ヤスジロウのdiary ♪

未だみぬ過去を探し求めたい

小白水谷 2021

2021-10-11 | 山登り

21・10・9 Sat 

K市さん達の白山東面沢登りの計画のメンバーにいれてもらって小白水谷
へ行ってきました。メンバーはK市さん、Ⅰ垣さん、浅ちゃん、S田さん、
H田君、僕の六名です。平瀬の登山口から小白水谷へと出発(7:24)。

 

 

 

 

僕の中の感覚だと沢登りも十月になると水も空気も冷たくてブルブル震え
ながら過ごすイメージが強かったのだけど、今回の山行は十月の沢登りと
は思えないくらいに暖かなのでとても快適です。
それに小白水谷の遡行内容は大滝の高捲きが三つある他は特に難しい箇所
もないので遡行中も気楽に過ごせて僕好みの心地よさです。そんな一つ目
の滝を前に休憩(9:40)。ここは左岸から高捲いて越えてゆきます。

 

 

 

 



二つ目の大滝は見応えのある美瀑をもっています。そんな大滝の裏側
へと回り込んだりするそんな仲間たちの姿を眺めながら休憩♪

 

 

 

 



滝を満喫したら右岸から高捲いてゆきます。意外と高度感のあるルートを
浅ちゃんがトップで拓いてくれました。

 

 

 

おおっここが白水の源泉の一部ですな!ここから上流では沢床の色が
普通の色味になりました。

 

 

 

 

最後の滝場を目指して遡ってゆきます。

 

 

 

 

最後の滝場は二つの滝をまとめて右岸から高捲きました。なかなかの
高捲きラインですがS田さんがナイスなルートで拓いてくれたので易し
く沢床に降り立つことができました

 

 

 

 

さて、本日の核心部を終えたあとは今夜の幕営の場所を探しながら進み
ます。途中にとても良い場所があったのでその場に決定!早速、各自が
自主的に役割分担をして準備にとりかかります(14:10)。

今夜はゴロ寝になるのでタープを二枚張って寝床を確保。そうしている
間に集まった薪を組んで火を熾してお湯を沸かしてお茶を愉しんだりし
ながら夕飯の支度へととりかかります。

 

 

 

 

今夜の夕飯は食当をしてくれたⅠ垣さん特製のキーマカレーです。浅ち
ゃんH田くんはせっせと玉ねぎを摺り下ろすお手伝いをそこに炒めた
挽肉とルーを加えて煮込んで完成…だったかな 各自が持参した主食
にこれを取り分けて頂きます。僕の場合はうどん玉の上にかけてもらっ
てカレーうどんにして頂きました。

今シーズン幾度と山の中で夕飯を食べる機会がありましたが、今回のキ
ーマカレーがこれまでで一番美味しかったです 十年前と比べてみて
もこうした共同作業や一つ窯の飯を食べることが年々少なくなってゆく
ことに寂しさを感じている僕にとって久しぶりに居心地のよさを満喫す
ることができました。小白水谷に帳が落ちて夜が更ける前の21:30に就寝。

 

 

 

                        

 

 

 

21・10・10 Sun 



五時過ぎに起床して朝飯の準備にとりかかります。今朝のメニューは
昨夜の鍋にカレーがくっついたままスープに溶け込んで山の風味を醸
し出している棒ラーメンです。
こうして山の中で食べると何故だか美味しく感じるのは何のせい?

 

 

 

 

朝食を済ませたあとは源流の二俣まで登ってそこから左俣の方へK市さん
が希望する写真撮影を覗きに途中までついてゆくことにしました。

 

 

 



ハング滝の左端をⅠ垣さんが突破した後にそこから固定ロープを垂らし
てもらい僕たちはゴボウで越えてゆきます。先に左俣へと撮影に出かけ
ていったK市さんの帰りを支尾根の上で待ちながら、白山の景色を眺め
て過ごしました。


 

 

 

K市さんに再び合流して伏流水が噴出している二俣出合で休憩。ここの
天然水はウマイです!今度は右俣を遡ってお花松原を目指してゆきます。

 

 

 

青空の下に映える涸れ沢と源頭の山並みの景色がとても長閑に感じるし、
それがなんとも心地よいです♪

 

 

 

 

そろそろ小白水谷の遡行も終了ですね。もしよければ錦秋のお花松原をあ
じわいながら休憩でもどうでしょうか(10:50)。

 

 

 

 

沢筋を詰めて登山道と合流した後は大汝峰分岐を目指して急登を詰め上が
ります

 

 

 

 

