みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

米住宅指標を背景に楽観強まるが… -「ユーロ/円や豪ドル/円など幅広くレンジの上限に接近」

2009-07-26 | 注目投資対象・株価の推移
「米ドルが96円前後に向けて進む可能性が高まってきた」
と先週書いた通りの展開でした。
(しつこいようですが、的中は偶々です)

原油先物も68ドルまで回復してきており、
70ドル前半の壁に迫りつつあります。
レンジ圏を想定するなら、転機は近いです。


直近1年の豪ドルの推移
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=audjpy=x&d=c&k=c3&h=on&z=m

 → 週明けから堅調で軽々と76円台に、
   中印の株式市場が堅調だった割に上値が重く、
   77円台で何度も跳ね返されました。


先週の好況は米景気の先行き楽観姿勢の強まりに支えられました。
米景気先行指数も住宅関連指標も
意外なほどに良かったのが背景となっています。
ただ、油断するのはまだ早い。


6月米景気先行指数、3カ月連続上昇(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR200907200042.html

”米大手民間調査機関のコンファレンス・ボード(CB)が20日発表した6
 月の景気先行指数は、前月比プラス0.7%と3カ月連続で上昇し、景気後
 退が終息に向かっていることを示した。
 6月の先行指数は100.9。アナリストは0.5%上昇すると予想していた。
 5月分は1.3%上昇に若干上方修正された。
 09年上半期の上昇率は前年同期比プラス4.1%。08年下半期はマイナ
 ス6.2%だった。
 CBのエコノミスト、ケン・ゴールドシュタイン氏は声明で「大規模な雇用
 喪失が続いているものの、今春以降、景気後退の勢いは失速している」と指
 摘。「信頼感が徐々に戻ってきている。このトレンドが続けば今秋にもゆっ
 くりとした景気回復が見込める」との見方を示した。
 CBによると、景気先行指数を構成する10項目の内、6月は7項目が上昇
 した。
 一致指数は失業悪化と鉱工業生産の減少を主因にマイナス0.2%となった。”

 → 私はこれが意外に大きかったと思います。
   あと残るは米経済の死命を制する住宅市況。

   米政策と国民の意欲と努力次第で
   住宅指数の底打ちが数ヶ月早まる程度のことは
   充分に実現可能です。観察しましょう。


NY株:ダウ9000ドル台回復 住宅市場の底入れ期待(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/biz/news/20090724k0000e020015000c.html

”【ワシントン斉藤信宏】23日のニューヨーク株式市場は、米住宅市場の底
 入れ観測が広がったことなどを受けて急反発、ダウ工業株30種平均の終値
 は、前日終値比188.03ドル高の9069.29ドルと9000ドル台を
 回復、終値ベースで08年11月5日以来、約8カ月半ぶりの高値をつけた。
 ハイテク銘柄主体のナスダック総合指数は12営業日続伸、47.22ポイ
 ント高の1973.60と、08年10月2日以来、約9カ月半ぶりの高値
 で取引を終えた。12営業日続伸は92年1月以来約17年半ぶり。
 6月の中古住宅販売件数が3カ月連続で増加し、08年11月の水準まで回
 復したことで、17日に発表された住宅着工件数の回復と合わせて、住宅市
 場の底入れへの期待が高まった。また、通信大手AT&Tや自動車大手フォ
 ード・モーターなどの決算が市場予想を上回る比較的堅調な内容となったこ
 とから、企業業績の先行きへの懸念も後退。市場では「米景気は秋には回復
 に向かう」(米エコノミスト)との楽観的な見方が優勢となった。”

 → こちらが良く纏まったいい記事でした。
   しかしチャート的にはどう見ても
   (元記事に図があります)
   過熱感の強さを否定できません。
   幾つか悪材料が出れば急反落する水準です。


東京外為市場・15時=ドル94円前半に上昇、幅広くレンジ上限をトライ(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR200907230091.html

