟とか刑事事件にもつながりそうですし、特に中小規模のスタッフの手薄な上場企業の企業防衛への教訓も多そうなので続報に注目したいと思います。


<関連エントリ>
泥沼二件
春日電機その3
春日電機その4
春日電機その5
春日電機その6


コメント (9)
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深夜のご帰還

2008-12-04 | おイヌさま




忘年会だかなんだか知らないけど
あたしだって眠いんだから、
こんな時間に帰ってこられても、いちいち愛想よくしてらんないわよ。






とっととおやすみ~
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弁理士と弁護士の弁別

2008-12-03 | 法律・裁判・弁護士
弁理士の人に聞いた話。

弁理士と弁護士は同じ「弁」という漢字を使っているけど、旧字体(正字体)では違う漢字で、弁理士は「辨理士」、弁護士は「辯護士」と書くそうです。

弁理士先生曰く、両方とも明治時代からあるしかくだけど弁理士の方が弁護士よりも公的資格としての歴史は古いとか(ちょっと自慢げ)。そういえば弁護士は昔は「代言人」と言ってましたね。


家でもともとの漢字の意味にどういう違いがあるのか調べてみました(以下の記述は「新大字典」によります)。


「辨」の字源は「判じ分けること。ゆえに刀を書く「辛辛」は「ヘン」の音符。転じてわきまえ知る義とする。」、字義は「わかつ、わける、区別する、判別する」。

確かに特許の申請とか侵害の有無などは「判別する」仕事です。


「辯」の字源は「「辛辛」は罪びとが争いあうこと。「辛辛」の間に「言」をかき、両人の論争を弁別して治め正す意。また「辛辛」はまた音符。転じて言説の巧みな義する。」、字義は「わかつ、あらそう、治める、説く」
※ 漢字としては同じ「辛辛」ですが篆字では微妙に違っています。

これも確かに弁護士の仕事をうまく表しています。


明治時代の人の、こういう和製漢語のネーミングのセンスはホント抜群ですね。

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『ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか』

2008-12-02 | 乱読日記
toshiさんのブログで紹介されていたので読んでみました。

ベースは朝日新聞に連載された内部告発の特集記事ですが、まとめて整理されると読み応えがあります。
登場する会社の隠蔽・偽装や内部告発者の決断だけでなく、告発を受けた行政や内部通報窓口の対応、記事にする記者の立場などそれぞれの立場から多面的に語られている特に前半部分が興味深く読めました。

ただ、ちょっとひっかかったのは、偽装は別としても、「結果的に問題になること=間違い」というようなマスコミを中心とした視点のありかたがここにも現われているところです。
本書にも通報を受けた監督官庁の担当者のセンス次第で問題化するのか「事なかれ」で処理されるかの違いがあるように、内部告発を待たずに企業が自主的に事故報告した場合の行政の対応の予測が困難な場合は、結果として「隠蔽」と言われてしまったりする可能性があります。
たとえば事故報告をしても(特に昔は)と暗に「妙な波風を立ててこっちに迷惑をかけるな」風の対応をされた場合の対応や、逆に(最近のように)軽微な事故・違反でも大騒ぎになって(過去の処分に比べても)過剰に厳しい処分を下されるような場合、企業としては対応が難しいところがあります。

それこそ取材が難しいのでしょうが、事件にならずに企業が適切な対応をしたり、自浄作用や内部通報制度が機能している、というのはどういうものなのか、という事例も紹介してもらえれば、より立体的な分析ができたように思います(そういう「事件」にならないものは記事にしないのかもしれません)。

「朝日新聞」「偽装」とくると、僕は1989年の珊瑚記事捏造事件を真っ先に連想してしまうのですが、自分のことは置いといて「企業はなぜ間違うのか」という上から目線もないだろう、と思ってしまうんですよね・・・
(改めて調べてみて、この事件で捏造された落書きのイニシャルが「KY」だったというのに笑ってしまいました。)


