一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

内田樹『子どもは判ってくれない』

2006-08-11 | 乱読日記
今週の通勤用図書はウチダ先生の『子どもはわかってくれない』

文庫本で、しかも収録されている評論も短い物が多く、それぞれに切れ味を見せているので、立秋を越え残暑のこの時期にいいのではと。


当初編集者の企画は大人の若者への「説教本」という企画だったようですが、

「説教本」は実は「大人のために書かれた若者の悪口本」である。
このように価値観の違う人に対する「説教」が実は同一の価値観をもった人の中を循環する(説教になっていない)ところに問題があるのではないか、と切り返します。


そしてスペインの哲学者オルテガ=イ=ガゼーの「弱い敵と共存する」(=「強い敵」なら共存せざるを得ない。一方自説の正しさを主張する人などは自分と価値観を異にするが強大ではない「不快な隣人たち」を勘定に入れたがらないことが多い。しかし市民としての責務はほとんどの場合そのような「不快」の存在を認め、それに耐える事である)をキーワードにし、

若者に対して大人という「不快な隣人」をまず認識するために「『大人の思考と行動』とはどういうものかについて、『若者たち』に人類学的リサーチレポートを提出する」ことを本書のテーマにする、と宣言します。
(「たいへんに長いまえがき」)


とはいえ元が2001年から2003年までのウエブサイトに掲載されたものなので、一つ一つの評論は独立しています。


そこで、これからしばらくこの本を読み進むと同時に、それぞれの評論についてピンときたフレーズ(本論とは関係ない部分も含め)に一言コメントをつける、ということをやってみたいと思います。

多分それらは内田センセイの意図、それぞれの文章のポイントとは違った部分についてのコメントによる妙な脱線ばかりになると思いますが、まあ、私の読み方なんてこんなもんだ、という見本帳として。


名づけて「読者(私)も判っちゃいない」シリーズ

ネタの夏枯れ対策などとおっしゃらずにご笑納ください^^









コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする