ヤスジロウのdiary ♪

未だみぬ過去を探し求めたい

剱岳 早月尾根 2021

2021-11-29 | 山登り

21・11・27 Sat 

2004年の初冬から挑み続けてきた何度目かの早月尾根の山行が今年もや
ってきました。
年を追う毎に登山に対する自分の気持ちが濁ってゆくの
を誰よりも感じていれば尚のこと、早月尾根の山行が今年も日一日と近
づいてくるにつれ何処かへ逃げたくなるような心境のまま山行当日を迎
えました。

 

 

 

 

北陸東海との合同編成パーティ(7名)で2021年11月の早月尾根に挑みま
す。金沢に集合(4:00)して馬場島へ。登山の支度を済ませて先行パーテ
ィのトレースが付いた早月尾根に取り付きます(6;20)。

 

 

 

 

初日の到着地点の目標に2400mを考えながら高度を稼いでゆきます。結局
トレースを追う側の僕達は先行パーティに追いつくこともなく彼らのトレ
ースに助けられながら早月小屋に到着(14:40)。

 

 

 

 

この時間では小屋からトレースの無い尾根を辿って2400m峰へ行くのは
無理なので本日の行動を終えてここで幕営することにします。テントの
設営後、空荷になった僕達3人で2400m峰へとトレースを付けに登りにゆ
きました。2350mを越えた辺り(16:00)で薄暗くなり、そこでべースへ
と引き返し。

その夜は食当のⅠ垣さんが用意してくれた豚肉と鳥みそ味の野菜鍋と餅
を男女別の各テントで作って過ごしました。女性陣のテントは賑やかで
男性陣のテントの方は寂れたように感じたことは、ここに書くまでもな
いでしょう。
20:00に就寝

 

 

 

 

21・11・28 Sun 

起床(3:00)して朝食の棒ラーメンを食べてアタックの支度を済ませて
いる間に昨日の先行パーティが今朝も先行してゆきます。僕達もそれに
続いてテント場をスタート(5:30)

 

 

 

 

先行者に追いつくと数年前の早月尾根で一緒になった富山のW田君パーテ
ィでした。彼らの後塵を拝しつつ後ろに続いていると2400mを越えた所で
彼らがワカンからアイゼンに換装している間、僕達が先頭に出てラッセル
をしてルートを延ばしました。でも、すぐに追いつかれてしまいました

 

 

 

 

先頭のラッセルには及びませんが、トレース後を追う僕達もなかなかツ
ライ状況です。画像では判り難いですが気温ハ低ク風強シなので動いて
いる間は我慢できても立ち止まっていると体中が冷気で締め付けられて
きます

 

 

 

 

 

と、こうしている間に振り返ると昨日の先行パーティ、松本CMC(4人)
パーティが追いついてきました。ここから彼らが先行して僕たちはとう
とう3番手になってしまいました。

 

 

 

 

マイペースで先行パーティのトレースを追って標高を上げてゆきます。
早月尾根上部のラインは積雪の量や先行パーティの技量やセンス等で
ルートが決まってゆくのでそのトレースを辿るのも勉強になります。

 

 

 

冷たい風が吹きすさぶ中では小休止さえ思うようにはいきません。自分
は今そんな環境に適応しなければならないことを強いられているのだな
とか…全く冬山というのは怖いものだなとか…そんな諸々を考えながら前
進しています…

 

 

 

 

獅子頭を越えてルンゼを抜けるとネチネチした緊張から解放されます。
今回のように積雪が多めの方がそうではない時よりも快適に登降ができ
るように感じます。

 

 

 

 

鎖場を抜けて別山尾根との分岐に出たところにちょっとした小場があって、
そこだけは風が無く陽射しが和らぐ別天地でした。そこは初冬の剱岳登頂
への憧れの気持ちが溢れたりとか、何か特別な眺望が目の前に広がってい
るようにも感じるポイントです。

 

 

 



特異な雪庇が張り出した山頂に到着(10:01)。祠は既に積雪の中に。
昨日まで続いた悪天でこの様に変わった剱岳山頂の景色に立てたこと
に感謝です。そんな山頂ですが長居するには至らず早々に下山を開始。
今にして思うと何だかもったいない気分です

 

 

 

 

山頂から登りと同じルートを下って先ほどの別山尾根との分岐のちょっと
した小場でもう一度頂稜からの景色を満喫しながら小休止。そうして充足
したところで下山に気持ちを切り変えて再び核心部に向かって下降してゆ
きます。

 

 

 

下山をしながら振り返り振り返り見る景色が素晴らし過ぎて、ついつい
立ち止まって写真など

陽が高くなってくると強烈な青空が広がってこのような景色が顕れていま
した。高揚するとつい何度何度もシャッターを押してしまいます、それが
また楽しい♪

 

振り返るたびに少しつつ変化している、そんな風景さえも名残惜しくて
ついつい



2400mを越えて下ってしまうとこの景色ともお別れか、と思うとまたまた
シャッターに手が伸びてしまいます。一方であんなに遠く感じていたテン
ト場が目の前に近づいてくると緊張感の方もどんどんと抜けてゆくのが自
分でも分かります。

 

 

 

早月小屋(13:00)に着いてテントを撤収して馬場島へと下山開始(13:45)。
夕陽に染まる北方稜線に思いを馳せつつ、第二の核心部のような早月小屋
からの下山を終えてヨロヨロになって馬場島に到着(17:32)。

2004年の11月に早月尾根での敗退して以来、今日まで続いてきた何度目か
の早月尾根の山行を今年もこうして実現することができました。
今回の積雪条件下でも登頂ができたのは先行パーティのおかげでもあると
同時に、そんな運を自分達に与えてくれた全てに感謝です。18年目の来シ
ーズンもまた心を新たに挑めたらいいなと思っています。皆さん、お疲れ
さまでした。