”午後3時現在のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点から上昇し、
 94円前半で推移している。正午前にユーロ/円がストップロスを巻き込む
 形で急騰したことがドル/円に波及した。アジア株や米国株先物が堅調だっ
 たことが支援材料になり、ともにこのところの上値メドをトライする展開に
 なった。
 〔中略〕
 ただ、センチメントが楽観に振れる材料があったわけではないという。楽観
 論の原点である米国株の上昇についても「違和感が感じられる」(みずほ証
 券金融市場グループ外債トレーディング部マネージャー鈴木健吾氏)、「米
 企業業績が予想よりいいといっても絶対水準でみれば大幅減益。そう楽観ム
 ードを高められる内容ではない」(国内金融機関)との声が聞かれる。
 「市場の見方が楽観に振れたというより、ストップロスをつけながらショー
 トに傾いていたポジションをひっくり返す形で上昇した。そこにモデル系フ
 ァンドなどの買いがついてきた」(邦銀)との見方が出ていた。
 市場では「今の状況をベースに考えれば、ユーロ/円や豪ドル/円など幅広
 くレンジの上限に近づいている」
(国内金融機関)との声が複数聞かれた。
 「レンジを切り上げるだけの材料はない。しかし、上抜けしてしまえば一気
 にセンチメントが楽観に振れる可能性はある
」(みずほ証券、鈴木氏)とい
 う。”

 → これは木曜の報道です。
   非常に鋭い観察と分析が幾つも載っています。
   元記事も併せて熟読されると良いでしょう。

   クロス円が「レンジの上限」との見解には
   全くもって同感です。


    ◇     ◇     ◇     ◇

注目銘柄、波乱なければ数%の上値余地ありかと。

 丸紅(東証一部 8002) 404 → 424

 昭和シェル石油(東証一部 5002) 987 → 1031

 日立建機(東証一部 6305) 1,458 → 1601

 三菱商事(東証一部 8058) 1,700 → 1822

三菱商事の売り残りが急増していたので多めに買い向かいました。
先週のような不利な時期にショートする神経が信じられない。


住友金属:和歌山で新高炉が操業開始 国内新設は5年ぶり(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/biz/news/20090718k0000m020068000c.html

”住友金属工業は17日、和歌山製鉄所(和歌山市)に新設した「新第1高炉」
 の操業を始めた。国内の高炉新設は約5年ぶり。11日に操業停止した第4
 高炉の後継で、製鉄所全体の生産能力は年450万トンと従来比13%アッ
 プする。鋼材需要が減退する逆風下の能力増強だが、「先行きの反転攻勢を
 にらめば、最新設備稼働は不可欠」と同社は強調している。
 〔中略〕
 住金が生産体制の増強に踏み切ったのは、新興国を中心とした鉄鋼需要の回
 復を見据えたものだ。世界最大手のアルセロール・ミタル(ルクセンブルク)
 や台頭する中国メーカーとの激しいシェア争い再開に備え、最新の高炉稼働
 で生産性を上げて競争力強化を図る狙いがある。”

 → これは先々週の報道ですが、着眼点が素晴らしい。
   日本経済が中印頼りの回復にならざるを得ません。

   住友金属の判断は的確だと思います。
   地元の方々はきっと大喜びでしょうね。

   (注記:私は鉄鋼より商社の方が回復早いと思います)





『会社四季報』2009年3集・夏号

どちらかの出版社で『為替二季報』出しませんか?





『日経会社情報』2009-III 夏号 2009年 07月号



    ◇      ◇     ◇     ◇

  【 いとすぎの為替ポジション 】

先週「米ドルが96円前後に向けて進む可能性」と書いた通りの展開。
週央にロングを大幅に決済し、その後に少し買い直し。
変な位置にショートが残っているのは眠くて眠り込んだ為。

 2009/07/23 77.38 AUD/JPY Lev ×2.5
 2009/07/22 76.77 AUD/JPY Lev ×2.5 (ショート)
 2009/07/01 78.02 AUD/JPY Lev ×2.5

    現在 > 77.45 豪ドル/円(損益277%)

