今週のエコノミスト特集は今ひとつ。
「エコノミストが矢張り最も本格派だが、このタイトルは寧ろ円安ピークの証左だろう」
と先週書いた通りであろう。田中泰輔氏に取材した方が良かった。
さてエントリーのサブタイトルは72頁、
日本はまず労働者の賃金水準で豪州・香港・シンガポールに劣り、
韓国にはほぼ追いつかれている。この表では台湾にやや優るが
購買力平価ではこれもかなり疑問であり、不利な状況にある。
また、肝心の経済成長において他国を下回るばかりか
移民統合政策指数では韓国を大幅に下回っている。
外国人の人権や教育機会均等といった項目が低評価の要因だ。
このままでは特定人材も中国からばかりとなり
経済成長だけでなく安全保障をも損なうこととなろう。
マーケットについては市岡繁男氏の連載を。
米債務は恐ろしい上昇ペースで増えており
新興国は米国債を買わず金にシフトしている。
米国で悪い金利上昇が起きなければ良いが。。
万一、バラ撒きトランプが当選したらトリプル安が起きかねない。
◇ ◇ ◇ ◇
ダイヤモンドの商社特集は概ね妥当な水準だが、
新しい発見は乏しいのではないか。
(ダイヤモンド得意の「覆面座談会」は悪くないが。。)
例えば商社セクターで8002がアウトパフォームするのは
今世紀に入ってからの恒例行事なので何ら不思議ではない。
風力発電についての記事も悪くないが、
東洋経済のインタビューと併せて見た方が良い。
漸く陸上で良い案件がなくなってきて(原発の近傍にまだあるぞ!)
洋上風力に注力せざるを得ず、まだ案件が目白押しであることが分かる。
最も宜しくないのはまたしても佐藤優氏のコラム。
掲載ページが後ろに下がっているのも道理だろう。
威丈高に大手メディアを批判している内容だが
左程重大な点ではなく小技程度。
しかも後半がプーチンの家族重視の価値観が
日本の保守派とも通じると支離滅裂な内容である。
(保守派にすり寄り言論需要を狙ったのか?)
氏に不都合なことに、今週ロシアで徴兵された子の母親が
クレムリンでデモを始め、プーチンの家族重視が口だけで
何ら実態を伴わない欺瞞であることが明らかになった。
(もとよりウクライナの子の拉致も人道に反する罪である)
日本の保守派がこれを真に受けるなら人非人に等しいであろう。
◇ ◇ ◇ ◇
東洋経済の中学受験特集はいまひとつ。
偏差値や進学実績を重視するダイヤモンド誌に対抗したのだろうが、
「中学受験が増えれば増えるほど投資収益率が悪化する」という
不都合な真実に迫れていないのが残念である。
その点、おおた氏の記事は悪くないが
「時代の荒波を生き延びた伝統校に共通する」のが
「平和や調和や愛を重んじること」という唖然とする結論なのに吃驚!
保護者は年々少しずつ変化する序列に必死で目を凝らして
我が子が少しでも有利な学校、有益な学校を探しているのだから
そのような伝統に胡座をかいた綺麗事を書いても響かないだろうに!
猶、最も宜しくないのは小林ジャーナリストの記事、
氷河期世代は安定志向だからといった被害者意識の強い内容。
昔からそういう基調で一貫しているので驚きはないが
受験を合理的に乗り切る賢い家庭もあれば、
割り切って国公立を選び学校外教育に注力する家庭もあるのに。。
取材対象にそもそもバイアスかかっているのだろう。
面白い記事として巻頭の「ヒートポンプの本格推進を」があるが、
執筆者はヒートポンプが日本で広まらない理由を調べてすらいない。
エコキュートは騒音が問題になって裁判沙汰になり、
日本の住宅地では設置が難しくなっているのだ。
(廉価な軽EVによるソーラー+V2Hの普及の方がより早いであろう)
欧州と比較してヒートポンプ普及を唱えるのであれば、
欧州より普及が大きく遅れているコージェネを推進すべきである。
コージェネなら電力ピーク時に機動的に稼働できるし
六本木ヒルズのようなセントラルヒーティングで騒音も問題ない。
◇ ◇ ◇ ◇
次週は東洋経済に注目、遺伝子検査は批判も多いが現状どうだろう?