ようやく辿り着いた鞍部からお池巡りを経て室堂(12:58)にて休憩。
今年は白山系の嶺々をたくさん歩いた年になったものだなと、今日で
小屋閉めらしき室堂での賑わいを眺めながら思い返しました。

 

 

 

下山は平瀬道から大白川ダムの登山口へ(15:50)。途中で懐かしいK森
先輩に会ってあの頃の大好きだった山岳会の雰囲気を思い出しました、
その頃の情熱は今の僕にはもうありません。いつかまた、お元気で。

今回もK市さん、他メンバーにめぐまれたおかげで無事に山行を愉しむこ
とができました。ありがとうございました。それにしても久しぶりに下る
平瀬道はとても疲れました、麓の温泉に着くまでに車内で寝落ちしてしま
うほどに 


剱岳 2021 ~赤谷山から北方稜線~

2021-10-05 | 山登り

21・10・2 Sat  

天候が良さそうな連休にⅠ垣さんお勧めの紅葉の北方稜線を歩いてみる
ことにしました。
馬場島(6:10)からブナクラ谷を経て赤谷山を目指しますが、なぜだかブ
ナクラ谷出合を通り越して池ノ谷へと続く小径をしばらく登った途中でミ
スに気付いて引き返し、、、

 

 

 

 

気をとりなおしてブナクラ谷添いに登山道を登ってゆきます。北方稜線上には
水場が無いので今日と明日の二日分の水を水場で汲むつもりでしたが、そこで
も最終水場を通り過ぎてから気が付き、再び水場まで引き返し、、、

初っ端からそんなポカミスが続くと今までの自分ならそんな自分のことで思い
やられるところですが、今回は不思議と焦りのようなものはわいてきません。
水場で四㍑を補給した後、ようやく合掌をした姿のお地蔵さまが佇むブナクラ
峠(11:37)に到着。

 

 

 

 


峠から赤谷山山頂までの標高差は500mほどありますがロケーションが
良いので気持ち良く登ってゆけます。とはいっても二日分の水が入っ
た荷物の重さは体に堪えるし、午後からは好天の予報だと思っていたの
になんだか雲がとれないまま夕方になりそうだし、な感じです、、、

 

 

 

 

宝珠だか香炉だかを持っているように見えるお地蔵さまが佇む赤谷山
山頂(13:40)に着くころには視界が開け青空が広がりました。

あと二三時間くらいは歩けそうなので、遠くに見える池塘をもつ平原
の鞍部を目指してじっくりと進んでゆくことにします。

 

 

 

白萩山山頂(14:40)周辺は灌木や笹などが密集していてかなりツライ区
間です。例えるなら荒島岳のヒメマチ稜を藪漕ぎするような感じです
そんな藪に前進を阻まれている間にガスで視界が効かなくなってしまい
ました、、、あちこちと手こずりながらも何とか池塘がある平原の一角へ
辿り着くことが出来たけど、とても疲れました、、、

雲の中にでもいるような視界の悪さに加えて風もでてきたので天候が悪化
する前に早々にテントを張ろうと過ごしているうちにとうとう霰が降って
きました

今夜は霰やら風やらで寒いし濡れるしで快適な夕飯時間とはいかないよ
うです(17:40)。夕飯を済ませて寝袋の中で唸る風音をききながら明日
はよい日になるようにと願いながら眠りにつきました

 

 

 

21・10・3 Sun 

夜半には天候は快復。今朝は予報通りのスッキリした空が広がり気持ちを
新たにしてスタートすることができました(5:50)。相変わらずの濃密な
藪漕ぎと格闘しながら赤ハゲから白ハゲを抜けて大窓へと目指します。

 

 

 

 

白ハゲを抜けて下ってゆく途中で快適な斜面が広がっていました。
そこで北方稜線からの眺めを満喫しながら小休止♪

 

 

 

藪と岩稜の険しい稜線を捲くように白萩側のガレた谷筋を下って大窓(8:40)へ。
ここには錫杖と宝珠のような物を持ったお地蔵さまが佇んでいました。
「どうか無事に山行を終えられますように」そう願わずにはいられません

 

 

 

 

鞍部の大窓から池平山へとに向かって約350mを登り返してゆきます、
藪漕ぎですが踏み跡はあるのでその分だけ助かります

 

 

 

 

登って止まって眺めて、登って止まって眺めてを積み重ねな
がらやがては大いなる前進に。
それにしても、喉が渇く、、、水をがぶのみしたい、、、(妄

 

 

 

 

