トラッシュボックス

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二重権力の再来となるか

2009-09-04 07:55:45 | 現代日本政治
 やはりそうきたか。

 アサヒ・コムの記事から。

小沢氏、民主幹事長に 菅・岡田氏の入閣確実な情勢

 民主党の幹事長に小沢一郎代表代行が就任することが3日、決まった。鳩山代表が同日夜、党本部で小沢氏に要請し、小沢氏が受け入れた。小沢氏の幹事長起用には、「二重権力」構造になりかねないとして党内に警戒感があり、鳩山氏は総選挙直後の判断をいったん先送りした。しかし、総選挙の大勝で巨大になった党をまとめるためには、組織を率いる経験が豊富な小沢氏の指導力が不可欠と判断した。

 民主党は党幹部が内閣の役職を兼務するのが原則だが、幹事長は入閣しない。鳩山氏は、小沢氏、菅直人代表代行、岡田克也幹事長の3氏を要職で処遇する考えを示しており、小沢幹事長が固まったことで、菅、岡田両氏の入閣が確実な情勢となった。鳩山氏は小沢氏との会談後、記者団に「(岡田氏には)枢要な内閣のポストについてもらいたい」と語った。

 小沢氏は鳩山氏との会談後、記者団に対し、「代表から幹事長の就任を要請された。私は党人だから、お受けすると返事をしてまいりました」と語った。

 鳩山氏は来年の参院選勝利に向け、選挙担当として総選挙を大勝に導いた小沢氏に引き続き指揮を求めるとともに、党の要職で起用する考えを示していた。特に、今回の総選挙では308議席を獲得し、140人を超す新顔が当選。巨大な与党となった党の運営が重要な課題となっており、組織を統治する経験が豊富な小沢氏の手腕に期待する声があった。

 一方で、小沢氏と距離を置く中堅らは「実力者の小沢氏が閣内に入らず、党運営の全権を握る幹事長に就任すれば、権力の二重構造となり、小沢支配が強まる」と警戒。岡田幹事長に続投を求めるなど、「小沢幹事長」に反対する動きも出ていたため、不満がくすぶりそうだ。

 鳩山氏は、小沢氏をめぐる人事に対する党内の反応を踏まえ、総選挙投開票の翌日に固めるはずだった幹事長や官房長官などの骨格人事を先送りし、一時は首相指名後にすべての人事を一気に進める方針に転換した。しかし、党内の疑心暗鬼はおさまらず、結局は早期決着で党内の混乱の芽を断つ方針に再び転換することにしたとみられる。

 小沢氏は西松建設による違法献金事件で公設秘書が逮捕・起訴され、5月に代表を辞任。後任の鳩山代表によって、選挙担当の代表代行に起用された。党運営の要となる幹事長に就任すれば「完全復権」との批判も出そうだ。
 小沢は確かに選挙に強いのだろう。
 今回の衆院選での大勝についても、小沢の力に負うところが大きいのだろう。

 もともと鳩山は小沢を含め菅、岡田らを重要な役職で処遇すると言っていたのだし、自民党の古賀誠のような選挙対策委員長といった新ポストでも作らない限り、小沢の幹事長就任は十分有り得ることだと思っていた。

 しかも、連立相手の社民党や国民新党にとっても、小沢は幹事長に適任だというのである。
 これもアサヒ・コムの記事「「小沢支配」に警戒 看板の政治主導、生煮え」から。

連立を組む場合、与党間の政策調整をどう行うかははっきりしない。福島氏は31日、記者団に「(国民新党の)亀井代表と話したが、もし連立に参加した場合、与党間の政策協議の場が必要だ」と語った。内閣の機関とは別に、与党協議会のような調整機能が必要との認識を示したものだ。

 民主党は首相直属の国家戦略局で予算の骨格を決めるとしているが、他党には予算に関与できるのか、不安がある。亀井氏は政権構想についても「国民新党や社民党と協議しなければいけない」と牽制(けんせい)。選挙協力を担ってきた小沢氏も、国家戦略局には否定的との見方がもっぱらだ。

 こうした連立の政策調整でカギを握りそうなのは、民主党の幹事長ポスト。「適任者」として社民、国民新両党から名前があがるのが、小沢氏だ。代表時代に両党との調整を引き受けており、両党から信頼が厚いからだ。

 もし与党協議会ができれば、内閣に対して極めて強い「拒否権」を持つことになる。両党は数は少ないが、参院で反対すれば、法案が可決できなくなる局面を迎える可能性がある。そのときに、民主党幹事長が他党と連携すれば、内閣の政策決定をひっくり返すこともできる――。

 民主党内の中堅・若手が「小沢幹事長」を警戒する理由は、その点にもある。

 亀井氏には細川政権で下野した野党の自民党時代、旧社会党と連立して小沢氏らから政権を取り戻した、という因縁もある。それだけに「静香には気をつけた方がいい」との声が民主党内にはある。
 細川政権でも、小沢は新生党の代表幹事を務め、公明党の市川雄一書記長、民社党の米沢隆書記長と組んで、連立与党・政府の方針を主導し、新党さきがけの武村正義・内閣官房長官と対立した。それが結局、非自民政権を短命に終わらせた。
 官邸主導を説く今の民主党が、簡単に同じ過ちを繰り返すとは思いたくないが。

 細川政権は弱小政党の寄り合い所帯だったわけだが、今回成立するであろう民・社・国政権は民主党が圧倒的に巨大だし、同列には論じられないとも思うが。

 それともう一点、小沢が幹事長に就くなら、あの党代表辞任は何だったの? ということにならないか。選挙対策にすぎなかったのか、偽装だったのか、と。

 民主党は、政権がまだ発足しないうちからミソをつけたな。