  ▼ ポジション解消済み
 2009/07/15 73.44 AUD/JPY Lev ×2.5
 2009/07/09 72.58 AUD/JPY Lev ×2.5
 2009/07/08 72.57 AUD/JPY Lev ×2.5
 2009/05/21 73.08 AUD/JPY Lev ×2.5 (ショート)
 2009/06/17 76.89 AUD/JPY Lev ×2.5
 2009/06/16 76.63 AUD/JPY Lev ×2.5
 2009/06/25 75.86 AUD/JPY Lev ×2.5
 2009/06/18 75.84 AUD/JPY Lev ×2.5
 2009/06/12 79.83 AUD/JPY Lev ×4
 2009/05/26 74.42 AUD/JPY Lev ×3 (ショート)
 2009/06/05 78.55 AUD/JPY Lev ×3 (ショート)
 2009/05/29 76.38 AUD/JPY Lev ×2 (ショート)
 2009/05/07 74.34 AUD/JPY Lev ×5
 2009/05/14 73.02 AUD/JPY Lev ×2
 2009/05/07 75.02 AUD/JPY Lev ×5
 2009/05/06 74.11 AUD/JPY Lev ×5
 2009/04/30 72.08 AUD/JPY Lev ×2.5 (ショート)
 2009/04/30 70.71 AUD/JPY Lev ×2.5 (ショート)
 2009/04/28 67.61 AUD/JPY Lev ×2.5
 2009/04/21 68.61 AUD/JPY Lev ×2.5
 2009/04/21 69.17 AUD/JPY Lev ×2.5
 2009/04/16 71.80 AUD/JPY Lev ×2 (ショート)
 2009/04/02 69.66 AUD/JPY Lev ×2 (ショート)
 2009/04/03 71.04 AUD/JPY Lev ×2 (ショート)
 2009/03/27 67.39 AUD/JPY Lev ×2.5
 2009/03/20 65.80 AUD/JPY Lev ×5
 2009/03/12 62.10 AUD/JPY Lev ×4
 2009/02/24 63.20 AUD/JPY Lev ×4
 2009/02/27 76.93 CAD/JPY Lev ×2 (ショート)
 2009/02/28 62.84 AUD/JPY Lev ×2 (ショート)
 2009/02/25 62.15 AUD/JPY Lev ×2 (ショート)
 2009/02/24 60.78 AUD/JPY Lev ×2 (ショート)
 2009/02/06 61.89 AUD/JPY Lev ×2 (ショート)
 2009/02/05 58.56 AUD/JPY Lev ×2 (ショート)
 2009/02/04 58.01 AUD/JPY Lev ×2 (ショート)
 2009/01/30 57.18 AUD/JPY Lev ×2 
 2009/01/30 57.24 AUD/JPY Lev ×2 
 2009/01/19 62.01 AUD/JPY Lev ×2 
 2009/01/19 62.00 AUD/JPY Lev ×2 
 2009/01/16 60.88 AUD/JPY Lev ×2 (ショート)
 2009/01/16 60.79 AUD/JPY Lev ×2 (ショート)
 2009/01/08 64.46 AUD/JPY Lev ×2 (ショート)
 2009/01/07 66.23 AUD/JPY Lev ×2 (ショート)
 2008/12/16 60.94 AUD/JPY Lev ×2 (ショート)
 2008/12/13 60.29 AUD/JPY Lev ×2 (ショート)
 2008/12/23 61.83 AUD/JPY Lev ×2 (ショート)
 2008/11/07 66.58 AUD/JPY Lev ×1
 2008/12/12 59.16 AUD/JPY Lev ×3
 2008/11/07 66.58 AUD/JPY Lev ×1.5
 2008/11/07 66.58 AUD/JPY Lev ×2.5
 2008/12/05 58.44 AUD/JPY Lev ×2
 2008/12/05 58.12 AUD/JPY Lev ×3
 2008/11/11 65.78 AUD/JPY Lev ×5 (ショート)
 2008/11/06 65.33 AUD/JPY Lev ×4
 2008/10/29 61.08 AUD/JPY Lev ×5
 2008/10/24 58.49 AUD/JPY Lev ×5 (ショート)
 2008/10/17 70.33 AUD/JPY Lev ×6 (ショート)
 2008/10/10 63.58 AUD/JPY Lev ×3 (ショート)
 2008/10/06 77.21 AUD/JPY Lev ×10 (ショート)
 2008/09/30 83.32 AUD/JPY Lev ×4
 2008/10/01 83.65 AUD/JPY Lev ×3
 2008/10/02 82.58 AUD/JPY Lev ×3
 2008/09/19 87.10 AUD/JPY Lev ×4 (ショート)
 2008/09/18 84.02 AUD/JPY Lev ×3 (ショート)
 2008/09/20 89.04 AUD/JPY Lev ×3 (ショート)
 2008/09/12 88.02 AUD/JPY Lev ×3 (ショート)
 2008/09/11 87.58 AUD/JPY Lev ×4 (ショート)
 2008/09/10 85.29 AUD/JPY Lev ×3 (ショート)
 2008/09/01 92.84 AUD/JPY Lev ×10 (ショート)

