民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

規制緩和とは

2016-04-06 21:04:20 | 政治

 私はこれまで、規制緩和とは杓子定規な行政のきまりを改め、より庶民の現実に近い形にして、経済活動を盛んにするものと思ってきました。ところが、最近の施策を見る限る定義が間違っているのです。

 というのは、最近では保育所の入所待ちの人が多すぎると批判を受けた政府が、保育士者一人当たりみる子供の数を増やしました。また、外国人旅行客が激増しているからという理由で、土地面積当たりの宿泊施設の収容人数面積を増やしました。これらの基準は多分、安全面などから定められたものでしょうが、原則を変えずに、つまり見直さずに表面的な数だけ増やしているのです。それだけ現場の負担を強いるのか利用者に安全面のリスクを押し付けるかのどちらかでしかありません。同じことが、福島原発のメルトダウンの時もありました。作業を進めるために、一人当たりの一日の被爆線量の合計の値を引き上げたことがありました。これって、それまで健康へのリスクを配慮してやってきたのに、いきなり腰だめで被爆線量を引き上げたのですから、ご都合主義だといわれざるをえないでしょう。これでは、規制緩和、そもそもの規制の基準値とは何かと問われます。