football smile

the days turn into months and years

奢らず威張らず

2013-09-29 | reds

東京五輪開催に向けて、来年から工事に着手する国立競技場で、J1第25節FC東京vs浦和レッズを観戦しました。終了間際に勝ち越されて3-2の敗戦でしたが、この試合で浦和の山田暢久が、久しぶりに先発フル出場を果たしました。

「このチャンスをモノにしないといけない」
「経験はほとんど関係ないですね」

かつて浦和がJリーグを制した時のキャプテンでありながら、こういうコメントを発するあたりが、いかにも暢久らしいなあと思います。浦和一筋20年。38歳になったベテランは、今シーズンなかなか試合出場の機会を得られずにいました。満を持して臨んだこの試合、チームとしては今一つでしたが、暢久自身は相手のエース渡邉千真をキッチリ抑えて、非常に良い働きを見せていました。若手選手や移籍選手に加えて、生え抜きのベテラン選手も健在である。改めて、浦和の選手層の厚さを見せつけることはできたと思います。

自分の価値をこれでもかと主張する選手が増える一方で、暢久のような存在は、とても貴重なものに感じます。特にクラブや監督にとっては、有難い選手だろうなあと思います。言葉は悪いけど、いろいろな意味で使いやすい。だからこそ、こうして浦和で20年間も活躍できたのでしょう。自分自身とても共感するところがあります。やはりこういう人間性は大切なのだと、改めて暢久の偉大さを垣間見る思いでした。まあ、それに気づくまで20年かかりましたけどね(笑)。

人間いくつになっても奢らず威張らず謙虚でありたい。周囲からタリーさん(いつもかったるそうだから)と呼ばれ、みんなから愛される暢久は、そうとう幸せな選手であることに間違いないでしょう。でもそれは、彼自身が掴み取った成果です。ステップアップのために移籍を繰り返し、それこそが選手にとっての成長である。たまにはそんな風潮から目を逸らし、生涯一クラブという価値観を見直してみるのも必要ではないでしょうか。一つのクラブに留まり結果を出し続けるというのも、プロとして立派な生き方であると思います。

コメント
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