 …以下省略…


「資源国通貨は底打ちしました。
 豪中銀の利下げは最終局面に接近しており、
 豪ドルは上昇トレンドに入り始めました」

中長期的な見通しは先週と同じです。

「80円から70円のレンジ圏を想定」

米ドルはまだ少し上値余地あり、豪ドルはそろそろ頭打ち。
早ければ78円台、遅くとも79円台で豪ドルの上昇は
食い止められると想定しています。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログのこちらのカテゴリーも御覧下さい。)
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民主党は戸別所得補償ではなく米エタノール生産を支援せよ - 世界初の「グリーンガソリン」新潟から

2009-07-24 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
武田邦彦氏を筆頭にバイオエタノール大反対の論者は多いですが、
米から製造するエタノールは明らかに日本社会にとって有益で、
絶対に政策として大規模に推進すべきです。

◦休耕田は有り余っており、米作拡大を望む生産者が多い
◦食用米の消費は長期低迷しており、用途転換しないと未来がない
◦原油価格上昇が予想されており、燃料を国内自給できない日本は不利


このすべての問題に対して有効な改善策が米エタノールです。

効率性に優れる大規模水田はかなりの割合が
エタノール原料生産へシフトできると考えられるので、
休耕田を活用して食用米を生産できるようになります。

原油価格が再度上昇を始めている現在、
日本は燃料価格高騰に備えなければなりません。

米エタノール生産が軌道に乗っていれば
燃料価格上昇による損失を緩和することが出来ます。

従って、米エタノール生産はあらゆる面で国益に合致しており、
政策支援が必要であることは明らかです。

道路特定財源もこの分野に投入するべきでしょう。
苦境にある地方建設業もエタノール振興で恩恵を受けます。


コメ燃料入り「グリーンガソリン」新潟で販売(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20090717-OYT1T00797.htm

”全国農業協同組合連合会(JA全農)は17日、コメから作ったバイオエタ
 ノールをガソリンに混ぜた「グリーンガソリン」の販売を新潟県内で始めた。
 コメ燃料の実用化は「世界でも例がない」(農林水産省)といい、休耕田の
 活性化を図る狙いもある。
 新潟県内のJA直営のガソリンスタンド19か所で販売されている。新潟市
 江南区のジャスポート亀田SSで行われた記念給油式には、近藤基彦農水副
 大臣、泉田裕彦知事らが出席。近藤副大臣は「今後もあらゆるバイオマスの
 エネルギー利用に取り組んでいきたい」と語った。
 原料の飼料米「北陸193」は県内JAに栽培を委託し、約300ヘクター
 ルの休耕田などで年間約2250トンが生産される。新潟市北区の工場でエ
 タノールに加工し、年間3万3000キロ・リットルの「グリーンガソリン」
 を販売する計画。”

 → これは間違いなく地元の雇用にポジティブです。
   製造業が苦しい今、エタノール工場稼働なら一石二鳥、
   自治体への法人税収も期待できます。

   あとは農水省と経産省と環境省が
   三つ巴の縄張り争いを始めないよう望むばかり。。


グリーンガソリン:世界初「稲ガソリン」 休耕田活用、期待と課題 /新潟(毎日新聞)
http://mainichi.jp/area/niigata/news/20090718ddlk15040063000c.html

”全国農業協同組合連合会(JA全農)が17日、県内限定で売り出した世界
 初という稲を原料にしたバイオ燃料「グリーンガソリン」。休耕田の有効活
 用などに期待がかかるが、今後、どう消費者に浸透させ、事業を軌道に乗せ
 ることができるかなど課題は多い。
 グリーンガソリンは県内19カ所のJA系ガソリンスタンドで販売。品質、
 燃費、価格とも通常のレギュラーと同じ
とアピールしている。
 新潟市江南区のスタンドに、バイオ燃料と知らず給油に訪れたドライバーた
 ちは「新潟のコメが環境対策に使われることはいいこと」「技術は進んでい
 ると思うので、混合でも心配はない」と話し、おおむね好評だった。
 原料には県産の飼料用玄米2250トンを使い、新潟市北区のプラントで年
 1000キロリットルのバイオエタノールを製造するが、課題は生産コスト
 だ

