一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

Easy Rider

2005-02-05 | キネマ
TSUTAYAの旧作半額キャンペーンをやっていたが、比較的新しいものはほとんど貸し出し中だったので、思いっきり昔のイージー・ライダーを借りてみた。

1週間レンタルといっても、結局観られるのは週末。
昨日(金曜)の深夜に観る。

1969年、ピーター・フォンダ(今は何やってるんだろう)、デニス・ホッパー(「スピード」以降渋めの脇役で復活)、ジャック・ニコルソン(老いてますます盛ん)の3人が30代前半。
デニス・ホッパーは長髪・口ひげで、最近の印象とは全然違うが、ジャック・ニコルソンは、昔から一癖ある役柄が似合っていたんだなぁ。

映画自体は60年代のヒッピー・反戦というのを前面に出しているのかと思ったらさにあらず、
麻薬の密輸で大金を稼いだ2人組が、バイクに乗ってニューオリンズの謝肉祭に行く、というロードムービー。
途中でヒッピーのコミュニティにも寄るが、視線は醒めている。

この映画は「自由を失ったアメリカ」がテーマなのだろう。
自由と言う建前に縛られて、自由を許容しなくなっているアメリカを描いている。


後半で、ジャックニコルソン(途中で合流したアル中の若手弁護士)が語る部分。
何で人々は俺らを嫌うのか(安モーテルにも泊めてくれないし・・・)、というデニス・ホッパーに対し、
ジャック・ニコルソンは
自由な人間という存在自体が嫌われるのだ、という。

"Talking about it and being it, that's two different things."
"It's so hard to be free when you are bought and sold in the marketplace."
"Don't ever tell anybody that they are not free, cause they gonna get real busy killing and maiming to prove that they are."
"They gonna talk to you and talk to you and talk to you about indivisual freedom.
But they see a free indivisual, it's gonna scare them."
(Well it don't make them running scared.)
"No. It makes them dangerous."

 自由を説く事と自由であることは別だ。
 カネで動く者は自由になれない。
 アメリカ人は自由であることを証明するためなら殺人も平気だ。
 個人の自由についてはいくらでも喋るが、自由な奴を見るのは怖い。
 (怖がらせてるわけじゃないんだがね)
 いや、非常に危険だ。


結局この晩にジャック・ニコルソンが殺され、最後には2人とも殺されてしまう。存在自体が目障りだ、という理由で普通の人に。


最近はアメリカは「他人を自由にする」ことに熱心だが、自分の考える「自由」の範疇に収まらないのは許さない、というところは相変わらずのようだ。

もっともこれはアメリカ人に限った事ではないのだろうけどね。

考えてみれば仕事でもそうかもしれない。
部下に「好きにやっていいよ」といって、本当に好きにやる事を許容しているのだろうか?

ちょっと反省。
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前にだけは進めません

2005-02-05 | あきなひ
この信号機は今週を象徴している。


「前にだけは進めません。」


パリ・ダカールラリーで4回優勝して「砂漠のライオン」の異名を持つアリ・バタネンというラリードライバーがいる。80年代後半から90年代にかけてが全盛期というちょっと昔の人。(今はEUの議員とかやっているらしい。でも昨年またパリ・ダカに出ていた。)

彼のインタビュー記事を雑誌で読んだ事がある。

その中で、砂漠でのドライビングのコツを聞かれたバタネンは
「コースミスをしたと思っても、決して逆戻りしない事」と答えていた。


このフレーズは今でも印象に残っている。

自分なりに解釈すると、正しい道がわからない砂漠でも、迂回しながらでも前に進めば、いつかは正しい道にたどり着く。しかし逆戻りは完全なロスになる、ということなのではないかと思う。


この考え方は困ったときの意思決定にけっこう役に立っている。


間違ったと思ったときに、出発点に戻るというのは大事だ。(多分こっちが基本なんだろう)
ただ、間違ったと気がつくのは、えてして遅れがち。
そこで、確実に出発点に戻れる保証(または余裕)がないときは、遮二無二目的地とおぼしき方向に向かって進む方がいい。


ということで、今週は迂回・ジグザグ行進・方向転換・フェイントetc.と悪あがきのオンパレード。
やらなかった(できなかった)のは正面突破だけ(笑)


でも逆に、こういう悪あがきのほうが、結果どうにか形になったときには、達成感はあったりするんだよね。
(単に悪あがきが好きなだけなのかもしれないけど・・・)


まあ、最終的にはどうにか形になって、やれやれの一週間でした。
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