旧愚だくさんブログ

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足尾オフ会第三章(本編)

2009年03月29日 | カメ的世界遺産・足尾

風が強いのが気になるものの、ピーカンお天気の足尾日和だった昨日。
これもひとえに、ワタクシの日頃の善行の報いでっしゃろなぁ。

集合場所の足尾歴史館に行くと、長井館長のお姿が!
何と、館長自ら歴史館の周辺のゴミ拾いをなさってた。
皆で挨拶をすると、「今日はシンポジウムにいらしてくれたんですか?」と館長。
この日は、偶然にも宇都宮大学による足尾の産業遺産シンポジウムが開かれる日だったのだ。
そして、館長から「家でお茶でもどうですか」とお誘いを受け、「ではお言葉に甘えて・・」と、一行は館長宅へ。

「家は、足尾歴史館や足尾駅博物館にボランティアで来てくれる人達の合宿所みたいなもんです」と館長が仰る通りに、家の中は個人宅とはちょっと違ったオープンな雰囲気が感じとられ、その感じ通りに、実に来客が多かった。
シンポジウムに参加される方、スタッフの方、また長井館長直伝で足尾ガイドの勉強をしているHさん(前回のオフ会でもお会いしました♪)と、ホント足尾に関わる沢山の人達が次々とやって来る。
そんな慌しい中でも、しっかりとお昼ごはんまでご馳走になってしまいながら足尾談を聞かせてもらいつつ、濃い足尾時間を過ごした。

そして、長井館長宅を辞して向かったのが陸奥宗光の別邸だった「豊潤洞(ほうじゅんどう)」。

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↑元は、明治20年に大磯に建てられた陸奥宗光の別邸。
昭和4年、宗光の次男の潤吉が古河市兵衛の養子になったことが縁で足尾に譲り受けた。
その後、鉱山で働く者達の合宿所となり、庭では園遊会や大運動会が開かれたそう。
使われなくなった後は、ろくな管理もしなかったらしく、屋敷は荒れ果て、今にも朽ち落ちようとしており、在りし日の写真とはまるで別物。
酷くなっているとは聞いていたけど、実際にこんなに酷いとは思わなかった。

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↑豊潤洞から廃校の神子内小学校に移動。
児童数が一番多い時でも100人に満たなかったくらいの小規模校らしく、校舎もグランドもプチサイズ。
門扉の音符がメッチャ可愛いね~。

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↑敷地内に建つ用務員宅から見える電灯の傘がレトロ。

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↑神子内小学校から足尾駅へ。
上2枚の写真を見ると、時代を間違えそうになる。

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↑足尾駅に置かれた足尾歴史館所有の濃硫酸タンク車両。
古河から秋田県に払い下げになったタンク車両が、役目を終えて再び足尾に戻って来た。
古河の“ヤマイチ”マークを付けたまま秋田を走っていたのだねぇ・・。

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↑足尾駅から向かった次なる地は、本日オフ会メインの有越鉄索塔!

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↑急勾配&道なき道を登って行くと・・・・・山の中に突如として姿を現した巨大なコンクリ・オブジェ。
これは、2本ある鉄索塔のうち、背の高い方の第二鉄索塔。

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↑うっわぁぁぁぁぁ~っ!何て高いんだぁ!

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↑この穴から中に入れるようになっており、中は空洞。
先ほど長井館長宅でお会いした人の話だと、昔は中に鉄の梯子が掛かっていて上まで登れたそう。

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↑第二鉄索塔地点から少しだけ下山すると、第一鉄索塔発見。
第二よりは随分と背が低いおチビさん。

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↑第一鉄索塔内部。

昨日の記事にも書いたけど、鉄索とは、昔の鉱山に良く見られる輸送用ロープウェーのことで、その鉄索を支える支柱が鉄索塔。
昭和14年に建てられたこの有越鉄索塔は、経済産業省が定めた「近代化産業遺産 認定遺産リスト」に載っているくらいに貴重な産業遺産なのだ。
見る人によっちゃ無骨なコンクリ塊でしかないだろうけどね。(笑)