▽ ブラックデータでなくビッグデータや医療データを先頭に出して欲しかったが。。
▽ ダイヤモンドは恒例特集、苦境のサマンサは日本ブランドとしてアジアに出ればいいのに
▽ エコノミストは恒例の半導体特集、エヌビディア頼みで言うほど状況は良くないと思う。。
IOWNや光半導体が実用化・普及に成功するなら話は別だが。
「エコノミストが矢張り最も本格派だが、このタイトルは寧ろ円安ピークの証左だろう」
と先週書いた通りであろう。田中泰輔氏に取材した方が良かった。
さてエントリーのサブタイトルは72頁、
日本はまず労働者の賃金水準で豪州・香港・シンガポールに劣り、
韓国にはほぼ追いつかれている。この表では台湾にやや優るが
購買力平価ではこれもかなり疑問であり、不利な状況にある。
また、肝心の経済成長において他国を下回るばかりか
移民統合政策指数では韓国を大幅に下回っている。
外国人の人権や教育機会均等といった項目が低評価の要因だ。
このままでは特定人材も中国からばかりとなり
経済成長だけでなく安全保障をも損なうこととなろう。
『週刊エコノミスト』2024年 2/6号【特集:円高の幻想】 |
マーケットについては市岡繁男氏の連載を。
米債務は恐ろしい上昇ペースで増えており
新興国は米国債を買わず金にシフトしている。
米国で悪い金利上昇が起きなければ良いが。。
万一、バラ撒きトランプが当選したらトリプル安が起きかねない。
◇ ◇ ◇ ◇
ダイヤモンドの商社特集は概ね妥当な水準だが、
新しい発見は乏しいのではないか。
(ダイヤモンド得意の「覆面座談会」は悪くないが。。)
例えば商社セクターで8002がアウトパフォームするのは
今世紀に入ってからの恒例行事なので何ら不思議ではない。
風力発電についての記事も悪くないが、
東洋経済のインタビューと併せて見た方が良い。
漸く陸上で良い案件がなくなってきて(原発の近傍にまだあるぞ!)
洋上風力に注力せざるを得ず、まだ案件が目白押しであることが分かる。
『週刊ダイヤモンド』2024年2/3号 (商社の快進撃) |
最も宜しくないのはまたしても佐藤優氏のコラム。
掲載ページが後ろに下がっているのも道理だろう。
威丈高に大手メディアを批判している内容だが
左程重大な点ではなく小技程度。
しかも後半がプーチンの家族重視の価値観が
日本の保守派とも通じると支離滅裂な内容である。
(保守派にすり寄り言論需要を狙ったのか?)
氏に不都合なことに、今週ロシアで徴兵された子の母親が
クレムリンでデモを始め、プーチンの家族重視が口だけで
何ら実態を伴わない欺瞞であることが明らかになった。
(もとよりウクライナの子の拉致も人道に反する罪である)
日本の保守派がこれを真に受けるなら人非人に等しいであろう。
◇ ◇ ◇ ◇
東洋経済の中学受験特集はいまひとつ。
偏差値や進学実績を重視するダイヤモンド誌に対抗したのだろうが、
「中学受験が増えれば増えるほど投資収益率が悪化する」という
不都合な真実に迫れていないのが残念である。
その点、おおた氏の記事は悪くないが
「時代の荒波を生き延びた伝統校に共通する」のが
「平和や調和や愛を重んじること」という唖然とする結論なのに吃驚!
保護者は年々少しずつ変化する序列に必死で目を凝らして
我が子が少しでも有利な学校、有益な学校を探しているのだから
そのような伝統に胡座をかいた綺麗事を書いても響かないだろうに!
猶、最も宜しくないのは小林ジャーナリストの記事、
氷河期世代は安定志向だからといった被害者意識の強い内容。
昔からそういう基調で一貫しているので驚きはないが
受験を合理的に乗り切る賢い家庭もあれば、
割り切って国公立を選び学校外教育に注力する家庭もあるのに。。
取材対象にそもそもバイアスかかっているのだろう。
『週刊東洋経済』2024年2/3特大号 (中学受験狂騒曲) |
面白い記事として巻頭の「ヒートポンプの本格推進を」があるが、
執筆者はヒートポンプが日本で広まらない理由を調べてすらいない。
エコキュートは騒音が問題になって裁判沙汰になり、
日本の住宅地では設置が難しくなっているのだ。
(廉価な軽EVによるソーラー+V2Hの普及の方がより早いであろう)
欧州と比較してヒートポンプ普及を唱えるのであれば、
欧州より普及が大きく遅れているコージェネを推進すべきである。
コージェネなら電力ピーク時に機動的に稼働できるし
六本木ヒルズのようなセントラルヒーティングで騒音も問題ない。
◇ ◇ ◇ ◇
次週は東洋経済に注目、遺伝子検査は批判も多いが現状どうだろう?
▽ ブラックデータでなくビッグデータや医療データを先頭に出して欲しかったが。。
『週刊東洋経済』2024/2/10特大号 (データ錬金術) |
▽ ダイヤモンドは恒例特集、苦境のサマンサは日本ブランドとしてアジアに出ればいいのに
『週刊ダイヤモンド』2024年 2/10号 (倒産危険度ランキング2024) |
▽ エコノミストは恒例の半導体特集、エヌビディア頼みで言うほど状況は良くないと思う。。
『週刊エコノミスト』2024年 2/13号【特集:半導体 日本復活の号砲】 |
IOWNや光半導体が実用化・普及に成功するなら話は別だが。