一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

「正しい」だけでは・・・

2005-01-14 | あきなひ
今日、会社での雑談で、「正しい事を抽象的に言うだけで、具体的な方向性を示していない指示」の(またはそう言う指示をする管理職・経営者の)弊害が話題になった。
「損しないようにまとめろ(でもdeal breakにはするな)」「本当に大丈夫か?」という指示や「総合生活産業」というようなキャッチフレーズとかのこと。

結局核心は「成功しろ」「失敗するな」「うまくやれ」「立派な会社になれ」ということだけで、そのための方向性とか価値観のすり合わせというのが不可能。
で、こういうことを言う輩に限って結果責任を追及したがったりする。

自戒も含めて考えると、そういう指示はする方としては楽だし、自分でも判断に迷ったり、そもそも問題点の核心が理解できなかったりするときに、とりあえずもっともらしい事を言うことができてしまう。

でも、そういう指示ってほとんどは混乱・非効率の原因になる。
極めてまれに独立心のある担当者を育てる事もあるけどね。



「100%正しいけれども、ありがたみのないフレーズ」で思い出したのは、


ライブドアの堀江社長の「お金で買えないものはない」



これって単に貨幣の定義だよね。

貨幣は自らは何ものでもなく、ただ交換価値の主体となるために「命がけの跳躍をした」というのはカール・マルクスだって「資本論」の中で言っているし。


確かに企業組織の中では組織や自らのポジションの維持を主目的として、本来の営利企業の目的である「利益の追求」を忘れがちになると言う部分があるかもしれない。
でも、社長が「金を稼げ」といっても「どうやって稼ぐか」という指示がないと会社は儲からないと思う。
(だから株式公開してcashの潤沢なIT企業は手っ取り早くcashflowのついてる会社をM&Aするのだろうけど)


正しいだけで具体的な指針がなければ、人は動かせない、ということなんだろう。


キリスト教だって「汝の敵を愛せよ」だけでなく「右の頬を打たれたら左の頬を出せ」という具体的な例があって初めて信者はどういうことをすればいいのかわかるんだろうしね。

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