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"MEMORIES"のレア音源によるミュンシュ/「ベートーヴェン交響曲全集」

2011-06-22 14:21:18 | 交響曲

 先頃、”MEMORIES”レーベルからシャルル・ミュンシュの「レア音源」による「ベートーヴェン交響曲全集」(写真-5CDセット/MR2165-2169/モノラル)が発売された。筆者も興味津々で早速買い求め全曲を聴いてみた。全般的に音質について言えば全く難点がないとは言いがたいが筆者には想像以上に鑑賞に耐えうるものだった。音源が1947年から1961年の広範囲なため録音状態のムラは致し方あるまい。全集の音源はミュンシュの「ボストン交響楽団」時代のものが中心だが「第1番」は1950年12月のスタジオ録音、また「第8番」は唯一オーケストラが異なり1947年9月の「パリ音楽院管弦楽団」とのスタジオ録音とありこれはおそらく「SP音源」から起こしたものと思われる。この他は全て「ボストン響」とのライヴ音源であるが何故か「第6番<田園>(1956年12月録音)」のみ演奏終了後の拍手がカットされている。また「第9番」は1958年8月の「タングルウッド音楽祭」におけるライヴ音源で因みにミュンシュは1951年から60年まで「タングルウッド・バークシャー音楽センタ」ーの音楽監督も務めていた。
 全てを聴き終えミュンシュの巧さを特に感じた演奏は「第1番~第4番」と「第6番」であった。これらの演奏は速めのテンポで押し進めていくミュンシュの棒の切れの良さが印象的だった。また「ミュンシュ・ファン」や「ライヴ音源ファン」にとっても興味はつきないだろうが同時に資料的価値もある「全集盤」ではないだろうか。