教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

身近な商品値上げラッシュの意味するコト

2007-12-03 07:58:00 | 文化・芸術
読売新聞(12月1日14時34分配信)によると、

食パンやお菓子、ガソリンなど暮らしに身近な商品の値上げが1日から始まった。今後もタクシー料金や即席めん、ビールなど値上げラッシュが続く。出費がかさむ年末年始の家計にとって痛手となりそうだ。・・・石油元売り最大手の新日本石油は1日から灯油やガソリンの卸価格を前月より6・7円(1リットルあたり)引き上げた。ガソリンの平均店頭価格は150円から155円程度まで上昇するとみられる。

★あらゆる日用品が値上げ、当然賃金もあがる。国内での淘汰が大きく展開するだろう。産業資本、金融資本、人材資本、社会資本の再調整が大きく動くということを意味する。

★化石燃料の高騰が影響しているが、原油生産国はある意味金融資本だけで経済を支えているため、貧富の差は大きくなる。それでもよいとする傾向が、結局先進諸国には回りめぐってお金が回ってくるオイル・トライアングルの再生産の時期を迎えることにつながっているのだ。

★たとえば、韓国などは産業技術の質が評価され、結果的に「原油高で中東が得る利益の多くは、新しい製油所、石油化学プラント、幹線道路、海水淡水化プラントなど、韓国企業が得意とする分野の建設に向けられている。」(ビジネス・ウィーク2007年12月3日月曜日

★するとアメリカの投資家が韓国を「買い」と判断する。韓国の株式市場は膨れ上がる。アメリカの経済も復活するという、原油高はオイル・トライアングルで先進諸国に回収される。

★ダボス会議でどんなに「世界の貧困」を討議しても、まだまだ化石燃料の行方が、先進諸国に利益をもたらす。先進諸国は、4つの資本(産業資本、金融資本、人材資本、社会資本)のバランスがよいから格差はあっても相対的にみれば、なんとか体を成している。だからオイル・トライアングルに本格的にメスをいれることはない。

★数々の国際会議で、環境問題やCO2問題をクローズアップするのも、まだまだオイル・トライアングルの保守のための国際政治、バランス・オブ・パワーの手のひらの上の場合がほとんどだろう。

★4つの資本はそれぞれ質の向上をめざしている。その中で、人材資本はクリエイティブ資本に、社会資本は→社会関係(コミュニケーション)資本にシフトしている。資本主義というのはいつも矛盾をはらんでいる。矛盾の行方は悪のスパイラルを生むばかりではない。この新しい2つのC資本は善のスパイラルを生む可能性がある。すでにクリエイティブ資本は金融資本に影響を与え、貧困層を顧客にシフトするマイクロファイナンスのような技術も生まれている。

★コミュニケーション資本は、ユビキタスという産業資本と金融資本、クリエイティブ資本を勢いづけるフラット化を促進している。

★2008年は、4つの資本の本格的な体質改善の時代を迎える。もっとも善のスパイラルは痛みも伴う。あれっ、これは誰かのセリフだったかな・・・。