トラッシュボックス

日々の思いをたまに綴るブログ。

民主党の国旗騒動に思うこと

2009-08-31 23:28:47 | 「保守」系言説への疑問
 選挙前、民主党が今月8日の鹿児島県での集会で壇上に掲げた党章が、わが国の国旗「日の丸」を切って貼り合わせたものだったことが問題になった。
 自民党や産経新聞などはそれみたことかと民主党の国家観を問題視してさかんに攻撃したが、結局、投票行動にはあまり影響を与えなかったようだ。

 民主党が国旗を損壊したことは事実だし、国旗は尊重すべきものであることもまた確かだが、党章は国旗を貼り合わせて作るべしと民主党本部が自ら指示していたわけでもあるまいに、こんなことしか言えないのかと有権者はむしろ自民党に呆れかえったのではないだろうか。

 この件についての自民党パンフレットをそのまま載せているらしい無宗ださんのブログの記事「日教組に日本はまかせられない」を見ていて思ったのだが。

 冒頭に「「日の丸」のある自民党大会」と「「日の丸」のない民主党大会」と題された写真が対照的に掲げられている。

 その、今年行われた第76回自民党大会の写真を見ると、壇上に2つの旗が掲げられている。
 1つは日の丸、もう1つは菊の御紋章だろう。

 ……自民党のマークはどうした?

 そして、何故党大会に菊の御紋章がある?

 このパンフは、「民主党大会では国旗「日の丸」が掲揚されていません。」と述べ、それは民主党の支持団体である日教組の意向によるものだとして、日教組をさかんに攻撃している。
 その内容には、私も同調できる部分は多々ある。

 ただ、その上で言うが、何故「日の丸」と「菊の御紋章」なのか。

 安倍晋三が首相だった時、私は安倍が来るという補欠選挙の応援演説を見に行ったことがある。
 その時聴衆には何故か日の丸が配られた。
 私は、以前にも記したように、そのことにひどく違和感を覚えた。
 国家的行事、例えば、皇太子ご成婚とか、天皇の即位とか、そういったことで日の丸を振ることはあるだろう。国際的なスポーツの大会で日の丸を振ることもあるだろう。
 だが、選挙の応援演説に何故日の丸なのか?

 国旗は尊重すべきものである。しかし、政党というのは、要するに同志の集まりである。国とは直接関係ない。
 自民党は長期にわたって与党だった。しかし、だからといって自民党のみがわが国を代表できるのではない。日の丸は国旗である。自民党のマークではない。
 にもかかわらず、何故党大会や選挙演説で日の丸なのか。

 民主党に日の丸を軽視する傾向があることは事実だろう。
 しかし、一方自民党は、「日の丸」を私物化していると言えるのではないか。

 菊の御紋章に至っては何をか言わんや。