以前に、江戸時代の随筆集”塵塚談”を紹介しました。
今日は、もう一つ”塵塚談”に載っている話を紹介します。
それに寄りますと、
「この20年間に女髪結いというものが出来、遊女は決まった髪結いのみに結わせている。この髪結いがあったのは何時からか知らないが、最近の江戸では、その日暮らしの女性までもが女性の髪結いに頼むようになった。 手間賃は100文だった」
と書いています。
この頃の大工の日当が550文から600文という時代ですから、かなり率のよい稼ぎだったようです。
髪結い道具 (何時の時代のものか不明です)
また「最近は、上方の悪風俗が江戸に伝染して気風が悪くなった」とも書いています。
どの時代も、近頃は・・・・とか、近頃の若者は・・・というのは、老人の数少ない娯楽の一つなのかもしれません。
このように、古い時代のつつましい生活に満足していた老人が腹立たしく思うほど、庶民の生活がかなり短期間のうちに贅沢になってきたようです。