ズービン・メータ、この4月に「東日本大震災チャリティー・コンサート」としてベートーヴェンの「第9」を振るため急遽来日しその演奏は多くの音楽ファンに深い感動をもたらしたことは記憶に新しいところである。今日は彼のブルックナー交響曲録音について少しふれてみたい。
メータは弱冠26歳の若さで1962年に「ロサンジェルス・フィルハーモニック」の音楽監督に就任、1978までその大役を務めた。筆者は特にこの間に彼が「英デッカ」に録音した数々のレコードを現在も愛聴している。その一連の録音で「ロス・フィル」とのブルックナーの交響曲録音は確か「第4番」(1970年録音)と「第8」(1974年録音)が思い浮かぶ。筆者は写真(上)の「第4番<ロマンティック>」のLP(国内盤SLA1034)を大変気に入っている。現在は何故か「廃盤」なのが残念だがこの時代のメータの演奏は実に素晴らしい。これほどに美しく透明感のある「ロス・フィル」の響きも魅力的である。また彼は1972年11月に「ロス・フィル」と2度目の来日公演でもこの「第4番」をプログラムにとりあげており会場の聴衆を興奮させた。筆者もその興奮した聴衆のひとりだったが・・・
(1972年メータ/ロス・フィル来日公演プログラム)