教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

ロナルド・ドーア「働くということ」

2005-08-05 18:54:27 | 学習プログラム
ロナルド・ドーア「働くということ」

商業資本主義→産業資本主義→
ポスト産業資本主義→経営者資本主義
→株主資本主義→ファンド資本主義

この流れの中で、「働くということ」の意味も
変化してきた。

そして「働くということ」の最適化が
平和構築に役に立つ。

「働くということ」と「平和構築」が
関係ある。

ニート問題を、日本経済の低迷の原因として
スケープゴートにして嘆いているばかりではなく、
「平和構築」に役に立つ「働くということ」を
考えるきっかけ創りのほうが大事。

リチャード・フロリダの「クリエイティブ・クラス」論
にも重なる。

キャリアデザインが、社会とその社会を平和にする
意欲に結びつく。そんなことを考えながら読める本。

資本主義は加速度的に進んでいる

2005-08-05 00:49:59 | グローバリゼーション
21世紀のグローバリゼーションは
良くも悪くも
資本主義の貫徹の時代であることが
はっきりした。

1989年ベルリンの壁が崩壊したのは
このことだったのである。

●通貨バスケット
●ホリエモンの動き

ファンド資本主義の動き。
商業資本主義から産業資本主義へという
国家的なプロジェクト資本主義は、
ポスト産業資本主義にシフトし、
国家的な資本主義は衰退。代わりに
経営者資本主義、そして株主資本主義へと移行。
しかしここまでは、まだ理念があった。

通貨バスケットもホリエモンの動きもグローバルな
流れの中では、当たり前だし、まだまだ中途半端。

しかし、それが中国や日本で起きたということが
何よりもファンド資本主義が浸透していることを
示唆している。

金本位も経営者の理念も株主の特性も
関係ない世界。マズローの5段階欲求説は
もはやピラミッド構造を有しない。
すべては「かね」で買える。

2007年三角合併の解禁。もはやキャッシュレスな株式交換。
これによって日本人としてのアイデンティティは、
文化として保護されるだけであり、
リアルなアイデンティティはなくなるだろう。
アイデンティティもバーチャルになる。

私立学校のみがこれに対抗できる。
宗教というのはグローバルなアイデンティティ
を有することができ、同時にリアルなアイデンティティ
を持つことができる。

公立学校は宗教教育ができない。
よってたいへんなことになる。

宗教について語れないということは、
世界でアイデンティティを主体的に語れないということだ。
文化としての物質化された自分とはリアルに関係ない
アイデンティティを説明することが可能なだけである。
どこにも所属していない人間は世界でどのように信頼される
のだろう。

新会社法やLLP(Limited Liability Partnership)は
三角法解禁に対して、理念を保守することは可能だろうか。

企業支配やファンド支配を逆手に取りながら、新しい事業を
展開できる創造的才能者の育成。それはこの流れからいけば
私立中高一貫校しかできないだろう。

このグループは、クリエイティブ・ピープルを
クリエイティブ・クラスという連帯に持ち込むことが
可能なのである。

そしてアイデンティティがどこどこ私立学校卒という
ことになるのかもしれない。

それはともかく、フィンランドのように大企業か小さな
こまわりの利く会社かに二極化し、後者の連帯が
NPOやNGOを超える新しい動きになるだろう。
これもファンド資本主義のもう1つの面である。