登り返すと眼前に・2561峰を望むピーク(10:00)に出ました。休憩の
ついでに濡れたテントや装備を解いて天日で乾かしておきました。ハー
ネスもここで装着しておくことにします。

 

 

 

 



怖そうな稜線の向こうに見えるあれが池平山ですな、、、

 

 

 

 

池平山へ登り返しの急斜面には固定ロープがあって助かります
あぁ、それにしても喉が渇いたぁ、、、

 

 

 

 

合掌をしたお地蔵さまが佇む池平山に到着(12:10)。「山頂から東へと
下って行けば山小屋や仙人池があって景色もいいだろうな…、今日もしそ
こら辺りに幕営できたら水の心配をしなくていいのだろうな…」と想って
いるのか如何か 

 

 

 

 

さて、池平山から小窓のコルまでの区間のルートがどうにも良くない。
鞍部はすぐ近くに見えてはいるけど稜線沿いに下降しようにも藪で先
が見通せません。何処からか降りられないかなと探っているうちに小窓
雪渓側へと逃げてしまいました、、、

 

 

 

 



とはいえ明日の行動用に水を確保しなければならないので小窓雪渓の
一端からの溶水が幾筋と垂れていたのでこれを集めて一人四㍑を補給
しました(15:10)。
今日は朝から水の消費を抑えながら行動していて、頭の中では水をが
ぶ飲みする妄想に苛まれ続けていたので、こうして天然水を確保でき
たこの嬉しさときたら、それはもう何ともいいがたいです

 

 

 

 

快適な台地がある小窓の鞍部に幕営しました。昨日と異なり今夜は
風もなく気温もそれほど低くもありません。
夕食はパスタを食べて、焼きそばを食べて、珈琲を何杯も飲んで、
そんなとりとめのない時間を過ごして、そして眠りました

 

 

 

21・10・4 Mon 

四時半に起床してラーメンを食べて出発(5:56)。今朝も好天です♪
小窓のコルから小窓ノ王を目指して踏跡を辿ってゆきますが、昨日
までのルートと比べれば小窓雪渓~剱岳間の踏跡は確りしています。
とはいえ、たまには踏み跡を間違えて進んだりもしました、、、

 

 

 

 



てっきり小窓ノ頭を経て小窓ノ王基部へと辿ってゆくものとばかり思って
いましたが違っていました。

 

 

 

 

踏跡はそれら稜線のピークを捲いて直接小窓ノ王へ。おかげで予定より
も随分と早く三ノ窓に到着することができました。

 

 

 

三ノ窓から池ノ谷ガリーを登り詰めると八ツ峰主稜が目前に。8月
にここを登ったⅠ垣さんがその時のことを話してくれました。

 

 

 

 

さて、ここから剱岳までは僕の苦手な岩稜ルートになります。見る分には
なんともたまらない景観なのではありますが、高所恐怖症の僕にはそれを
愉しむ余裕などありません、、、

 

 

 

 

 



長次郎ノ頭は中央ルートから捲いて通過しましたが、上部からの
ルートの方が易しそうです、、、

 

 

 

 

長次郎谷左俣のコルへは二度の懸垂で下りました。ロープの回収の
際にトラブルを発生させてしまいましたが、Ⅰ垣さんのフォローの
おかげで事無きを得ました。感謝です

 

 

 

 

左俣鞍部から快適な岩場の踏跡を辿って剱岳への最後の登りに
はいります。

 

 

 

 

剱岳山頂はもうすぐそこです。長かった北方稜線ですがスタートの
赤谷山からここまでの道程を思い返してみるとあっという間の三日
間だったなと思います。

 

 

 

 

剱岳山頂着(10:22)。Ⅰ垣さんのおかげで無事に秋の赤谷山から剱岳ま
で辿ってくることができました。普段はあまり撮ることもないのですが
今回は特別な気もしますしせっかくなので一枚撮って貰いました♪

 

 

 

 

それから大勢の登山者で賑わう山頂での十数年ぶりとなるkumiさんとの
出会いには驚きました。お元気そうでなによりです

 

 

 

山頂から早月尾根を下って早月小屋へ(13:20)。kumiさんの後輩君に挨拶
をした後、剱岳の紅葉を眺め山行を振り返りながらマッタリとお湯を沸か
して、コーヒーなんか淹れて休憩。


 

 


最後に、石碑の前(17:20)での一枚、これで北方稜線を辿る旅も終了。

こうしてⅠ垣さんが今秋の目標にしていた山行を無事に終えることがで
きました。と同時に秋らしい余韻が心に沁みる三日間でもありました。


歩いた距離 24.6㎞