教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

上杉賢士プロジェクト⑤

2005-08-21 21:49:11 | 学習プログラム
プロジェクト・ベース学習とキャリア教育(2)

上杉氏によると
キャリア教育は、「トラッキングの罠」に陥る可能性
があると。

トラッキングとは

「学生生徒の適性や学力、あるいは進路などによって
生徒(学生)集団を同質的に編成すること、またその
しくみをいう」

ということのようだ。

上杉氏が言うキャリア教育は、
就職教育ではなく、

自分の生涯を設計するための
「基礎としての自己の適性理解や
自信の獲得から始まる教育活動の総体」
である。

もしキャリア教育を就職教育とすると
自らの適性を考えずに、他者から与えられた
評価で進路コース=トラッキングが振り分けられ
自己決定に拠らない選択をさせられ、つまり
被選択という選択行為を負わせられるという
ことになるだろうというコンテクストだと思う。

ここは難しい。あたかも自分で選択したかのような
環境整備型の権力が働いているという場合を
むしろ上杉氏は心配しているのだと思う。

権力の働き方が直截的な規律型抑圧型ではなく
コーチングのように環境設定型の場合もあるからだ。
コーチングはあたかも自主的に選択しているかの
ような幻想を生み出す装置としては最適なのだ。

ここの目利きは実に難しい。

直截的な抑圧型権力は戦いようがあるのだが、
環境設定型は操作性が読みとりにくい。
この隠れた操作性を読み解く能力や技術を
本当の意味で「読解リテラシー」と言う。

でなければ現実の社会でサバイバルできない
のだから。

ホリエモンは社会映像を投射する②

2005-08-21 09:03:14 | グローバリゼーション
堀江社長が選挙に出馬する。

これについて、批判する
政治家がいる。

○企業悪者論 お金を儲ける社長が政治などできるはずない。
○国会議員地元論 地方について全く知らないのにできないだろう。
○郵政民営化不安論 儲け主義に走り、困る人がでてくるのではないか。
○滅私奉公論 社長兼任では政治は片手間ではないか。
       立法府とは何かわかっていない。
○アメリカ陰謀説 敵対的買収時と同じでバックにアメリカがいる。
         そこが小泉首相と同じだ。

だいたい上記の点が基本的な考え方。
正しいか正しくないか、
それは神々の戦い。

ただ言えることは、ホリエモン選挙出馬を通して
古いパラダイムが、何か
新しいパラダイムが何か
が明確になる。

○企業悪者論⇔CSR論
○国会議員地元論⇔国会議員グローバル論
○郵政民営化不安論⇔郵政民営化ステイクホルダー論
○滅私奉公論⇔man for others論
○アメリカ陰謀説⇔脱戦後システム

ということのようだ。
しかしそれを堀江社長が政治家になって
やる必要はない。

キャラクターとしては9月11日までの物語で
役割は十分果たせるはずなのだが。

この物語をどう読むかは
未来を創る子どもたちにとっても
重要である。