トラッシュボックス

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亀井静香を防衛相にしていいのか

2009-09-14 23:18:25 | 現代日本政治
 朝日新聞の夕刊に残念なニュースが。

防衛相に亀井氏有力 福島氏は消費者相か

 民主党の鳩山代表は14日夕、次期幹事長の小沢一郎代表代行と会談し、新内閣の閣僚・党役員人事について最終調整する。これまでの調整で、国民新党の亀井代表(72)を防衛相に、社民党の福島党首(53)を消費者担当相や少子化対策担当相に起用する案が有力となった。鳩山氏は16日の特別国会での首相指名後ただちに組閣を終え、連立内閣を発足させる方針だ。

 鳩山氏は14日午後、麻生首相と国会内で会談し、政権引き継ぎについて協議する。夕方の小沢氏との調整を経て、早ければ14日夜にも入閣候補本人に内示を始めたい意向。党役員人事は15日の両院議員総会で了承を得る見通し。

 亀井氏の処遇をめぐっては、郵政民営化問題を優先課題とする国民新党から総務相を希望する声が出ていた。しかし、民主党が政権公約に掲げた「地域主権」を推進する中心官庁のため、別のポストを検討。自民党出身で与党経験が長いベテランの亀井氏を防衛相にする案が浮上した。

 防衛相起用が有力視された野田佳彦元国会対策委員長は、近著で集団的自衛権行使を一部容認する考えを明記したことが判明したことから外れる方向になった。

 防衛相人事では連立相手で海外派遣に反対する社民党との関係も重視。国民新党には沖縄選出議員がおり、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で連立の枠組みを重視した調整を亀井氏に託す狙いがあるとみられる。

 社民党への対応では、同党は環境相を希望する一方で「生活再建」を前面に掲げているため、福島党首には消費者担当を軸に、少子化対策や男女共同参画担当を加えたポストを用意する方向だ。

 野田の近著とは、新潮新書の『民主の敵』かな。読んでみたいと思っていたが。

 ということは、鳩山も小沢も、集団的自衛権行使の見直しに取り込むつもりなどさらさらないのだろうか。
 たしかに、そんなことはマニフェストにも書いていなかった。しかし、民主党は、「緊密で対等な日米関係を築く」と主張していたと記憶している。
 ここに言う「対等」とは、米国の主張に唯々諾々と従うだけでなく、わが国も主張すべき点は主張するという、ただそれだけの意味にすぎないのだろうか。
 わが国が集団的自衛権を行使できない、しかし米国は集団的自衛権を行使できるとは、要するに、米国はわが国を守ってくれるが、わが国は米国を守らないということである。まるで保護国である。
 こんな現状を放置しておきながら、どうして臆面もなく対等な関係を築くなどと言えるのか、不思議でならない。

 閣僚の一員として集団的自衛権行使の見直しを表明したならまだしも、就任前に著書で「一部」容認を唱えただけでケシカランと言うのか。
 では、亀井はどうなんだ。

 亀井は、死刑廃止論者である。以前取り上げた、岩波書店の月刊誌『世界』の特集「死刑制度を問う」で、亀井は次のように述べていた。
警察官だったときに連合赤軍の森恒夫を取り調べたこともありますが、かれら極左の暴力活動家にしても、根っからの悪人かといえばそうではない。かれらなりに世の中をよくしたいというところから始まって、武力闘争に至ってしまう。まちがった道だけれども、世のため人のためにと自分の生死を投げ打った、そこにはやはり尊いものがあると思ったのです。人間というのはそういうものではないでしょうか。
 手段は誤っていたが動機は純粋だった、それは評価すべきだというのである。
 私はこうした考え方を絶対に容認できない。それは容易にテロ肯定につながるからだ。五・一五事件の被告に助命嘆願が殺到したというエピソードを思い出させる。
 こんな感覚では、アルカイダやタリバンにも三分の理はあるとか言いかねないではないか。
 こんな男を防衛相にしていいのだろうか。世界に誤ったメッセージを送ることにならないか。