民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

民間病院を行政が支援できないのか

2017-01-20 11:26:46 | 政治

 今日の新聞に、福島県広野町の高野病院は原発事故以後も、高野英男院長の強い意志により、地域医療の中核を担ってきたという。ところが、火災により院長が死亡するという事故にみまわれてしまいました。考えてみれば亡くなられた院長は81歳といいますから、火災という不慮の事故がなかったとしても、病院の存続は難しい局面にあったともいえます。その高野医院が県に譲渡を提案したとあります。

病院を運営する医療法人「養高会」の高野己保理事長が18日、朝日新聞の取材に、3月末にも養高会を解散し、福島県に病院の無償提供を申し出る意向を明らかにした。
 高野氏によると、東京電力福島第一原発事故により医療提供の厳しさが増すなか、高野院長の死亡前から、県に常勤医の派遣などを要請してきたが、「一民間病院だけを優遇できない」と断られてきたという。高野氏は「民間を理由に支援ができないなら、法人を解散して、県に引き渡し、患者や病院のスタッフを守りたい」と話した。

 医療法人を解散して県に寄付するというのは、苦渋の選択だろう。原発事故後という困難な状況で頑張ってきた病院を、民間企業だからという理由で行政が支援できないのだろうか。そういうなら、一民間企業の東京電力に多額の公金をつぎこみ、そればかりか原発反対の人々からも廃炉費用をむしりとる行為は許されてよいのだろうか。民間企業でだめだというなら、東京電力も国営化したうえで税金をつぎ込むのが筋ではないだろうか。小さなものは踏みつぶし、大きな悪は保護するのは、昔から変わらない為政者のふるまいです。こんな理不尽を許していいのでしょうか。