 製造にかかる固定費を考えれば、採算ベースに乗せるには年2万~3万キロ
 リットル規模のエタノールを作る必要がある。しかし、現状ではバイオ燃料
 の認知度が高いとは言えないことなどから、当面の消費見込みを考えると年
 1000キロリットル程度にとどめざるをえない。赤字覚悟のスタートだが、
 今後、消費量を増やし、生産性を上げていく必要がある。
 また、県内生産者からの原料米の買い取り価格は1キロ20円で、主食用米
 の約10分の1と低い。国からの転作補助金があるものの、いかに農家にや
 りがいを持ってもらい、安定的に原料米の供給を受けるかも課題だ。
 【小川直樹】
 毎日新聞 2009年7月18日 地方版”

毎日新聞の詳細な記事です。

今から断言しておきますが、
グリーンガソリンは首都圏では爆発的に売れます。
早く販売した方が良いでしょう。

カーボンオフセットと組み合わせれば
更に販売促進に効果的です。

新潟や富山、東北では米の大口需要先が喉から手が出るほど欲しい筈。
目前に大市場が突然開ける訳ですから、見逃すことはできません。

▽ エタノール生産は確かに国富に貢献します。




『コメ国富論―攻めの農業が日本を甦らせる!』(柴田明夫,角川SSC)


▽ 日本の置かれた状況が分からない向きには、こちらが良書




『エネルギー争奪戦争』(柴田明夫,PHP研究所)

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「パラサイト・シルバーの時代」- 労働組合と大企業OBが日本のレガシー・コストになりつつある

2009-07-23 | いとすぎから見るこの社会-格差の拡大
かつてパラサイト・シングルという言葉が論争を巻き起こしました。
かなりの人がこの言葉に逆上したところから見て、
最も触れられたくない真実の一面を衝いた言葉だった訳です。





『パラサイト・シングルの時代』(山田昌弘,筑摩書房)


今度は、「パラサイト・シルバー」論争の荒れ狂う時代が
すぐ目前に迫っている、私はそう直観しています。

パラサイト・シルバーとは、自らのコスト負担に不相応な
手厚い社会保障給付を受けている高齢層を指す語です。

産油国でもない限り、フリーランチはあり得ません。
従って彼らは、事実上は現役世代と将来世代、
つまり日本社会にツケを払わせて優雅な生活を送ることになります。

私は今の日本の高齢層すべてがパラサイト・シルバーだと
暴力的に決めつけているのではありません。
尊敬すべき方々が多数いらっしゃるのはよく理解できます。

問題は「パラサイト・シルバー」と定義される可能性の
極めて高い人々が高齢層の中に隠れているということです。

数は分かりませんが、政府の社会保障財政を見る限り、
それが決して少数ではないことは明らかです。

彼らは強い政治力と完全理論武装を兼備した精鋭です。
恐らくかなり知恵も働きますし、口舌の才も別格でしょう。
財産権や人生設計、家のローンといった口実を幾らでも出してきます。

しかし彼らの実態を暴かない限り、
「誰が本当の弱者なのか」という
重要な問題を明らかにすることはできません。

パラサイト・シルバーの社会的収支を明らかにし、
いびつに歪んだ彼らの給付と負担をリバランスしなければ
この社会は果てしなく腐敗してゆくでしょう。



さてそれでは、パラサイト・シルバーの存在を強く示唆する
ふたつの報道を見て下さい。


NHKの「皆様の受信料」がOBの年金に補填される奇怪(diamond.jp)
http://news.goo.ne.jp/article/diamond/business/2009072104-diamond.html?fr=rk

