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失業率22%から逞しく復活した町 - スウェーデンのマルメ市、再生可能エネルギー産業で飛躍

2009-11-06 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
環境分野にフォーカスし、エネルギー転換に成功した
北欧の小さな町の成功を、産経新聞が伝えています。

産経新聞は最近いい記事が目立ちます。
発想の柔軟な若手が、新しい視点で
取材に取り組んでいるのでしょう。


エコな町作りで脚光 スウェーデン・マルメ 再生可能エネ 転換“成功例”(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/091021/erp0910211920006-n1.htm

”スウェーデン第3の都市マルメは、風力や太陽光発電を利用して環境に配慮
 した町作りを進めている。地球温暖化が国際的な共通課題となる中で、化石
 燃料の消費から再生可能エネルギーの利用への転換を図る北欧の港町の取り
 組みは国際的にも注目を集め、投資や人口流入をも促している。

 (マルメ 岩田智雄)
 〔中略〕
 1989年、マルメでは造船会社コッカムが撤退した。前後3年間で3万人
 が職を失い、失業率は22%にまで跳ね上がった。
 重厚長大産業への依存からの脱却を迫られたマルメは、「知の町」への転換
 を図ることを決め、復興を支える大きな柱の1つに「野心的な環境目標を持
 った持続可能な開発」(マルメ市担当者)を据えた。
 具体的に取り組んだのが、風力や太陽光発電など再生可能エネルギーのイン
 フラ整備だ。
 ウエスタンハーバーから3キロの地点に風車を建設し、地区内に新たに建て
 た100棟のビルには総面積1400平方メートルにもなる太陽光パネルを
 設置した。予算は約1億ユーロ(約135億円)。財源は4分の1を政府が
 補助し、残りは開発業者が負担した。
 最初に開発した全体の6分の1ほどの地区で、電力源や熱源に100%再生
 可能なエネルギーを充てることに成功し、1000戸に化石燃料を一切使わ
 ない電力を供給している。光熱費は、30~40%安く済む。
 マルメの人口はここ数年、年間約5000人ずつ増加しており、28万50
 00人。ウエスタンハーバーには、IT産業やサービス業が進出し、21社
 が7000人を雇用している。

 市は「マルメは自然環境保護や社会、財政といった面から見て持続可能な開
 発が行われる場所として投資先に選ばれてきた」と分析した。
 〔中略〕
 スウェーデンが加盟する欧州連合(EU)は2020年までに1990年比
 で温室効果ガスを20%削減すると表明している。総エネルギー消費量に占
 める再生可能エネルギー源の割合は、現在の9%から20%に増加させなけ
 ればならない。マルメには、欧州各国、さらに中国や北朝鮮などから年間計
 4000人の視察者があるという。”

聞いたことのある地名だと思っていたら
やはりユトランド半島対岸の要地でした。

風力発電産業を興したデンマークがすぐ西側ですので
その影響もあったのでしょう。

今世紀に入ってから欧州の小国の躍進が目立ちます。
特に実験的な政策に果敢に取り組む北欧は
日本よりも政策のレベルが明らかに高い。

「小さな国だから日本とは違う」

という愚劣な言い訳からいい加減に卒業して、
日本社会にも賢い政策を実行する力があると
証明する必要があります。

実社会では「よその会社は大企業だから」
「あの組織だからできた」と言うのは
例外なく保守退嬰の負け犬です。


▽ 何度も紹介していますが、必読書です。





『グリーン・ニューディール―環境投資は世界経済を救えるか』(寺島実郎/飯田哲也/NHK取材班,日本放送出版協会)






『日本版グリーン革命で経済・雇用を立て直す』(飯田哲也,筒井信隆,田中優,吉田文和)

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