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小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

発展ということ ~バリのゴミと交通問題(2017バリ旅行記⑦)

2017年09月15日 | 旅行記 バリ
■僕にとって人生初の発展途上国(偉そうであまり好きではない表現)を経験することになったバリ。
自分の初アジアはタイかベトナムかインドと思っていたので、
超観光地でもあるバリに行くことになった流れは不思議なものでした。

バリに半月滞在してみて、発展ということを考えさせられることが数多くありました。
それは「交通」「ゴミ問題」でした。


■バリに初めて着いた空港周辺でまず目に付いたのが、
その交通量の多さでした。
そして、その中でもバイクの多さでした。

ノーヘルに二人乗りは当たり前。
時には5人乗りという凄技を発揮している人も見かけました。
明らかに中学生以下と思われる子供が運転しているのも見かけました。
超荷物満載のバイクも!!

車の隙間はもちろん、
裏路地は多くのバイクが行き交っていました。

リドート地となった空港周辺、クタやウブドに電車や地下鉄はありません。
空港付近に海の上を走る高速道路が出来て、
空港からテンパザールに向けての渋滞が緩和されたとは言え、
リドート地は慢性的な渋滞が深刻だそうです。

ほんの数10年前までは高価な車やバイクに乗る人は少なく、
自転車や徒歩が主流だったそうです。

しかし、1日の庶民の収入が600円程度のバリにおいて、
観光業は軽く桁違いのお金が入って来ます。

ある程度貧富の差はあれど、
多くのバリの人が安価で使い勝手のいいバイクにシフトしたのは
想像に難しくありません。

道路整備やインフラが整うより
はるかに早いスピードでバリの交通事情は激変したようです。


■しかし、常に生活の主軸は神様のバリの人々。
スピードも出すし、挨拶や注意のクラクションは頻繁ですが、
根本的に相手に対して優しいと感じました。

信号も少なく、
絶対的に交通量が多い都市であっても、
割り込んだ人や人に対して、
怒るような態度をすることなく、
とても穏やかに進んでいるように見えました。
日本の都市では考えられない雰囲気です。

実際、バリでは人身事故、死亡事故も多いらしく、
住んでいるみんなが考え、
解決していくべき課題と感じました。

ちなみに無免許で警察に捕まった場合、
以前は50000ルピア(500円)程度のお金を渡せば、
見逃してもらっていたそうですが、
大統領が変わって、警察官に賄賂を渡した人も罰せられるようになり、
今は警察官への賄賂はダメになったそうです(本来、当たり前ですがw)。



■飛行機がまだ主流でなかった時代、
バリの中心地は現在のテンパザールやクタではなく、
お隣のジャワ島からの港がある北西部の港町だったそうです。

現在もその面影は残っており、
ウブドから山岳地域を越えて、
急に現れた栄えている地域を見た時は、
その歴史背景がもたらすの影響の大きさに震えたほどです。

船の時代から飛行機の時代となり、
歩きや自転車から車バイクの時代に。

バリの至る所にカラフルなバイクの燃料が売られています。

激変する交通の変化に伴い、
失ってしまったものと
得られるもの。

発展というものを求めて、
これから私たちがどこに向かっていくのか、
バリの変化は様々なものを訴えかけていました。


■そして、バリの滞在中都市でも田舎でも目に付いたのがゴミでした。
それはプラスチックゴミ。

なんとバリにプラスチックが大量に入ってきたのは、
ここ10年程度とのこと。

それまでは暮らしのほとんどが、
竹や木、葉を使ったものなので、
暮らしの中で出るゴミはそこいらへんに放っておけば土に帰りました。

また燃やしても、石油製品由来の毒性の煙は発生しませんでした。

しかし、急速に入り込んできたプラスチック製品のおかげで、
バリの周囲のゴミは土に分解されず、
ずっと残ってしまうのです。

これはウブドの中心にあるマーケットです。
多くの人とモノ、観光客で溢れた活気のある市場周辺です。

その真っ只中にはこんなゴミの山が!

比較的に新しいものに見えるので、毎日市場から出ているゴミの一部なのかもしれません。

仮に一部だとしたら、毎日すごい量のプラゴミが出ていることになります。

私たちは燃えるもの、燃えないもの、リサイクルものは当たり前に
分別することに慣れていますが、
一気に変化している渦中のバリではその分別が追いついていないのです。

一般家庭が燃やす以外に、
都市部ではゴミ回収業者もおり、
朝早く暗い時間に回収して動いているのですが、
その後はスウンという村に運ばれ、
そのまま山済みにされるそうです。
近く通ったときに悪臭が漂っていました。


これは早朝4時のウブドの市場。
昼間の観光向けの市場とはまるで違う雰囲気です!

昼間は観光向け、早朝は3時過ぎくらいから地元向けの市場になるようです。
昼間と違い、物売りの声かけは微塵もなく、
道路は片側3列のバイクの列が果てしなく続いています。

買う方も売る方も緊張感があり、
これは観光の僕があまりお邪魔しては行けない領域だと感じました。
地元のみんながその日の買い物に一生懸命なのです。

■バリで1日に平均4778㎥のゴミが回収されているそうです。
1メートル四角のゴミが4778個並んだ数が毎日運ばれ、
埋め立てでなく集積されている。
大潮の満水時にはそのゴミは波と共に海に流れている…
そんな現実が実際にあるのです。

世界的な観光地であるバリの裏の姿です。
この部分に目をつぶってはいけないと思うのです。

観光で滞在しているその時でも、
レジ袋をもらわない、ゴミを分別できるときはするなど、
できることはあります。

観光はその土地にお邪魔して楽しませてもらっている行為です。
謙虚な心を忘れずに過ごしていきたいと思います。


■小笠原に暮らしていても、毎日山盛りに出される
ゴミステーションを見ても感じることがあります。

海岸に漂着するゴミを回収して考え、
縄に絡まったクジラや、テグスに絡まった鳥をレスキューしても考え、
今日深刻化している海洋マイクロプラスティックの問題も深刻です。

便利さが持っている暗い影というものを、
まざまざと見せつけられている今日。

プラスチックが導入されて日が浅い地域では
こんなにもはっきりと変化が見て取れます。

今の先進国が行ってきた発展の形というものが、
持続可能でないことがはっきりしている今、
持続可能な環境問題を解決するリーダーを育成するというコンセプトの
娘たちが参加したグリーンスクールがバリにあるという意味が
あるような気がするのです。

しかし、バリには宗教と階級の問題があり、
ヤシの木より高い建物は建ててはいけないそうです。
(高い建物を作ると高い階級の人の上に立つことになるからNG)

そうは言ってもクタや空港近くには、
大きなホテルが乱立していますが、
そんな中でも経営者は現場に出てはいけない、
労働者はある規定の人数バリの人を雇わなければいけないなど、
色々といい意味で機能している制度もあるようです。

発展というものをダイレクトに感じて、
真の発展というものを作り上げていく時代なのだなと感じることができました☆

僕自身もゴミ問題は島に暮らしていても感じ、
対応できる問題です。
海岸に行った際に漂流ゴミを拾うことはしていますが、
それ以上にできることをもっと模索していこうと思います。