”日本放送協会(NHK)が、本来、積み立てから給付すべき退職者の企業年
 金の一部を、受信料収入から補填して給付していることが、関係者の話で明
 らかになった。
 関係者によると、その額は2007年度が約100億円、08年度が約120億円に
 上っているという。
 勤続年数などで企業年金の支給額は異なるが、NHKによれば平均支給額は
 月12万円程度と民間に比べて高い。つまり、退職者に対する高待遇を維持す
 るため、一部とはいえ「皆様の受信料」を使って尻ぬぐいしているのだ。
 背景には、企業年金の積み立て不足がある。NHKは06年度まで、年金の積
 み立て必要額を算定するための利率(割引率)を4.5%という高水準で据え
 置いていた。
 それを07年度になってようやく見直し、市場実勢に合わせて2.5%前後まで
 引き下げた結果、積み立て不足は一気に前年度の2.4倍、2700億円規模にま
 でふくらんだのだ。
 それが、わずか1年後の08年度末には約3300億円にまで増加。現在の年金
 資産は3000億円程度のため、半分程度しか手当てできていないことになり、
 NHK内部からは、「近い将来、政府管掌の年金に移管せざるをえない状
 況に追い込まれるのではないか」といった声も漏れてくる。
 こうした状況にNHKでは、今後15年間かけて積み立て不足を解消する方
 針を掲げて償却を進めている。しかし、とうてい賄い切れるものではなく、
 受信料収入を充てているというわけだ。
 NHKの経営陣もさすがに焦りを感じたのか、労働組合に対して確定拠出
 型年金への移行、もしくは確定給付型を維持するならば現役職員に対する
 給付額の減額に応じるよう提案している。
 これに対し職員は「なぜOBの優雅な生活のために現役の職員たちがツケ
 を払わされなければならないのか」と不満を爆発させる。
 しかし、最も憤りたいのは視聴者のはず。番組制作に充てるために支払っ
 ている受信料が、違うものに使われているからだ。これに対し、NHKは、
 「年金制度についてさまざまな角度から検討を継続している」としている。”

 → ダイヤモンド誌の大手柄です。
   人口構成と高齢層の政治力から考えて、
   絶対にこのような問題があると確信していました。


JALはOBの企業年金を削減していいのか?(diamond.jp)
http://diamond.jp/series/yamazaki/10089/

”「週刊ダイヤモンド」7月25日号の企業特集に「日本航空 政府保証の次は
 公的資本注入か 再建シナリオの全貌と赤字構造」と題する力の入った記事
 がある。この中に同業のANAとJALの年金(企業年金部分)の比較が載
 っている。
 JALとANAの企業年金は標準的なケースの月額で、JALが約25万円、
 ANAが約9万円と大きな開きがある。正確には人件費の全体を見なければ
 ならないが、燃費ならぬ「年費」(=年金費用)だけでこんなに差があって
 は苦しかろう。JALがGMに見えてくる。
 尚、この問題を報じた「週刊現代」(7月25日号)には、「JALの年金は
 『毎月49万円です!』」とあるが、49万円は、国の厚生年金(含む基礎年金)
 の給付を足した金額だ。ちなみに、「週刊現代」の記事によると、東京電力
 の年金はもっといいらしい。
 また、2009年3月期で、JALの退職給付債務は約8千億円で、積み立て不足
 は約3千3百億円だ。4千億円台の年金資産の運用では、もちろん大きな損が
 出ている。
 もう少し詳しく見ると、JALの年金は3つのパートに分かれていて、会社
 3:社員1で掛け金を負担する第1加算年金、退職金の15%を掛け金とする10
 年保障、本人終身の第2加算年金、退職金の20%を掛け金として給付は10年
 保障の第3加算年金がある。大きな問題は3つの年金の何れもが給付利率4.5
 %の確定給付年金であることだ。
 4.5%の確定利回りで運用しなければならないのだから年金を支給する側は
 大変だし、年金を受け取る側から見ると大いに魅力的だ。
 はっきり言って、現在の金融環境下で「4.5%の確定利回り」というJAL
 の企業年金は、これを提供する側から見ると「出血大サービス」というし
 かない。「確定」ベースで考えるなら現在長期国債の利回りは1.5%に満た
 ないのだから、年率3%以上の実質的な損失がビルト・インされているとい
 うことだ。退職給付債務額にこれを掛けると、年間240億円以上の損を会社
 にもたらしている理屈だ。