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↑山肌には、このような鉄管が走り、所々に石垣が積まれている。

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↑こんな急斜面を転げ落ちるようにして下山すると・・・・・
↓あ~ら!出たのは選鉱所の真裏!奇遇だな~♪ 確信犯だろーが

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↑山を下りたら、この光景!もしかして呼んでた? 
折角なので失礼しま~す♪  ヾ(ーー )オイオイ・・

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↑選鉱所の最上部施設、ずっと見たかったんだよね~。
ではでは、入り口から失礼します・・っと。

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↑これは、山から掘り出されたばかりの鉱石(粗鉱)を乗せるベルトコンベア。

選鉱とは、坑内から掘り出された粗鉱から余分な物を取り除いて製錬所で処理可能な精鉱に仕上げることで、その行程を担うのが選鉱所。

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↑選鉱所内で稼動する機械の計器パネル。
ベルトコンベアやクラッシャー(鉱石粉砕機)などが全て此処で操作されていたらしい。

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↑ん?何これ?防護面?
ラピュタ帝国からロボットが落ちて来たかと思ったよ。

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↑下を見ると、こんなにたか~い!
そして、足元を支えるのはボロボロの床板・・・・コ、コワッ。
踏み抜いたら、勿論まっ逆さま・・・そして、落ちた先にはどんな機械があるのか分からない・・・・キョーフ。

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↑鉱石の搬出口。

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↑むき出しになった外便所。
便器三兄弟。

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↑イイ感じの曲線を描く輸送路。

以上、鉄索塔に魅了され、選鉱所のおまけまで付いた散策は此処で終了。
背後にそびえる山を見やりながら
「次は、もっと奥まで登ろう!」
と闘志を燃やす一行なのであった。
(栃さん、1192さん、お世話になりました。)

そして、長井館長に挨拶すべく、シンポジウムにちょこっと顔を出し、その後に解散。

いやぁ、今回も素晴らしき足尾探索だった。
それと今回は、長井館長を介して何人かの足尾フリーク(足尾オタク?)な人達との出会いがあり、不肖カメも微・微・微・微力ながら足尾歴史館の手伝いをすることに・・・。
2005年から足尾詣でを始めて5年目でこの深入りだ。
この勢いだと、足尾に転居して、この寺に通勤する日も近いんじゃなかろうか・・・そんな自分がコワイ。


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9 コメント

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こんばんは ()
2009-03-29 22:29:55
こんばんは
いや~流石、愚だくさんブログですね。一日が完璧に詰まっていますね。次回は是非、さらに上まで登りましょうね。
来週は、地元の桜撮影、さらに次の週ぐらいには、足尾の桜と、カメさんの邸宅の桜撮影に行きたいと思います。桜満開に近づいたらご連絡ください。
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No31かめさん (1192)
2009-03-29 23:23:24
No31かめさん
毎回、足尾散策レポート素晴らしいですねー
嫁さんに「昨日こうだったんだよ・・・」と見せたくなりますが、絶対に見せられません!!
 
私はネーあの別邸が超気に入りました。
建屋は、しょうがないとしてあの敷地のレイアウトがとても気に入りました。
あそこ売ってくれないかなー格安で
廃墟になってる建屋を撤去してその場所に大谷石をふんだんに使ってフランクロイド・ライト風パクリ別荘を建てたい
これぞTHE栃木ダー・・・なんてネ

選鉱所よかったでしょ
本山製錬所だったらもっとよかったんだけど マーしょうがないですねー
「いつも思う もう一年 早ければ」
全体の文字数は、合ってるんだけど・・?

さて  長井館長宅(別名合宿所)に集う人達もっと会ってみたいですねー
オタッキーな方多そう
わざわざ足尾に転居して来た人もいるとか たぶんNo3の人かなー No30とは格が違う・・・!!

