一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『スタンドアップ』

2006-08-05 | キネマ
(ネタバレ注意、といっても通常の解説程度です)


夫の暴力から逃れ、故郷ミネソタの鉱山で働く主人公が、古い町の因習や偏見と闘いながらセクシャル・ハラスメント訴訟で勝利を収めるまでの話です。
アメリカで初めてセクハラ訴訟で勝利した女性の実話に基づいています。

『シリアナ』はちょっと期待はずれだったのですが、これはなかなかいい映画でした。
やはりアメリカは自分の国のことを描いた映画の方がいいものを作りますね。

脚本もよくできていて、家庭内暴力、因習と偏見、噂のこわさ、男の職場、捨てたい過去、企業のホンネと建前、生活のための犠牲、親子、家族、帰るべき故郷といろんな要素を破綻なく上手にまとめています。
主人公の長男がほんといい子です^^


アメリカは「よそ者」が作った国だが、生活基盤が安定してくるといろんなルールを作ってよそ者を排除しようとするようになる。しかしその因習を壊すのもまた自由と独立の精神を持ったアウトサイダーだ、という「アメリカはやはりいい国(であるべきだ)」というのが映画を通低しているトーンといえると思います。
(それがあんまり厭味でないところがこの映画の優れたところだと思います。)



ところで、本筋とは別に感心したのが、主人公の勤める鉄鉱石(多分)鉱山が露天掘りなこと。

日本で鉱山といえば軍艦島のように竪坑で何百メートルももぐっていくのが主流で、それに比べるとアメリカの天然資源の豊かさが印象に残ります。(そもそもそういう日本の鉱山では女性労働自体が現実的でないですね。)

また、そういう資源小国の日本だからこそ石炭が露天掘りできる満州に進出したわけですが、中国もみんな露天掘りというわけではなく、最近の鉱山の事故をみると、かなり深いところまで掘るものも多いようですね(それに安全管理のいいかげんさが加わって、事故が多発しているようです)。


話がそれてしまいましたが、アメリカは石炭や鉄鉱石が露天で掘れて、石油も簡単な井戸を掘れば涌いてくる国、と考えればいろんな行動様式も理解できますね。







コメント (4)
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