TINAっていう映画は、歌手のティナ・ターナーの自伝に基づいて作られた映画。彼女は超有名な歌手なのに、実は家庭内暴力に苦しんでいて、その泥沼から脱出した話が中心だということで、さっそく見ることに。ティナ・ターナーは、同時代ではないからあまり知らないんだけれど、わたしにとってのホイットニー・ヒューストンくらい、もうちょっと上の世代の人たちには影響力のある歌手だったみたい。
映画では、それほどDVの様子について描かれているわけではない・・・むしろ、彼女がいかに必死に暴力のサイクルから抜け出そうとしたかがリアルに表現されてる。
わたしが一番印象に残ったのは、とあるホテルの支配人の対応。すでに大成功を収めて有名人になったTINAが、全米ツアー旅行中のある日、夫にひどくなぐられ、顔中にけがを負ったまま、高級ホテルを飛び出して、近くのビジネスホテルに飛び込む。血だらけの顔でレセプションに向かい、「支配人に会いたい」という彼女に、もちろん彼女を知っているのですぐに支配人を読んでくるクラーク。「夫とちょっと喧嘩をして・・・・35セントしか手持ちがないんですけれど、泊めてくださるかしら」というTINAに、「光栄です。すぐにお部屋を準備します」と回答する支配人。
何も聞かないし、プロの対応で、TINAを人間として尊重した対応。接客業だからといって、だれもがこんな対応をできるはずがない。TINAは、きっとこの人の対応にとても感激して、自伝に書いて、映画の1シーンとして取り入れられたのではないだろうか。
ティナ・ターナーを同時代で知らないのは個人的にとても残念だけれど、DVの教育映画として、十分に講義で使える映画。有名人でも、DVの被害に苦しみつつそれを言い出せない人はたくさんいるはず。セレブな人が、自分たちの経験を語ることによって、おおぜいの人が励まされ、自分だけじゃないって気づくことができる。
2014年に一番最初に見た映画、なんだか幸先いいかも。映画大好き、今年もいろいろ見て、がんばろうと思うのである。