旧愚だくさんブログ

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散華

2009年04月10日 | 仏教・仏像

入学式二連チャンで、今日は地元小学校。

同じ義務教育中でも、中学校と小学校じゃ随分と違うね。
中学校は厳粛な式典って雰囲気だったけど、今日のは「新1年生歓迎会」のノリで明るいったらありゃしない。
小学生は、君が代斉唱も校歌斉唱も高らかな声で元気いっぱい!

やっぱ、子供が無邪気でカワイイのは小学生までだな~。

そんな子供達の姿と重なるようにして校庭の桜が目に入った。
満開を過ぎようとしている桜がハラハラと絶え間なく花びらを散らしており、風に乗った花びらは、まるで雪のように屋根に落ち、地面に落ちて行く。

式典中申し訳なかったが、そんな光景を目にしながら散華(さんげ)に思いを巡らせた。

散華とは、御仏が来迎した時に、それを歓び讃えるために天部の神々や衆生が華を降らせた・・・と言う故事に倣った言葉。
つまり、華を散らしむ供養のことで、華の芳香によって悪い鬼神などを退却させて道場を清めて御仏を迎える、との意味合いも含むらしい。
寺院で法要を厳修する時に、御仏を供養するために花(紙で出来た蓮の花びらの形をしたもの。これも散華と言う)を撒き散らし、当寺では大施餓鬼会の時に行う。

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↑東大寺「聖武天皇1250年御遠忌」法要で撒かれた散華。

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↑上写真の散華が、僧侶たちによって撒かれて東大寺大仏殿を舞う。
こうして見ると、ホント桜だね・・・しかも幻想的ですらある。

パッと咲いてパッと散る桜は、武士道に根付く日本人の精神の象徴。
桜は自衛隊や警察の紋章に使われ(これが菊だと激ヤバ!)、戦時中に特攻隊が戦死するのを(玉砕と同じく)散華と言った。

インドで生まれた散華の故事が、こうして日本の桜につながったわけだけど、果たしてインドには桜のようにハラハラと花びらを散らす木があるのだろうか?
例えあったとしても、桜には及ばないと思う。

そんなことから、釈迦が最初に説法をした時から、仏教は最後に日本に到達すべきものであった気がしてならないなぁ・・・な~んて考えてた。

・・ら、入学式は終ろうとしていた。