組織は間違うからこそ内部通報制度がある、間違いが発覚したときの対応や二度目の間違いを起こさないためにどうするか(その一つの手段としての内部通報制度をどう生かすか)、というところがホントは一番大事なことだと思います。






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リプラス亡き後

2008-12-01 | あきなひ
家賃滞納者の鍵替え家財処分 「追い出し屋」被害相次ぐ
(2008年11月30日16時53分 朝日新聞)
賃貸住宅の連帯保証を請け負う業者らが、家賃を滞納した入居者に強引に退去を迫る「追い出し屋」の被害が広がっている。被害者の多くは低所得者ら。弁護士らは「新手の貧困ビジネス」と批判し、救済に乗り出しているが、家賃保証業務を規制する法律はない。

保証会社の多くは90年代に設立。高齢者や外国人労働者らのニーズもあり、新規参入が続いた。今は100社以上あるといわれる。グレーゾーン金利の撤廃で経営が悪化した消費者金融会社からの転出組もあるという。
 保証会社の関係者は「競争が激しく、滞納しそうな入居者もどんどん入れる。その結果、滞納率が高まり、無理な取り立てをする業者も出てきた」。別の司法書士も「家賃保証の仕組みが悪いのではなく、違法な手口が問題なのだ」。
 保証会社は宅地建物取引業法や借地借家法の規制外で、現在は「監督官庁もない状態」(国土交通省不動産業課)だ。

先日倒産してしまったリプラスはファンドや中国でつまづいてしまったものの、本業の家賃保証事業は好調でした。
このビジネスは確かに貸金業からの参入も多く、取立てが荒っぽいところもかなりあるようで、大手の賃貸会社などでは紹介先を限定しているそうです(その意味でもリプラスの倒産は痛いらしい)。

そうすると、中小の業者は賃料の安い(=利益の少ない)ところや保証人がいなかったり大手の保証会社に断られた借り手からの依頼(=リスクが大きい)によるので「回収力勝負」になるということだと思います。
しかし遅延損害金の利率はひどいですね。


しかしこの問題は突き詰めていくと賃貸住宅を借りるのに連帯保証人が必要、というしくみが少子高齢化のなかで機能しなくなっていることと、借地借家法上賃借人が保護されている(判例でも3ヶ月以上の滞納がないと解除が認められないことが多い)ことと、明け渡しの強制執行の時間と費用が高い、というところに行き着きます。

つまり、貸し手側としてはテナントが賃料を滞納した場合にかかるコストが大きいので、連帯保証人という人的担保を取るのが手っ取り早い、ということになります。
そうでなければ敷金を12ヶ月入れろとか賃料を2年分前払いしろ、というようなことになりかねません。
(ある意味2年分の家賃を1月分の保証料で保証するということは2年分の賃料を貸して分割返済するのと同じなので貸金業の規制をかけるのは規制の観点だけからならなじむかもしれません)


ところで、連帯保証会社を規制した場合、中期的には物件の競争力が高い物件は連帯保証人または保証会社(または高額敷金)を求め、競争力のない物件は保証人(保証会社)がいなくても仕方がない、ということになるかもしれません。
ただそれは長期的には、<競争力のない物件の収益力の低下→貸主(往々にして個人オーナーだったりします)の資力の低下→物件の資産価値の低下(修繕しない・点検しない)・貸主の信用リスクの低下(敷金が帰ってこないかも)→一層の競争力の低下>というスパイラルになる可能性もあります。
そうすると、社会のインフラとしての賃貸住宅の二極化とか一部でのスラム化の問題も出てくる可能性もあります。
現在でも街中に「どうしちゃったんだろう」というような老朽化した賃貸アパートが建っていることがありますよね。
東京R不動産などでは古い物件や人気のない物件を新しい切り口から発掘してビジネスにつなげていますが)


業者の行為規制と違約金の規制をして、あとは市場原理に任せるというのが当面の方策になるんでしょうか。


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