では、次回また足尾でお会いしましょう・・・
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栃さん、足尾駅前の桜と当寺の枝垂桜はちょうど同... (カメ)
2009-03-30 10:32:25
栃さん、足尾駅前の桜と当寺の枝垂桜はちょうど同じくらいの感じですね。
お彼岸前から暖かい日が続いて、つぼみが急成長し、このまま一気に開花か・・なんて思ったりもしましたけど、その後の寒の戻りで膨らんだつぼみはそのまま、大方の予想通り「例年よりちょっと早い」開花となりそうです。
見頃近くになったらお伝えしますね~。
それと、相変わらず黒い動物がデ~ンと構えておりますが(笑)気にせずスルーして下さい。

次回の登山に向けて、ジムのコーチにお願いして特別メニューを組んでもらおうかな~。
栃さんの健脚と身の軽さが羨ましいっす。
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1192さん、これを見せてしまったらスーツ姿で家を... (カメ)
2009-03-30 10:42:30
1192さん、これを見せてしまったらスーツ姿で家を出た意味が・・・。(笑)

豊潤洞、そんなに気に入りましたか~。
ワタクシは「此処まで荒れちゃってたかぁ」の感想ばかりで特別な何かは感じませんでした。きっと、1192さんと豊潤洞は惹かれ合うものがあるのでしょうね。物(特に石、宝石)には心があり、人と物とがバシッと通じ合うことがあるのだと良く聞きます・・・一目惚れして惚れこんで買った宝石がその人の運気を上げるとか。
1192さんにとっての豊潤洞は、ワタクシの小滝地区と同じようなものなのかな~。
こう言うことがあるから、益々足尾にハマってしまうのですよね。

「何時も思う もう一年 早ければ」
・・・上手いっ!
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追伸 (カメ)
2009-03-30 10:44:06
追伸

No3の人は、わざわざ足尾に転居?

・・・ス、スゴイ!深すぎるっ!
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アラッ ウラヤマシイ (テンジン)
2009-03-31 07:12:24
アラッ ウラヤマシイ
両親の結婚60年祝いの会とバッチリあたっちゃって行けなくなり残念
当日は四川料理を暖かい紹興酒で流し込んでおりました
父が来月に中国へ行くため前日に買ったD60 なかなか軽くて高性能
次回の山攻めに同行する頼もしい装備となりそうです
心臓の調子を治さねば・・・
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テンジンさん (1192)
2009-03-31 08:58:08
テンジンさん
次回は、よろしくお願い致します。
やはり山を知ってる方といっしょでないと山頂までは、行けそうにないです。

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テンジンさん、おひさです。 (カメ)
2009-03-31 10:26:49
テンジンさん、おひさです。

有越鉄索塔見たさにインターネットで得た情報を持って山に入ってみたものの、人の道と獣道、高くそびえる檜に惑わされては方向が不確かになる、を何度か繰り返しました。
トレッキングに慣れた人の話では備前楯山は見た目と違って手強い山だと言うことですので、これから更に奥地に入るとなれば、これはもう「先達」の存在は絶対必要です。
是非是非、次回はよろしくお願いします。

ちなみに、鉄索塔を過ぎると山の神様を祀った祠と鳥居(小さい)があり、鉄索第一ステーション~第四ステーションがあり、第二ステーションからはあの簀子橋堆積場が見えます。そして、鉄索塔やステーションの管理を主な仕事にしていた人達の集落「猿沢集落跡」があります。この猿沢集落は、足尾関連の本には載っておらず、何と長井館長宅で初めて教えてもらった幻の集落(笑)なのです。

ね、ね、こんな話を聞いてしまうと「ずぇったいに行くぞ~!」と力漲るでしょ。
次回は、有越山~備前楯山を探索しませう♪
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1192さん、 (カメ)
2009-03-31 10:28:59
1192さん、
人の道よりも獣道の方が立派なのが、足尾の山の特徴だ・・・とガイドにありました。

自分達が歩いたのは獣道だったのでしょうかね?
・・・・・。
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