この落合局長は人間的にはとても良い方だと思うのですが、
ここまで市場原理主義への曲解と
雇用問題への無理解があるとは思いませんでした。
マツダの城下町である広島は、
市場原理を理解しそれと戦って優位を確保したからこそ
今日の経済的地位と繁栄とを築いたのです。
(数年前の苦境でマツダが倒れていたら、地域経済は崩壊した筈)
エフピコやオタフクソースのような
個性ある優秀な企業も私は尊敬しています。
こうした市場原理と果敢に戦う企業がいたからこそ、
百万の人口を養うことができたのではないでしょうか。
真の問題は、以下の3点にあります。
1)派遣労働者の低賃金・低社会保障を放置した
2)しかし正規社員への強い規制は維持した
3)派遣労働者を擁護するための予算を支出しなかった
自民党と厚生労働省には責任があるでしょうが、
市場原理主義の問題ではありません。
寧ろ規制緩和を一部の立場の弱い労働者だけに適用した、
「差別的雇用」の放置にすべての根源があります。
また、最後の一点に関しては、増税に感情的反発を行う
有権者も同罪であると言わざるを得ません。
派遣法改正「止められず」 広島労働局長が謝罪(産経新聞)
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/e20090107041.html?C=S
”厚生労働省広島労働局の落合淳一局長が、連合広島の旗開きでの来賓あいさ
つで、製造業への労働者派遣が解禁された労働者派遣法改正(平成16年施
行)に言及し「止められず申し訳なかった」と謝罪していたことが7日、分
かった。
連合広島によると、発言があったのは6日。落合局長は法改正について「も
ともと問題があると思っていた。市場原理主義が前面に出ていたあの時期に、
誰かが職を辞してでも止められなかったことを謝りたいと思っている」と述
べた。
また、期間途中での派遣労働者の契約打ち切りについて「法律違反であり、
あってはならない」と強調したという。
連合広島の国近匠事務局長は「踏み込んだ発言で驚いた。広島労働局はいち
早く雇用対策も始めており、評価している」と話している。”
→ 大変申し訳ありませんが、
連合は暢気に喜んでいる場合ではありません。
今すぐに行うべきことは、労組を牛耳ってきた
正社員の身分だけが手厚く保障され、結果的に
非正規社員を見殺しにした罪を潔く認めると同時に、
自発的に自らの賃金引き下げを申し出て
雇用を守るワークシェアリングを主唱することです。
この点で日本経団連に出遅れかけていることを、
恥だと思っていないのでしょうか。
“派遣切り”の加速は、企業の本質を理解できない政府の自業自得だ(diamond.jp)
http://diamond.jp/series/tsujihiro/10056/?page=2
”最大の問題は、彼らにとっての合理性を最大限に追求する産業界の要望を
政府がこれまで全面的に受け入れ、雇用の規制緩和一辺倒で応じてきたこ
とだろう。振り返れば、一定の歯止めをかけることなく、あまりにクビを
切りやすい条件を整えてきた。労働政策が国家政策であるという意識を持
たず、産業界が主導する規制改革会議にその方向性の決定を委ねてきた咎
めは大きい。
例えば、企業が派遣社員を雇用契約期限が切れる前に公然と切ってしまう
のは、雇用契約書のなかに期限前解雇を許容するように読める条文を入れ
られるように規制緩和をしたからである。
実は、厚生労働省は、「派遣先が派遣契約期間の満了する前に派遣労働者
を解約する場合、派遣先は派遣先の関連会社で就業を斡旋しなければなら
ない」という通達を出している。だが、それを遵守する企業などほとんど
ないだろう。通達を無視する企業を、政府は放置してきたからである。守
らなくてもいいものだとしてしまったのである。経団連会長が首相の要請
を無視したのも、これらの延長線上にある。
守島基博・一橋大学教授は、「それは、与党も厚生労働省も、あまりに企
業経営と経営者について無知であることに原因がある」と指摘する。
〔以下略〕”
私の書いていることがよく理解できない方は、
上の辻広雅文ダイヤモンド社論説委員の論考をお読み下さい。
今回の事態を市場原理主義の責任であると公言する者は、
市場経済を全く理解していないか、
自らの責任を誤摩化そうとしているかのどちらかです。
その証拠に、彼らは経済成長と雇用の両立のために
どのような規制・政策が必要かと問われても答えられず、