 〔中略〕
 JALの経営再建のためには、同社の企業年金を抜本的に改める必要があ
 ることは間違いない。しかし、OBの年金額にまで手を着けることが適切
 なのだろうか。これは難しい問題だ。
 〔中略〕
 年金の「あるべき論」としては、既に金額が裁定されたOBの年金が削減
 されることは、決して認められるべきではない。企業年金がそういうもの
 であるとすると、会社員は安心して引退できない。だから、今回のJAL
 のケースで、裁判所がOBの年金については個々の同意がない限り削減を
 認めないと判断するなら、それは一つの立派な見識だと思う。他の企業も、
 企業年金についてもっと真面目に考えるようになるだろう。世の中として
 は、それがよりいい。
 また、一国民として、JALへの公的支援の可否を言うなら、これは明ら
 かに「否」だ。こんな経営の会社に税金を使われるのではたまらない。”

こちらは一部の引用です。詳しくは元記事をどうぞ。

貴重な情報もあって勉強になりますが、
執筆者が何を主張しようとしているのかよく分かりません。

多分、売文業として人の注目を集める題材を取り上げたいけれども
余りにも明確な責任の所在をはっきり書くと
顧客(=読者)に嫌われるので予防線を張っているのでしょう。
そうした意味では賢い戦術(処世術)を用いている訳です。

国民として公的支援に反対するのであれば、
年金給付削減か、現役社員から搾取するしかありません。
どちらを選択すべきか答えは明らかです。

OBは適正な負担をこれまで行わなかったのですから、
明らかに同業他社より高水準の年金が、あの会社の業績で維持できると
考えることは妄想以外の何ものでもありません。
財産権を主張するに至っては社会正義の破壊そのものです。
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世界の富裕層の数・資産残高ともに急減-メリルリンチ調べ、YUCASEE運営体の発表内容と明らかな齟齬

2009-07-22 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
富裕層の受けたダメージは、日本では比較的軽微なようです。
率だけを見ると日本より中国の方がやや傷が深く、
金融業への依存度の高い英米は「痛恨の一撃」を受けています。

一般に、不況期は富の一極集中が生じ
格差が極度に拡大すると言われていますが、
今回はどうであったのか、まだ分かりません。


100万ドル長者15%減、金融危機で下落(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20090715-OYT8T00638.htm

”世界で100万ドル(約9300万円)以上の資産を持つ富裕層が2008
 年末は前年末比14.9%減の860万人となったことが米金融大手メリル
 リンチの調査でわかった。
 前年に比べて減少に転じるのは、IT(情報技術)バブルが崩壊した01年
 末以来7年ぶりで、1996年の調査開始以来、最大の減少率となった。
 世界的な金融危機の影響で株式などの資産価値が大幅に下落したためだ。
 国別では、米国が18.5%減の246万人で最多、2位は日本の136万
 人ながら、前年の151万人から9.9%減った。
 中国は11.8%減の36万人だったが、26.3%の大幅減だった英国を抜
 き、ドイツに続く4位に浮上した。富裕層が持つ資産残高も19.5%減の
 32兆8000億ドル(約3050兆円)と大幅に縮小した。
 一方、3000万ドル(約28億円)以上の資産を持つ超富裕層は、全体で
 24.6%減の7万8000人だった。”

 → 超富裕層もかなりの痛手を受けているようです。
   この調査がどこまで実態を捕捉しているか不明ですが
   各国比較ができる貴重な資料。


30─40代は金融危機下でもヘッジファンドに積極投資=アブラハム(reuters)
http://money.goo.ne.jp/investment/news/keizai/reJAPAN-381419.html

