クラウス・テンシュテット(Klaus Tennsstedt/1926~1998)は「ロンドン・フィル」の首席指揮者時代の1983年9月、ブラームスの「交響曲第1番」を初レコーディングした。(写真=国内盤初出LP東芝EMI-EAC60220)このLPは当時(1984年)初回プレス10,000枚限定で発売されたものである。この後ロンドン・フィルと順次全曲録音の予定があったが残念ながら実現しなかったためこれがスタジオ録音としては唯一のものとなった。
この重厚でズッシリとした演奏は同EMI録音の「ミュンシュ&パリ管」盤を彷彿させる。 筆者は彼がこの録音の2年前(1981年)の「エディンバラ国際音楽祭」(アッシャー・ホール)でのロンドン・フィルとの「第1番」のライヴ・テープ(FMエア・チェック)も愛聴しているがこちらもライヴならでは凄みに圧倒させられる。 再生するたびに全集録音がないことが惜しまれる。