football smile

the days turn into months and years

時間

2005-02-20 | football
サッカーというのは、「与えられた時間内にどれだけ得点できるか」を競うゲームです。Jリーグの試合では90分間、設計事務所リーグの試合では70分間が与えられます。各チームに平等に与えられるその時間をどのように使うのかは選手次第。当然そこには、攻める時間があれば守る時間もあります。よく言われることですが、強いチームやうまい選手は、時間の使い方が上手です。常に全力でプレーをし続けることは不可能なわけで、緩急の判断や、ここぞという時の集中力の差が勝敗を分けたりします。

「スーパーサブ」という言葉は、みなさんよくご存知だと思います。残り数分までベンチに温存されていて、最後に決定的な仕事をするためにピッチに送り込まれる選手のことです。チームが不利な状況で登場することが多く、得てしてその仕事は点を取ることです。したがってそれはストライカーに対して使われることが多いようです。例えば浦和レッズでは、岡野雅行ということになります。

これに対して「クローサー」という言葉があります。最近はあまり聞かれないかもしれませんが、要はチームに落ち着きをもたらして、無事何事もなくゲームを終わらせる選手のことです。チームが有利な状況で登場することが多く、得てしてその仕事は守備ということになります。非常に地味な仕事をこなすボランチに対して使われることが多いようです。例えば浦和レッズでは、酒井友之や内館秀樹ということになります。

「スーパーサブ」や「クローサー」が登場する時、そのゲームはまさに佳境をむかえているわけで、観客は大いに盛り上がります。残り時間は10分か5分か、あるいは2分かもしれません。これまでのゲーム運びを悔やんでいる暇などあるわけがなく、「なんとか1点取ってくれ!」だったり「どうか守り切ってくれ!」だったり、ただひたすら祈るのみ。ある意味そういう状況になったゲームというのは、緊迫した良いゲームと言えるかもしれません。先制点を取って、追加点を奪って、駄目押し点まで決めてしまう、計画通りに進んだ試合というのは、それはそれで良いものだけれど、ハラハラドキドキしないのもねえ、ちょっと物足りないのも確かです。

緊迫したゲームを見ている時、「時間を使いこなすのは本当に難しいなあ」と思います。そしてサッカーの試合以外では、なるべくそういう状況にならないようにしなければと思います。日常生活には往々にして「スーパーサブ」も「クローサー」も登場しないからです。
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