教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

日英の私立学校の経営の比較研究

2010-11-23 09:26:44 | 
日本と英国の私立学校
上田 学
玉川大学出版部


☆2002年に、小泉構造改革内閣のときに誕生した「構造改革特区」によって、会社立学校が設立されたが、

☆その学校と公立学校、私立学校の経営的基盤やその制度を研究するところから上田氏のリサーチは、

☆本格的に始まったようだ。

☆特に日本の私立学校は、もともと英国の私立学校をモデルにしているから、

☆私立学校の経営の制度や方法の比較を英国に求めたあたりは、

☆たいへんおもしろい。

☆ただ、基礎的な制度知識の整理以上には、

☆研究の性格上、展開されてはいない。

☆細かい制度上の違いは理解できるが、

☆制度は詳細にわたってルール決めができているわけではないから、

☆実は私立学校の経営組織の運営上の動きは、結果的に違いがない。

☆しかし、社会学的には、私立学校の置かれている状況は英国とはかなり違う。

☆というのは、英国の場合、公立であろうと私立であろうと、

☆近代市民社会という公共圏の恒常的な存在のために機能しているが、

☆日本は私立学校以外は、日本という近代官僚国家の一員を教育する機能を果たし、

☆それに対し、日本が本当の意味で成熟した近代市民社会を形成するときまで、

☆その芽を摘まないように教育の正当性を保守している機能を果たしているのが

☆私立学校であることを、見落としている。

☆しかし、私立学校の研究を学者が尽力しているというのは希有であり、

☆後継者がぞくぞく生まれることを期待したい。

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