”富裕層限定の交流サイトなどを運営するアブラハム・グループ・ホールディ
 ングスの高岡壮一郎社長によると、国内の30─40代の富裕層は、金融危
 機下でもリスク性商品に対し積極的な投資を続けている。
 同社長は20日に行ったロイターとのインタビューで、若手の富裕層は「今
 は投資のチャンスとの発想」で、年明け以降にヘッジファンドや海外株式へ
 の投資を増やしていると述べた。
 米リーマンショック後の金融市場の混乱で、昨年のヘッジファンド運用は総
 じて不振だったが、高岡社長によると、例外的に好調だったCTA(商品投
 資顧問)への注目度が年明けから高まっている。海外株については「ここ2
 カ月程で相場が回復してきた米国株や中国などの新興国株に資金が戻ってい
 る」という。
 アブラハムは、純金融資産1億円以上を保有する富裕層会員向けソーシャル
 ・ネットワーキング・サービス(SNS)「YUCASEE(ゆかし)」を
 通じて金融商品からアートまで様々な投資情報などを無料で提供しているほ
 か、投資助言子会社のアブラハム・プライベートバンクを通じて富裕層向け
 資産運用サポートを提供している。
 ゆかし会員の約7割は30─40代で企業経営者や医者が中心。年明け以降
 に投資情報を求めて入会する富裕層が増え、会員の純金融資産合計は1月の
 6400億円から直近で8000億円強に拡大した。また富裕層の投資拡大
 を反映し、投資助言子会社の4月の新規助言残高はリーマンショック前後の
 昨年9月に比べ約6倍に増えたという。〔以下略〕”

そこで思い出したのがこの報道。
メリルの調査と余りにも食い違うので、
何か隠しているのだろうと推察できます。

(没落した富裕層は情容赦なくコミュニティから追放しているとか)

ライバル業者が次々と自滅していったため
YUCASEEには追い風が吹いている訳ですが、
誠実な情報公開を行っているかどうかに関しては
全く信用できません。

何となくですが、YUCASEEというのは
オンライン上の要塞町(Gated town、Gated community とも)
言わば分断社会の構築ではなのではないでしょうか。

日本の新興富裕層の実態を知るために是非潜入したいと思います。
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『週刊エコノミスト』7月28日号 - 国際比較で一目瞭然、日本の財政赤字の原因は「租税負担の少なさ」

2009-07-21 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集は「米国立ち直れず」でした。
あの…先週のタイトルは一体……

ただメイン特集以外の部分はいい記事が多かったです。
今週のダイヤモンド誌の特集より良心的でした。

『週刊エコノミスト』の内容案内

最新号の内容の確認は、こちらの毎日新聞のサイトの方が正確で早いです。
(定期購読は方式によりディスカウント率が複雑なので御注意下さい)
http://www.mainichi.co.jp/publish/magazine.html

さて今回のサブタイトルに挙げたのは
P46の池上岳彦・立教大学教授の寄稿です。

明々白々な数値が揃っていながら、殆どのメディアが
大衆に媚び諂って取り上げない事実を指摘した勇気は素晴らしい!

日本の投資所得課税が諸外国よりも軽いという点も、
前々から私が指摘してきた通りの内容です。

日本の財政赤字の原因は、無駄遣いよりも租税負担の低さです。
高齢化による社会保障関連支出の増大は必至で、
欧州諸国のように所得税と間接税で調達せざるを得ません。

少ない財源で雇用創出と成長分野への重点投資を断行しないと、
本当にこの社会が朽ち果てます。

P68には「子どもの学力格差は4歳で始まっている」と題した
興味深い論考もあり、社会保障分野の重要性を改めて確認できます。
何と、
就学前保育の質で学業成績や最終学歴、
犯罪率や生活保護受給率までも影響を受ける
のだそうです。
恐ろしい。。

    ◇     ◇     ◇     ◇

他にはP70の「『期待の投資先』カナダの実力」、
P72の「中国人が「観光立国日本」を支える」が面白いです。

確かにネット上でばかり威勢のいい日本人なのであれば、
実際に高額消費をしてくれる中国人観光客の方が「上客」ですからね。

    ◇     ◇     ◇     ◇

それに対して今週の『週刊ダイヤモンド』は
今年最も「外した」特集だと思います。





『週刊ダイヤモンド』2009年 7/25号


子供の貧困の改善策は、税制による再配分以外にあり得ません。
間接税増税でも、資産課税でも、高額年金課税でも
いずれにしても同じです。
政府を批判してもその矛先は自分に返ってきます。





『子どもの貧困―日本の不公平を考える』(阿部彩)


この著者がインタビューに登場していますが、
なぜ欧州の高税率に触れないのか理解できません。
この著者は一般日本人から見ると高収入の安定職種で、
自ら税負担する意思を示すべき立場です。
どう考えても自己欺瞞ではないでしょうか。





『大貧困社会』(駒村康平)


駒村教授の方が遥かに公正で視野が広いです。
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