自分の賃下げに大してだけ猛反発するのです。
ここまで市場原理主義への曲解と
雇用問題への無理解があるとは思いませんでした。
マツダの城下町である広島は、
市場原理を理解しそれと戦って優位を確保したからこそ
今日の経済的地位と繁栄とを築いたのです。
(数年前の苦境でマツダが倒れていたら、地域経済は崩壊した筈)
エフピコやオタフクソースのような
個性ある優秀な企業も私は尊敬しています。
こうした市場原理と果敢に戦う企業がいたからこそ、
百万の人口を養うことができたのではないでしょうか。
真の問題は、以下の3点にあります。
1)派遣労働者の低賃金・低社会保障を放置した
2)しかし正規社員への強い規制は維持した
3)派遣労働者を擁護するための予算を支出しなかった
自民党と厚生労働省には責任があるでしょうが、
市場原理主義の問題ではありません。
寧ろ規制緩和を一部の立場の弱い労働者だけに適用した、
「差別的雇用」の放置にすべての根源があります。
また、最後の一点に関しては、増税に感情的反発を行う
有権者も同罪であると言わざるを得ません。
派遣法改正「止められず」 広島労働局長が謝罪(産経新聞)
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/e20090107041.html?C=S
”厚生労働省広島労働局の落合淳一局長が、連合広島の旗開きでの来賓あいさ
つで、製造業への労働者派遣が解禁された労働者派遣法改正(平成16年施
行)に言及し「止められず申し訳なかった」と謝罪していたことが7日、分
かった。
連合広島によると、発言があったのは6日。落合局長は法改正について「も
ともと問題があると思っていた。市場原理主義が前面に出ていたあの時期に、
誰かが職を辞してでも止められなかったことを謝りたいと思っている」と述
べた。
また、期間途中での派遣労働者の契約打ち切りについて「法律違反であり、
あってはならない」と強調したという。
連合広島の国近匠事務局長は「踏み込んだ発言で驚いた。広島労働局はいち
早く雇用対策も始めており、評価している」と話している。”
→ 大変申し訳ありませんが、
連合は暢気に喜んでいる場合ではありません。
今すぐに行うべきことは、労組を牛耳ってきた
正社員の身分だけが手厚く保障され、結果的に
非正規社員を見殺しにした罪を潔く認めると同時に、
自発的に自らの賃金引き下げを申し出て
雇用を守るワークシェアリングを主唱することです。
この点で日本経団連に出遅れかけていることを、
恥だと思っていないのでしょうか。
“派遣切り”の加速は、企業の本質を理解できない政府の自業自得だ(diamond.jp)
http://diamond.jp/series/tsujihiro/10056/?page=2
”最大の問題は、彼らにとっての合理性を最大限に追求する産業界の要望を
政府がこれまで全面的に受け入れ、雇用の規制緩和一辺倒で応じてきたこ
とだろう。振り返れば、一定の歯止めをかけることなく、あまりにクビを
切りやすい条件を整えてきた。労働政策が国家政策であるという意識を持
たず、産業界が主導する規制改革会議にその方向性の決定を委ねてきた咎
めは大きい。
例えば、企業が派遣社員を雇用契約期限が切れる前に公然と切ってしまう
のは、雇用契約書のなかに期限前解雇を許容するように読める条文を入れ
られるように規制緩和をしたからである。
実は、厚生労働省は、「派遣先が派遣契約期間の満了する前に派遣労働者
を解約する場合、派遣先は派遣先の関連会社で就業を斡旋しなければなら
ない」という通達を出している。だが、それを遵守する企業などほとんど
ないだろう。通達を無視する企業を、政府は放置してきたからである。守
らなくてもいいものだとしてしまったのである。経団連会長が首相の要請
を無視したのも、これらの延長線上にある。
守島基博・一橋大学教授は、「それは、与党も厚生労働省も、あまりに企
業経営と経営者について無知であることに原因がある」と指摘する。
〔以下略〕”
私の書いていることがよく理解できない方は、
上の辻広雅文ダイヤモンド社論説委員の論考をお読み下さい。
今回の事態を市場原理主義の責任であると公言する者は、
市場経済を全く理解していないか、
自らの責任を誤摩化そうとしているかのどちらかです。
その証拠に、彼らは経済成長と雇用の両立のために
どのような規制・政策が必要かと問われても答えられず、
自分の賃下げに大してだけ猛反発するのです。